小5生の学習方法 秋編 実力テストを活かしましょう3
「第258回 小5生の学習方法 秋編 実力テストを活かしましょう3」
これまでの2回では、
「浜学園 2015年度 第1回 小5 志望校判定模試 算数Ⅰ」の
①~⑫の振り返りと、
それに基づく秋~冬の学習方法について考えてきました。
今回は
⑬~⑰で出題された
「比と割合の文章題(濃さ)」「速さと比」について、振り返ります。
塾の5年生のカリキュラムは10月を終えるこの時期になると、
「比」を利用した問題もある程度学習するようになっていますから、
浜学園以外の塾にお通いの場合でも定着チェック他に
利用できると思います。
2015年度 第1回 小5 志望校判定模試 算数Ⅰより
⑬ 4.2%の食塩水200gに7%の食塩水150gと□%の食塩水250gを注ぎ、よくかき混ぜると8.4%の食塩水になりました。
食塩水の混合に関する問題(正答率57%)です。
食塩水の問題を整理する方法は問題の難度順に、
(1)塩分数、
(2)てんびん法または面積図、
(3)比の積と商
があります。
(1)がだめならば(2)、(2)がだめならば(3)の順です。
もちろん、いきなり(2)の整理方法を用いて解くことも可能ですが、
今回は「振り返り」が目的ですから、(1)から順に試していきます。
上記の他に、
「たんす」ともよばれる長方形のマスやビーカー図などの整理方法でも、
解き方の手順は同じです。
ア~オにあてはまる値を求め、最後に□がわかるという順です。
早速、「食塩水×濃さ=食塩」などを利用して、計算してみましょう。
ア、イ、オが計算できますので、
エも600g×8.4%=50.4gとわかり、
ウ=50.4g-(8.4g+10.5g)=31.5g も計算できます。
ですから、□=31.5÷250×100=12.6(%)と求められました。
この問題のように、
整理方法(1)の塩分数で解くことのできる問題は、
正答率も高くなります。
もし、この問題を不正解であった場合は、
食塩水の混合の基本問題を塩分数で解く練習を
冬期講習までにはすませておくようにしましょう。
⑭ A君が32分かかる仕事をB君はx分かかります。また、B君が18分かかる仕事をA君はx分かかります。xにあてはまる値は□です。ただし、A君、B君の仕事量はそれぞれ一定であるとします。
正答率も38%が示しているように、
類題を一度でも解いたことがあれば、
「あー、例の問題か」とすぐに解き方が分かるのですが、
初めて解く場合には、
どう解いてよいのかが分かりにくい問題です。
さらにこの問題では
少しだけ不親切な箇所があるため、
初めての場合、正解することを難しくしています。
それは、「ただし~」にある「仕事量」という表現の部分です。
ここでいう「仕事量」は
「一定の時間にする仕事量」、すなわち仕事の「速さ」のことで、
「全体の仕事量」のことではありません。
これは、損益売買算の「利益」という言葉が
「1個あたりの利益」「総利益」の2つの意味を持ち、
文の前後関係から読み取らなければいけないことに似ています。
さて、「速さがそれぞれ一定」とわかり、
さらに「~かかる仕事を~」という部分から、
「全体の仕事量(速さの問題の「距離」にあたります)」も
それぞれのケースで同じであることがわかりましたので、
「速さと比」の整理方法が使えることになります。
上記の解き方は、
「仕事算は速さの問題の一種」
と考えた解き方ですが、
もし、
「A君が32分かかる仕事をB君はx分かかり」
「B君が18分かかる仕事をA君はx分かかる」ことから
「時間の比は等しいはずだ」と考えて
「32:x=x:18」という考え方ができていれば、
それはとても素晴らしい解き方です。
なお、計算過程において
32×18=576 576=24×24 としていても、
現5年生以下はOKです。
しかし、
灘中を初めとする「数の性質」を出題する難関校が志望校であれば、
「素因数分解の利用」は非常に重要になってきますので、
解き方に取り入れるようにしておきましょう。
⑮ □mはなれた駅まで分速40mで向かう予定でしたが、途中25%の区間を分速60mに早めて向かったため、予定より3分早く着きました。
速さと比の問題です。
速さと比の問題の整理方法は問題の難度順に、
(1)比の積と商、
(2)線分図またはダイヤグラム
の2段階です。
(1)を利用する場合は、
速さ・時間・距離のうち、
和または差がわかっているものが3段目になるよう、整理をします。

これより、9分間で進む予定だった区間を6分間で進んだことがわかります。
ですから、その区間の距離は
40m/分×9分 または 60m/分×6分 より、360mと求められ、
これが駅までの距離の25%=1/4にあたりますから、
360m×4=1440m が答えです。
この他、下記のように
いったん線分図やダイヤグラムに整理してから解いてもかまいませんし、
あるいは、
全区間の25%で3分間の差ができるのだから、
全区間では3分×4=12分の差になるので、
差①=12分 → ③=36分(分速40mの場合)から、
1440mを求めてもよいでしょう。
このように問題解説を見てくると、
比較的やさしい問題であったように思えますが、
実際の正答率は28%とやや低めになっています。
この問題が
「家から駅まで行くのに分速40mで向かうのと、分速60mで向かうのでは12分の差があります」
という設定であれば、
正答率は70%以上ではないかと思われます。
ところが
「途中25%の区間」という条件が加わったため、
「25%の区間だけを先に処理する」
「25%の区間は全区間のどこにあってもよいので、始めまたは最後にあると考える」など、
