第362回 学校別オープン模試 6
「第362回 学校別オープン模試 6」
前回まで、関西圏の大手進学塾である浜学園が
今年の8月に実施した「灘中日本一模擬入試」から問題をご紹介してきました。
そこで、今回は首都圏の大手進学塾の中から四谷大塚の灘中模試をみていこうと思います。
四谷大塚は、首都圏に直営校が26(平成29年10月現在)、
YTnet、四谷大塚netに加盟している提携塾も全国に500以上あり、
平成28年には40名の灘中合格者を輩出しました。
今日は、その四谷大塚が平成26年の11月に実施した、
「学校別判定テスト 灘中」から何問かを選んでご紹介していきます。
四谷大塚 平成26年11月30日実施 学校別判定テスト 灘①より
問題4 ある整数を、複数の2以上の整数の積で表すことを考えます。このとき、かける順番は考えません。例えば、8では、2×4、2×2×2の2通り考えられます。3通りの積で表すことのできる50以下の整数は、全部で( )個あります。
「素因数分解」がテーマの問題です。
「素因数分解」を利用した問題はこれまでの灘中の過去問にありますので、
11月末段階であれば、受験生も類題を解いたことがあるかもしれません。
もし「初めて」という場合でも、少し調べると問題の本質が見えてきます。
素数は、積の表し方が
2=1×2
3=1×3
のように「1×その数自身」しかありませんから、
この問題にはあてはまりません。
4=2×2
6=2×3
8=2×2×2 と 2×4
9=3×3
10=2×5
12=2×2×3 と 2×6 と 3×4
14=2×7
15=3×5
16=2×2×2×2 と 2×2×4 と 2×8 と 4×4
18=2×3×3 と 2×9 と 3×6
ここまで調べてくると、
整数X=A×A×B(A2×B)のように素因数分解できる整数Xが
この問題の答えだとわかります。
22×(3、5、7、11)…4個
32×(2、5)…2個
52×2…1個
4個+2個+1個=7個
初めて見る問題であったとしても、
「50以下」ということは何かきまりがあるから求められるはずだと判断して、
調べるという方針が立てられればOKだと思います。
では、次に図形問題を見ていきます。
問題10 右の図のように、長方形ABCDの内部に辺AD、BCを直径とする半円をかきました。Pは2つの弧の交点で、PC、PDと弧の交点をそれぞれQ、Rとします。三角形PQRの面積( )cm2です。
平面図形の円問題です。
円問題の補助線は「中心と結ぶ半径」です。 
ここまで補助線を引くと、
が「元ネタ」の問題であることに気づけます。
さらに補助線を書き加えると、
となり、
より、
から、
求める面積は32cm2とわかります。
この問題は、角QPR=30°ですからPQ×PQを利用する解き方(30°問題)もありますが、
直角二等辺三角形が見つかった段階で「等積変形」に気づけたと思います。
最後に、立体図形の問題もご紹介しておきます。
問題11 右の図のような1辺の長さが18 cmの立方体があります。点P、Qはそれぞれ辺AD、BCの中点です。この立方体を、3点F、H、Pを通る平面と、3点E、G、Qを通る平面で切断しました。頂点Bを含む立体の体積は(① )cm3、表面積は(② )cm2です。(一部改題)
2回切断の問題です。
2回切断のポイントは、「2つの切断面の交点を結ぶ(=交線の作図)」ですから、
次のような図を描くことができます。
この図を見ると、この問題の「元ネタ」にも気づけそうです。
ですから、頂点Bを含む立体の体積の計算方法は、
のように、「重なりを引く」ということがわかります。
18cm×18cm×18cm×(7/24-1/12)=1215cm3
そして、表面積も「立方体の辺の中点を通る」三角すい台が見えたことから、
のように等積移動すると、
求める立体の展開図は次のような図だとわかります。
①=9cm×9cm×1/2 より、⑳=810cm2
今回ご紹介した四谷大塚の灘中模試の問題は灘中の過去問を踏まえた問題でしたから、
もしかすると受験生にはやや易しく感じたかも知れません。
四谷大塚の灘中模試には、難問がどのくらい解けるかということ以外に、
灘中の入試問題を攻略するのに重要な「過去問研究」がどのくらいできているかを、
11月30日という入試まで残りおよそ1.5ヶ月という時期に確認する狙いがあったものと思われます。
このように、
学校別オープン模試は、塾によって、時期によって
測定
しようとしているものが異なります。
模試を受けるときは、何を目的に受けるかを明確にしておけるといいですね。

