第354回 立体図形の苦手克服術 5
「第354回 立体図形の苦手克服術 5」
前回は切断問題の中から図が与えられていない問題について見ましたが、
作図が必要な問題の攻略には、
切断の3原則を使いこなすことが必要だということがわかりました。
では、この3原則だけで入試問題を攻略することが可能なのでしょうか。
そこで、今回も作図が必要な問題を2017年度の入試問題より見ていこうと思います。
2017年度 灘中 1日目 入試問題 より
問題10 右の図のような、辺の長さがすべて10 cmの四角すいO-ABCDがあります。辺OA、OB、OC上に点P、Q、Rを(OPの長さ)=(ORの長さ)=( )cm、(OQの長さ)=6cmとなるようにとると、3点P、Q、Rを通る平面上に点Dがあります。
灘中など最難関中を目指す受験者にとってはおなじみの問題ですが、
はじめて見る問題の場合はかなり難しく感じるでしょう。
四角すいには「向かい合う平行な面」はありませんし、
位置がわかっている点Qと点Dは「同じ平面の上」にありませんから
結ぶこともできません。
ただ、次のような図になることはイメージできると思います。
このとき「求めるものがOQの長さ」であることを思い出すと、
「立体図形の苦手克服術 1」でわかった
【図を描くときのポイント】
(1) 立体を見る向きは、真上、真正面、真横、45°回転(時計回り、反時計回り)、斜め上方の6つがある
(2) 位置がわかっている2点を結べたり、垂直や平行な直線を描いたりできる向きを選ぶ
が使えることに気づけます。
上の図の向きから四角すいを見ると、次の図のようになります。
立体図形の問題を平面図形の問題に換えることができましたから、
あとは平面図形の解法技術があればOKです。
「相似完成+ダブル・チョウチョ相似」を使うと次のようになり、
7.5cmを求めることができます。
※「ベンツ切り」を用いてもOKです。
この問題は「切断」をテーマとしていますが、
用いるのは「切断の3原則」ではなく、
「図を描くときの2大ポイント」でした。
では、次の問題はどうでしょうか。
2017年度 聖光中 1回目 入試問題 より
問題1-(3) 図1は1辺の長さが1cmである立方体を3段積み重ねた図です。これと同じように8段積み重ねたものが図2の立体です。この立体の1段目から8段目までを3点P、Q、Rを通る平面で切ったとき、点Aを含む方の立体の体積は何cm3ですか。
図2の立体は途中が省略されています。
8段もの立体を自分で描くのは少し大変です。
図1が3段までで、求める立体が8段ということは・・・。
そうですね、「規則性」がきっとあるはずです。
そこで、1段の場合、2段の場合、3段の場合を調べてみましょう。
「切断の3原則」にしたがって2段の場合を作図すると、図のようになります。
さらに3段の場合も同様に作図すると、
点Aを含まない方の立体に規則性が見つかります。
切り取られる三角すい1個分の体積は、
1辺の長さが1cmの立方体の6分の1です。
8段の場合、1個+2個+3個+・・・+8個=36個の三角すいが切り取られます。
1cm3×(1個+3個+6個+10個+15個+21個+28個+36個)-1cm3×1/6×36個=114cm3
自分で作図することが必要な問題には、
今回ご紹介した問題のように、
切断に加えて平面図形への書き直しや規則性の発見が必要な問題もあります。
しかし、切断の3原則を使いこなすことが大切なことに変わりはありません。
どのような問題であっても切断がテーマになっている場合は、
切断の3原則が使えているかを確認しながら取り組めるといいですね。

