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「中学受験は算数で決まる」は本当?子どもの「算数脳」を育むには

「中学受験は算数で決まる」は本当?子どもの「算数脳」を育むには
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中学受験の合否は、算数にかかっていると言っても過言ではありません。
逆に、算数が得意だと子どもに思わせることができたら、受験はほぼ成功とも言えるでしょう。
ここでは、中学受験における算数の大切さについて考えてみます。

中学受験の合否が算数に左右される理由とは

中学受験に挑戦するご家庭からの相談で多いのが「算数の文章題が苦手なのですが、どう対策すればいいでしょうか」といった、算数に関するものです。 「計算ミスが多くて、なかなか点数が上がりません」「子どもが算数ぎらいで困っています」などの相談もあります。

算数の攻略は中学受験においてとても重要です。 その理由の1つは算数の試験は問題数が少ないので、1問あたりの配点が高く、間違った場合のインパクトが大きくなってしまうことです。 たとえば国語は小問の数が多く、100点満点の試験で30問くらいあると1問あたりの配点は3点ですが、算数の場合は、小問がだいたい20問くらいしかありません。 この場合1問あたりの配点が5点となるので、ミスをすると全体の点数に大きく響きます。

2つめの理由は、中学入試の算数は学校で見たこともないような問題が出題されるので、受験用の勉強が必須になるということ。 実際に受験者の点数を見ると、多くの学校でばらつき具合が一番大きい科目は算数です。 だから逆に、算数で高得点が取れると合格の可能性が高くなると言えます。 国語は日常的に使う言語の問題なので、日常生活の中でも積み重ねや学校の授業が入試でも基礎点になりますが、算数ではなかなかそうはいきません。

おおまかに言うと、国語、社会、理科は平均点あたりに多くの受験者がかたまるのですが、算数は平均点のずっと上とずっと下にふたつの集団ができていることが多いのです。

子どもに「算数が得意」と思わせよう

中学受験の算数は、学校での勉強と大きくちがいがあると言いました。
学校のテストが毎回100点でも、受験用の勉強をしていないと入試問題はほとんど解けません。
学校の教科書をよく読み込んでみると、「難問にも対応させたい」「その基礎となる考え方を理解してほしい」という意図は読み取れますが、残念ながら学校の算数で実際に習う問題にはそれほど難しいものはなく、問題数も決定的に少ないのが実情です。

このように、中学受験には受験対策塾を利用することが必要不可欠ですが、それでも塾に行くのは4年生以降で十分です。
3年生までは、教科書の算数をしっかり楽しみ、深く納得しながら勉強してください。極端な「先取り学習」をする必要はありません。
具体的には、計算や漢字などを1学年上のものまでできるといい感じです。

2年生に4年生の問題をやらせると、たしかにできる子はいます。
でも先に学習することでアドバンテージを得るより、基礎をしっかりと固め、「わかる楽しさ」「解ける喜び」をきちんと知っている方が、中学受験を成功させるための近道になります。

「算数はおもしろい」「わかれば一層楽しい」という快感を知ったとたんに、子どもの頭の使い方は変わってきます。
そして「自分は算数が得意だ」と思わせることができたら、中学受験はほぼ成功といっても過言ではありません。

大人も一緒に学ぶ気持ちで

小学校低学年から中学年にかけての算数の学習の土台は、中学受験を目指す場合はもちろん、受験しない場合でも中学校以降の数学を学び、高校や大学の受験に向かう上での強固な力となります。

「つるかめ算なんて、社会に出てから役に立つわけがない」と言う方もいますが、算数の問題に取り組むことで論理思考、問題解決思考、そして集中力や試行錯誤、創意工夫などの力がつきます。
これは、社会人になったときに役立つ力です。

子どもが算数を楽しく学ぶためには、まずは大人も算数に対する苦手意識を持たないようにすることが大切です。
文系のお母さんで「算数はちょっと苦手で...」と感じている方もいるかもしれませんが、まずはその意識をなくすようにしましょう。

実は2019年5月15日、お母さんがお子さんに図形を上手に教えるための書籍「つまずきやすいところが絶対つまずかない! 小学校6年間の図形の教え方」を発売しました。
「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」で主任相談員としてご一緒する西村則康氏との共著です。
よければ参考にしていただければと思います。

もちろん、お母さんが中学受験の算数の問題をすべて解けるようになる必要はないので、それより、子どもと一緒にもう一度算数を勉強して楽しんでみようという気持ちを持っていただくだけでかまいません。

子どもが受験対策塾に通う前から、一緒に教科書を読みながら大人の知識もアップデートしておくといいですね。

「大人でもよくわからない」「先生はどうやって教えてくれたの?」といった会話の中で、子どもの理解度やつまずきを発見できるだけではなく、「なるほど、わかった!」という気持ちよさを一緒に味わうことができます。
その喜びの積み重ねが、算数の楽しさにつながるでしょう。

「算数脳」は社会に出てから必要

数学は、論理的思考を身につけるために学ぶものだと言われますが、むしろ算数のほうが、数学以上に論理的で、問題解決のための力やクリエイティブな力を育みます。
社会に出てから役立つのも「数学脳」より、実は「算数脳」なのです。

小学校の算数の問題は、低学年向けでも手こずるものが多く、難関中学の入試問題ともなれば、ほとんどの大人が解けないような問題ばかりです。
これは見方を変えれば、挑戦しがいがあると言えます。

算数の苦手意識をなくして、楽しく勉強できるように子どもを上手に導いてあげてください。

この記事を書いた人
主任相談員 辻 義夫 主任相談員 辻 義夫
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