『数の性質 上級レベルの学習ポイント』
第159回 2014年度入試間近 難関中研究 ~1~
「難関8校の算数10年 2014年度受験用 赤本1901 (難関中学シリーズ)」(英俊社)
師走!
京阪神の中学入試まであと1.5ヶ月、首都圏は2ヶ月となりました。
算数の受験対策もそろそろ、「できることを確実に!」の演習が中心に代わっていきます。
第1志望校を中心にもう一度過去問を振り返って、
今の自分に解ける問題と解けない問題を仕分けし、
今解ける問題が本当に100%正解できるかどうかをチェックしていきましょう。
今回も「この問題が正解できれば合格を引き寄せられる」問題をご紹介していきます。
今回は2013年度 神戸女学院中 入試問題から選んでみました。
2014年度の神戸女学院中の入試問題は以下の構成でした。
大問1…速さ(小問2問)
大問2…数の規則性(小問2問)
大問3…水の問題(小問2問)
大問4…数の性質(小問2問)
大問5…平面図形(小問2問)
大問7…数の性質と場合の数(小問3問)
制限時間50分 配点120点(4科目+体育実技=460点満点)
平成25年度 合格最低点248点(100点満点換算=53.9%)
この年の算数はどの問題もかなりの難度でしたから、
受験生はずいぶん苦労したことと思います。
大問1が「1」にしては難しめの問題で、大問2が定番問題、
大問3も解き方に気がつきやすい問題でしたから、
大問2から解き始めれば、より早く平常心を取り戻せたかもしれませんね。
大問6はいろいろなサイトでも紹介されていますが、
入試当日、試験会場で正解するのは少し難しかったかもしれません。
大問4、5、7は神戸女学院らしい問題で、
過去問をよく練習していれば「解き方の見当」はすぐにつきますから、
あとは「正解できる問題を正解できたる」ことができれば、
合格点を確保に貢献できたことでしょう。
そこで、「この問題が正解できれば合格を引き寄せられる」問題として、大問4をご紹介します。
4 次のように、ある規則にしたがって分数が並んでいます。
1/3、3/5、5/7、7/9、…
(1)分数を小数で表したとき、初めて0.999より大きくなるのは何番目の分数ですか。
(2)1番目から□番目までの分数を掛け合わせてできた分数を小数にしたものを <□> を表すことにします。例えば、1番目と2番目の分数の積は、1/3×3/5=1/5ですから、<2>=0.2となり、割り切れる小数となります。また、1番目から3番目までの分数の積は、1/3×3/5×5/7=1/7ですから、<3>=0.1428…となり、割り切れない小数となります。1から500までの□のうち、 <□> が割り切れる小数となる一番大きな□とそのときの <□> を求めなさい。
(1)の「より大きい」「より小さい」といった、数学でいう「不等式」「範囲(領域)」の問題は、
小学生には難しい問題のひとつです。
「もし等しければ」という考え方を覚えているかどうか、確認しておくとよいですね。
というわけで、仮に「求める分数=0.999」として考えてみます。
0.999=999/1000
問題の分数は分子分母とも奇数で、分母が分子より2大きい(差が2)です。
ですから、999/1000に最も近い997/999を調べます。
997/999=997÷999=0.997997… なので、答えにはなりません。
ここに2つの中級レベルの知識があれば、
計算で楽ができますし、答えの候補を絞り込むこともできます。
1. ☆/9、☆★/99、◇★☆/999、…などは、くり返す小数(循環小数)なので、
わり算をしなくても、997/999=0.997997…と気づけます。
2. 997/999は、995/997の分子分母に2を加えた(同じ数を加えた)分数、
(995+2)/(997+2)なので、995/997<997/999 とわかる。
「2」は濃さが約99.7%(食塩995g/食塩水997g)の食塩水に、
濃さ100%(食塩2g/食塩水2g)の食塩を加えると、
より濃い食塩水ができるという考え方(実際にはこんな濃い食塩水は作れませんが…)で、
「1」の循環小数と一緒に、数の性質を学んだ際に練習したことがあるお子さんも多いと思います。
