夏は受験の天王山 2014年度に向けて⑤
~2013年度の開成中入試問題を題材に夏の学習準備をする~
『流水算は速さの復習にピッタリ!』
before
after
写真提供:環境省
環境省が地球温暖化防止のためライトアップ施設の消灯を呼び掛ける
「CO2削減/ライトダウンキャンペーン」です。
写真はポートタワー(神戸港)です。
私たちもこのキャンペーンに参加しています。
http://coolearthday.jp/
今回は再び開成中2013年度の入試問題から、夏の学習準備を考えます。
今回は速さと比の問題を解くときの手順が理解できているか、
流水算の解き方のポイントを身につけているかがよく分かる問題です。
2 A地点からB地点に向かって一定の速さで流れている川があります。この川のA地点からボールを流し、同時にB地点からA地点に向けて船が出発しました。船がA地点で折り返して、B地点まで一往復したところ、船がB地点に到着してから42秒後にボールもB地点に到着しました。
船がB地点からA地点まで行くのにかかった時間は、船がA地点からB地点まで行くのにかかった時間の2.25倍でした。船の静水での速さは一定として以下の問いに答えなさい。
(1)ボールがA地点を出発してからB地点に到着するまでに何分何秒かかりましたか。
(2) 船とボールが出発してから、(ア)最初に出会うまでにかかった時間、(イ)船がボールに追いつくまでにかかった時間、をそれぞれ求めなさい。
問題は「速さと比を利用した流水算」という、
6年生にとって夏前の復習にピッタリの問題です。
「速さと比」のポイントは、線分図で整理するか、
ダイヤグラムで整理するかの判断です。
問題の条件は「42秒後」「時間が2.25倍」という「時間条件」だけです。
時間条件が多いときは、どちらの整理が適していたでしょう?
そうですね、時間軸が横軸にあるダイヤグラムがより適しています。
これが復習の第一番目のポイントです。
流水算のポイントは、
上りの速さ、下りの速さ、静水時の速さ、流水の速さ(流速)を
線分図などに整理することです。
「く・せ・の・な」や「上・下・静・流」という整理方法もOKです。
では早速ダイヤグラムを書いていきましょう。
こんなかんじで書けましたか?
ところで、ダイヤグラムの着目点は何だったでしょう…。
1.相似形を利用する。
2.「山」「谷」で時間の比を利用する。
3.二等辺三角形や平行四辺形を利用する。
4.「琵琶湖」形で旅人算を利用する。
これらの着目点に、順に従うと
1→砂時計形の相似が2組ありますが、
9:(13+42秒)や9:42秒なので、利用できません。
2→時間の比が9:4の「山」があります!
これは使えますね!
時間の比 上り:下り=9:4 → 速さの比 上り:下り=4:9 です。
さあ、上りの速さと下りの速さが分かりましたから、
先ほど復習しておいた「流水算のポイント」が使えます。
この線分図から、流速=2.5(マル囲み)だとわかります。
つまり、
上りの速さ:下りの速さ:静水時の速さ:流速
=4:9:6.5:2.5
=8:18:13:5
です。
ここで大切なことを思い出して下さい。
ダイヤグラムに整理をしたときは、まず何の利用を考えるのでしょうか?
ダイヤグラムは「時間条件を利用する」が正解です!
ですから、
上りの時間:下りの時間:流速での時間(流されるときの時間)
=1/8:1/18:1/5
=45:20:72
を求めておきます。
※この問題では静水時を利用しないので求めていません。
このことをダイヤグラムに書き込むと、
となり、7=42秒 → 1=6秒 が分かります。
つまり、
です。
ですから、(1)の答えは 432秒後=7分12秒後です。
速さのポイント(比の利用、流水算)が押さえられていれば、
正解が可能な問題です。
もし、正解できなかった場合は、
1.ポイントは押さえられているか?
2. 着目点は押さえられているか?
3. 線分図やダイヤグラムを書いているか?
4. 求められたことを線分図やダイヤグラムに書き込んでいるか?
5. ポイントや着目点を「順に」利用しているか?