「比を使う前の一工夫」ができずに
不正解になったのではないのかと思われます。
速さと比は
これから何度も出題されます。
今回不正解だった場合は、
速さと比の基本が理解できているかを
「家から駅まで行くのに分速40mで向かうのと、分速60mで向かうのでは12分の差があります」のような、
処理回数が1回の問題で確認しましょう。
理解できているようであれば、
今回の出題のように処理回数が2回の問題を塾教材などから選んで練習し、
処理回数が3回以上の問題に備えます。
⑯ 1周2.7kmの池のまわりをA君は分速36m、B君は分速45mで同じ地点から反対方向に向かって同時に出発します。2人が2回目に出会うのは出発してから□分後です。
池タイプの旅人算です。
同時に出発する池タイプの旅人算の特徴は
「出発してから出会うまでに2人の進んだ距離の和=1周」
「追いかけ始めてから追いつくまでに2人の進んだ距離の差=1周」です。
ですから、
2回目に出会うまでにA君とB君が進んだ距離の和は
池2周分となります。
2700m×2÷(36m/分+45m/分)=66 2/3分
この他に、
1回目に出会うまでの時間を求めて2倍するという解き方もOKです。
この問題も前問と同様、
正答率が33%とやや低めの値となっていますが、
「1回目」であればより高い正答率であったと考えています。
ですから、この問題で不正解であった場合は、
「池タイプの特徴」を上の図のように書き表すことができるかの確認をし、
また、
「同じコースをぐるぐる回るのだから、出会いや追い越しは規則的に起こる」
ということを
今回のような問題で練習しておくことが必要だと思います。
⑰ 長さが100mの急行電車と、長さが80mの普通電車が向かい合って走ると出会ってからはなれるまで4秒かかります。普通電車の速さは急行電車の速さの2/3であるとき、急行電車の速さは時速□kmです。
通過算です。
通過算は、
(1)1点通過(踏切や止まっている人の前を電車が通過する)、
(2)幅あり通過(駅のホームや鉄橋、トンネルを電車が通過する)、
(3)2つの電車の通過算(出会いや追い越し)、
(4)動いている人や車と電車の通過算、
(5)その他
の大きく5つに分類できます。
これらを整理するときは、
(1)(2)のように止まっているものが対象の場合は問題文の通りに絵(線分図)を書き、
(3)(4)のように動いているものが対象の場合は問題文の通りに絵(線分図)を書く
または遅い対象物を静止させて絵を書く、
というのが原則です。
まずは、電車が2つとも動いている絵を書いてみます。
このときに問題になるのは、
電車が離れる場所が、
電車が出会った地点の左右どちらにあるのかがわからないために、
絵が描けずに手が止まってしまい、
問題を解くことができないというケースです。
そのような場合には
「仮に右側で離れるとして書いてみよう」
と促してあげましょう。
解きすすめていって、
「不都合が生じれば書き直せばすむこと」
くらいの気持ちで問題に臨めるといいですね。
次に、電車の絵は描けても矢印が書き込めない場合です。
通過算のポイントは
「長さのある電車の1点に着目し、その動きを追いかける」
ことにあります。
着目する点は、
最後の絵で2つの電車が接している部分にしておくと、
矢印が重なることなく、スッキリと書けます。
最後は、絵は描けたもののその先に進めないケースです。
通過算の絵は、線分図でもあります。
ですから、
線分図の大原則「→に距離や距離の比を書きこむ」を実行しましょう。
絵を書くときのポイント整理しておきます。
(1)「仮に」という気持ちで書き進める、
(2)電車の1点に着目する、
(3)線分図を書いたときと同じ解き方をする
の3点です。
この問題は正答率が29%ですが、
間違えた場合でも、
上記3点のいずれかに理由がある場合は、
すぐに修正が可能ですので、
3つの注意点に気をつけながら
絵を書いて解く練習をしてみてください。
さてこの問題は、書いた絵から2つの解き方に分かれます。
【解き方1】… →の和(進んだ距離の和)=180mに着目する場合
(100m+80m)÷4秒×3.6=162km/時…2つの電車の速さの和
162km/時×3/5=97.2km/時
【解き方2】… →の長さ:←の長さ=3:2に着目する場合
(100m+80m)×3/5=108m…急行電車が4秒間に進む距離
108m÷4秒×3.6=97.2km/時
この問題を正解できた場合の振り返りとして、
いずれかの場合で正解できている場合、
もう一方の解き方も確認するようにするとよいでしょう。
最後に、「遅い方の対象物(普通電車)を静止させた絵」をご紹介しておきます。

「矢印が1つしかないので混乱しにくい」という長所のある解き方です。
ただ、
難度の高い問題を解くときには、
2つの電車をどちらも動かす絵を書くこともありますので、
難関中を目指している場合は、
一方を動かさない絵、
両方とも動かす絵の
双方を習得するようにしましょう。
速さと比の問題については、
習ってからの練習量が十分でないため、
使いこなせないこともまだあると思います。
しかし、ここまでに学んだ
「速さ・時間・距離の比の関係」
「線分図解法」
「ダイヤグラム解法」
「問題の条件に応じた特徴(池タイプ、通過算など)」が、
今後
の問題を解くために必要となってきます。
浜学園に通塾している場合であれば、
まずはB問題の練習を秋~冬に取り組み、
冬期講習ではそれらを使って問題を解くことができるようになっておきましょう。
そして
冬期講習で見つかった課題を、
第2回の志望校判定模試までに
攻略することができていれば、
理想的だと思います。

