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国語が苦手だと感じてしまう理由と、その対策について

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「国語が苦手」という子どもとそうでない子は、どういうところで差が出てしまうのでしょうか。
今回の記事では、国語を苦手だと感じてしまうのはなぜなのかについて考えてみます。

読み書きできる漢字の数

まずは「漢字」です。小学校の授業で学ぶ「教育漢字」は約1000文字。
1年生で80、2年生で160と、習う漢字は少しずつ増えていきます。
中学・高校の教科書で使われるのは「常用漢字」とされる範囲内で、約2000文字です。新聞や放送で使われるのもだいたいこの範囲内です。

中学受験を考えるなら、入試問題には中高生以上向けの文章が出されるので、小学校で習う「教育漢字」だけでなく、「常用漢字」もある程度読めるようになっておかなければなりません。
ですので、小学校で習うペースで漢字を覚えていくだけでは間に合わないことになります。

中学受験を早くから意識しているご家庭では、小学校入学前から漢字の練習を始めます。
そのため、塾に通い始める4年生までにすでに差がついてしまっていることがあります。
読めない・書けない漢字が多いことは「国語が苦手」と感じるきっかけになってしまうことがあります。

文章を読む力

小学校低学年の段階では、塾に通っていなくても本をよく読んでいる子なら、文章を読む力にそれほど差はついていないかもしれません。
しかし、小学校4年生になると、読みこなせる文章の幅が広がっていく時期なので、塾であつかう文章のレベルがかなり難しくなります。
子どもたちにも言葉の力がつき始め、はっきりとした形のない、抽象的な内容でも理解できるようになるからです。

この時期には、塾に通っている子とそうでない子の差が大きくなります。
いくら本が好きな子でも、好みによって選ぶ本の種類やテーマに隔たりが出てきますが、塾に通っている子はいろんなジャンルの文章に触れる機会があります。
このあたりから、文章を読む力に明らかな差がつき始めます。

国語の入試問題を解くために必要な「国語力」とは

塾に通っている子どもたちの中でも、同じカリキュラムなのに国語力に差がついてしまうのは、「読む力」の伸び方がそれぞれちがっているからです。
そして、学校の授業でも中学受験の入試でも「読む力」はもちろん必要なのですが、入試にはもうひとつ「問題を解く力」が求められます。国語の入試問題を解くには「読む力」と「書く力」そして「解く力」の3つが必要なのです。この土台には、小学校の授業や日常生活で育まれた日本語だけでなく、社会的な知識も必要になってきます。こうした複合的なものが「国語力」だと言えます。

「うちの子、国語力が弱いみたいで…」とお母さんから相談されることがあるのですが、そういう時、私はいくつか質問をします。
なぜなら、「国語力が弱い」ということについて、どこがどのように弱いのかを具体的に検討したいからです。
「国語力」という言葉をあいまいなまま使うと、とらえどころがなくなってしまいます。

国語力が弱いと感じたのはいつごろからなのか、何があってそう思ったのか、子ども本人は国語についてどう言っているのか、など、できるだけ「国語力」という言葉のあいまいさをなくすように質問をするのです。
たとえば「うちの子は、説明をするのが下手なんです」と相談された場合は、それがどのような内容なのか、説明したときの詳しい状況も合わせて聞くようにしています。

親にうまく説明できない子も、学校では先生に上手に説明ができているかもしれません。
この場合、親が結論を急かしたり、子どもの話を遮っている可能性があるのでただ「聞き上手」になってあげることで解決してしまうこともあります。
逆に、家庭ではちゃんと説明できているのに学校でそれができない場合は、子どもが自信がない、緊張してしまうなど、シンプルなことが原因かもしれません。

ただ「国語力がない」と一括りにしてしまうのではなく、まずは、どうしてそう思うのか、それがどんな状況だったのかを振り返ることが必要なのです。

「読書嫌い」「書くのが嫌い」などの悩みについて

また、同じように「読む」「書く」についても、「うちの子は昔から読書が嫌いで」「とにかく書くことが嫌いなんです」と片付けてしまわず、子どもの「嫌い」という意識がどのようなものなのかをしっかり分析することが必要です。
本をあまり読まない子や、文章そのものを読むことが苦手に見える子でも、理由はそれぞれです。

自分が好きな分野についての本なら、少し難しくても食らいついて読み進められたり、イラストが少し入るだけで文章が読みやすくなる子もいます。
長い文章を「最後まで読む」ことだけが目的になっていて、内容を理解することより「あと15行で終わる!」などと読み終えることだけが目的になっていることが習慣になってしまっている子もいるので、注意して気づいてあげられるといいですね。

書くのが苦手な子にも、さまざまなタイプがあります。考えている内容はユニークでしっかりしていて、それを話し言葉で伝えることができても、書くとなると身構えてしまう子の場合は、一度話をさせて「それをそのまま文章にするといいよ」とアドバイスをするだけで、書けるようになることもあるでしょう。
また、自分の書いた内容が正解か不正解かを気にしすぎていたり、生活リズムと勉強のタイミングが合っていなくて、頭が疲れて考える気力がない時間帯に国語の勉強を組み込んでしまっている場合もあります。

国語が苦手…という子には、それぞれの事情や理由があるので、まずはそれをしっかり見極めることが大切ではないでしょうか。

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