を確認し、
正しい処理ができていない点を
夏までに押さえ直しておくといいですね。
ちなみに、この問題は(1)が正解できると、
(2)は計算力だけの問題です。
以下は解き方の一例です。
速さ(の比)と時間が分かっていますので、
AB間の距離を求めておく解き方です。
(1)から、5×432秒=2160 がAB間の距離です。
(2)-(ア)は旅人算の出会いなので、
2160÷(8+5)=2分46 2/13秒です。
(イ)も順番に計算してOKです。
計算時間を短縮するために工夫をすると、次のような解き方もあります。
あ=2610/13秒ですから、
あ:い=2610/13:(270-2610/13)=8:5 です。
また、270秒後のボールと船との隔たり(琵琶湖形)を利用して、
い:う=1/(8+5):1/(18-5)=1:1 が求められます。
つまり、あ:い:う=8:5:5ですから、
270秒×(8+5+5)/(8+5)=6分13 11 /13秒となります。
旅人算や流水算は、
比と線分図、比とグラフの関係が理解できているかにぴったりの問題です。
このような良問を演習して、
夏前の準備状況を確認していけるといいと思います。
『流水算は速さの復習にピッタリ!』
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写真提供:環境省
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「CO2削減/ライトダウンキャンペーン」です。
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今回は再び開成中2013年度の入試問題から、夏の学習準備を考えます。
今回は速さと比の問題を解くときの手順が理解できているか、
流水算の解き方のポイントを身につけているかがよく分かる問題です。
2 A地点からB地点に向かって一定の速さで流れている川があります。この川のA地点からボールを流し、同時にB地点からA地点に向けて船が出発しました。船がA地点で折り返して、B地点まで一往復したところ、船がB地点に到着してから42秒後にボールもB地点に到着しました。
船がB地点からA地点まで行くのにかかった時間は、船がA地点からB地点まで行くのにかかった時間の2.25倍でした。船の静水での速さは一定として以下の問いに答えなさい。
(1)ボールがA地点を出発してからB地点に到着するまでに何分何秒かかりましたか。
(2) 船とボールが出発してから、(ア)最初に出会うまでにかかった時間、(イ)船がボールに追いつくまでにかかった時間、をそれぞれ求めなさい。
問題は「速さと比を利用した流水算」という、
6年生にとって夏前の復習にピッタリの問題です。
「速さと比」のポイントは、線分図で整理するか、
ダイヤグラムで整理するかの判断です。
問題の条件は「42秒後」「時間が2.25倍」という「時間条件」だけです。
時間条件が多いときは、どちらの整理が適していたでしょう?
そうですね、時間軸が横軸にあるダイヤグラムがより適しています。
これが復習の第一番目のポイントです。
流水算のポイントは、
上りの速さ、下りの速さ、静水時の速さ、流水の速さ(流速)を
線分図などに整理することです。
「く・せ・の・な」や「上・下・静・流」という整理方法もOKです。
では早速ダイヤグラムを書いていきましょう。
こんなかんじで書けましたか?
ところで、ダイヤグラムの着目点は何だったでしょう…。
1.相似形を利用する。
2.「山」「谷」で時間の比を利用する。
3.二等辺三角形や平行四辺形を利用する。
4.「琵琶湖」形で旅人算を利用する。
これらの着目点に、順に従うと
1→砂時計形の相似が2組ありますが、
9:(13+42秒)や9:42秒なので、利用できません。
2→時間の比が9:4の「山」があります!
これは使えますね!
時間の比 上り:下り=9:4 → 速さの比 上り:下り=4:9 です。
さあ、上りの速さと下りの速さが分かりましたから、
先ほど復習しておいた「流水算のポイント」が使えます。
この線分図から、流速=2.5(マル囲み)だとわかります。
つまり、
上りの速さ:下りの速さ:静水時の速さ:流速
=4:9:6.5:2.5
=8:18:13:5
です。
ここで大切なことを思い出して下さい。
ダイヤグラムに整理をしたときは、まず何の利用を考えるのでしょうか?
ダイヤグラムは「時間条件を利用する」が正解です!
ですから、
上りの時間:下りの時間:流速での時間(流されるときの時間)
=1/8:1/18:1/5
=45:20:72
を求めておきます。
※この問題では静水時を利用しないので求めていません。
このことをダイヤグラムに書き込むと、
となり、7=42秒 → 1=6秒 が分かります。
つまり、
です。
ですから、(1)の答えは 432秒後=7分12秒後です。
速さのポイント(比の利用、流水算)が押さえられていれば、
正解が可能な問題です。
もし、正解できなかった場合は、
1.ポイントは押さえられているか?
2. 着目点は押さえられているか?
3. 線分図やダイヤグラムを書いているか?
4. 求められたことを線分図やダイヤグラムに書き込んでいるか?
5. ポイントや着目点を「順に」利用しているか?
を確認し、
正しい処理ができていない点を
夏までに押さえ直しておくといいですね。
ちなみに、この問題は(1)が正解できると、
(2)は計算力だけの問題です。
以下は解き方の一例です。
速さ(の比)と時間が分かっていますので、
AB間の距離を求めておく解き方です。
(1)から、5×432秒=2160 がAB間の距離です。
(2)-(ア)は旅人算の出会いなので、
2160÷(8+5)=2分46 2/13秒です。
(イ)も順番に計算してOKです。
計算時間を短縮するために工夫をすると、次のような解き方もあります。
あ=2610/13秒ですから、
あ:い=2610/13:(270-2610/13)=8:5 です。
また、270秒後のボールと船との隔たり(琵琶湖形)を利用して、
い:う=1/(8+5):1/(18-5)=1:1 が求められます。
つまり、あ:い:う=8:5:5ですから、
270秒×(8+5+5)/(8+5)=6分13 11 /13秒となります。
旅人算や流水算は、
比と線分図、比とグラフの関係が理解できているかにぴったりの問題です。
このような良問を演習して、
夏前の準備状況を確認していけるといいと思います。