さて本題に戻りましょう。
999/1000=1998/2000 から今度は考えます。
候補は、1999/2001と1997/1999ですが、
1998/2000=(1997+1)/(1999+1)ですから、
1997/1999<1998/2000 です。
1999/2001=1999÷2001=0.9990…なので、この分数が答えです。
「何番目」という問いですから、分子に着目して、(1999+1)÷2=1000(番目)です。
(2)のように
「分子と分母が斜めの組み合わせで消えていく(約分できる)」
という基本問題は、この中学校の受験者ならば練習したことがあると思います。
小数に直せる1/◆のうち、500番目の分数、
つまり分母が999以下で最も大きい奇数である分数という意味ですね。
1/◆が小数になる分数は、◆=2×…×2×5×…×5 というときだけ、
というのも中級レベルの知識です。
この問題は分母が奇数ですから、◆=5×…×5 ということになります。
5×5=25
5×5×5=125
5×5×5×5=625
5×5×5×5×5=3125
・
・
・
999以下という条件なので◆=625の分数までのときです。
先ほどと同じく分子を利用して、(623+1)÷2=312番目
1/3×3/5×5/7×…×623/625=1/625=0.0016
これで、□=312、0.0016が(2)の答えとわかりました。
調べ尽くせば答えを求めることができるが、
制限時間内となるとある程度の工夫が必要、
その工夫も中級レベルの知識を活用というのも、
上級問題らしいところです。
大問6のように解き方の発見が難しい問題と比べ、
大問4、5、7は調べれば答えが求められる問題は、
不正解を多発してしまうと、難関校受験で合格を獲得することは難しいと思います。
「順序よく、整理」ということが守れていれば、
書き出し方などは自分が正解しやすいものでよいと思います。
「できることを確実に!」の一環として、
「こんなふうに書いていけば絶対に正解できる」という書き方=答案の作り方を、
12月からは点検しておきましょう。
「難関8校の算数10年 2014年度受験用 赤本1901 (難関中学シリーズ)」(英俊社)
師走!
京阪神の中学入試まであと1.5ヶ月、首都圏は2ヶ月となりました。
算数の受験対策もそろそろ、「できることを確実に!」の演習が中心に代わっていきます。
第1志望校を中心にもう一度過去問を振り返って、
今の自分に解ける問題と解けない問題を仕分けし、
今解ける問題が本当に100%正解できるかどうかをチェックしていきましょう。
今回も「この問題が正解できれば合格を引き寄せられる」問題をご紹介していきます。
今回は2013年度 神戸女学院中 入試問題から選んでみました。
2014年度の神戸女学院中の入試問題は以下の構成でした。
大問1…速さ(小問2問)
大問2…数の規則性(小問2問)
大問3…水の問題(小問2問)
大問4…数の性質(小問2問)
大問5…平面図形(小問2問)
大問7…数の性質と場合の数(小問3問)
制限時間50分 配点120点(4科目+体育実技=460点満点)
平成25年度 合格最低点248点(100点満点換算=53.9%)
この年の算数はどの問題もかなりの難度でしたから、
受験生はずいぶん苦労したことと思います。
大問1が「1」にしては難しめの問題で、大問2が定番問題、
大問3も解き方に気がつきやすい問題でしたから、
大問2から解き始めれば、より早く平常心を取り戻せたかもしれませんね。
大問6はいろいろなサイトでも紹介されていますが、
入試当日、試験会場で正解するのは少し難しかったかもしれません。
大問4、5、7は神戸女学院らしい問題で、
過去問をよく練習していれば「解き方の見当」はすぐにつきますから、
あとは「正解できる問題を正解できたる」ことができれば、
合格点を確保に貢献できたことでしょう。
そこで、「この問題が正解できれば合格を引き寄せられる」問題として、大問4をご紹介します。
4 次のように、ある規則にしたがって分数が並んでいます。
1/3、3/5、5/7、7/9、…
(1)分数を小数で表したとき、初めて0.999より大きくなるのは何番目の分数ですか。
(2)1番目から□番目までの分数を掛け合わせてできた分数を小数にしたものを <□> を表すことにします。例えば、1番目と2番目の分数の積は、1/3×3/5=1/5ですから、<2>=0.2となり、割り切れる小数となります。また、1番目から3番目までの分数の積は、1/3×3/5×5/7=1/7ですから、<3>=0.1428…となり、割り切れない小数となります。1から500までの□のうち、 <□> が割り切れる小数となる一番大きな□とそのときの <□> を求めなさい。
(1)の「より大きい」「より小さい」といった、数学でいう「不等式」「範囲(領域)」の問題は、
小学生には難しい問題のひとつです。
「もし等しければ」という考え方を覚えているかどうか、確認しておくとよいですね。
というわけで、仮に「求める分数=0.999」として考えてみます。
0.999=999/1000
問題の分数は分子分母とも奇数で、分母が分子より2大きい(差が2)です。
ですから、999/1000に最も近い997/999を調べます。
997/999=997÷999=0.997997… なので、答えにはなりません。
ここに2つの中級レベルの知識があれば、
計算で楽ができますし、答えの候補を絞り込むこともできます。
1. ☆/9、☆★/99、◇★☆/999、…などは、くり返す小数(循環小数)なので、
わり算をしなくても、997/999=0.997997…と気づけます。
2. 997/999は、995/997の分子分母に2を加えた(同じ数を加えた)分数、
(995+2)/(997+2)なので、995/997<997/999 とわかる。
「2」は濃さが約99.7%(食塩995g/食塩水997g)の食塩水に、
濃さ100%(食塩2g/食塩水2g)の食塩を加えると、
より濃い食塩水ができるという考え方(実際にはこんな濃い食塩水は作れませんが…)で、
「1」の循環小数と一緒に、数の性質を学んだ際に練習したことがあるお子さんも多いと思います。
さて本題に戻りましょう。
999/1000=1998/2000 から今度は考えます。
候補は、1999/2001と1997/1999ですが、
1998/2000=(1997+1)/(1999+1)ですから、
1997/1999<1998/2000 です。
1999/2001=1999÷2001=0.9990…なので、この分数が答えです。
「何番目」という問いですから、分子に着目して、(1999+1)÷2=1000(番目)です。
(2)のように
「分子と分母が斜めの組み合わせで消えていく(約分できる)」
という基本問題は、この中学校の受験者ならば練習したことがあると思います。
小数に直せる1/◆のうち、500番目の分数、
つまり分母が999以下で最も大きい奇数である分数という意味ですね。
1/◆が小数になる分数は、◆=2×…×2×5×…×5 というときだけ、
というのも中級レベルの知識です。
この問題は分母が奇数ですから、◆=5×…×5 ということになります。
5×5=25
5×5×5=125
5×5×5×5=625
5×5×5×5×5=3125
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999以下という条件なので◆=625の分数までのときです。
先ほどと同じく分子を利用して、(623+1)÷2=312番目
1/3×3/5×5/7×…×623/625=1/625=0.0016
これで、□=312、0.0016が(2)の答えとわかりました。
調べ尽くせば答えを求めることができるが、
制限時間内となるとある程度の工夫が必要、
その工夫も中級レベルの知識を活用というのも、
上級問題らしいところです。
大問6のように解き方の発見が難しい問題と比べ、
大問4、5、7は調べれば答えが求められる問題は、
不正解を多発してしまうと、難関校受験で合格を獲得することは難しいと思います。
「順序よく、整理」ということが守れていれば、
書き出し方などは自分が正解しやすいものでよいと思います。
「できることを確実に!」の一環として、
「こんなふうに書いていけば絶対に正解できる」という書き方=答案の作り方を、
12月からは点検しておきましょう。

