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第776回 共学中の入試問題 平面図形 3

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図形の練習問題 2026年05月23日18時00分

「第776回 共学中の入試問題 平面図形 3」

近年に共学中の入試で出された「平面図形」について考えています。

今回は「辺の比と面積比」の一行問題を取り扱います。

 

1問目は直角三角形の相似の問題です。

 

【問題】直角三角形に扇形が図のように接しているとき、扇形の半径を求めなさい。

(昭和学院秀英中学校 第1回 2026年 問題2-(2))

 

【考え方】

直角に着目します。

三角形ABCと三角形DBEは、

角BCA=角BED=90度

角B(○)が共通

で、対応する2組の角の大きさが同じですから相似です。

三角形ABCは

BC:CA=10㎝:6㎝=5:3

ですから、三角形BEDも

BE:ED=5:3

です。

DE=DF=EC

ですから、

BC=⑤+③=10㎝ → ①=10㎝÷8=1.25㎝

です。

よって、おうぎ形の半径は

1.25㎝×3=3.75㎝

です。

答え 3.75㎝

 

本問は、相似を見つける基本レベルの問題です。

「対応する2組の角の大きさが等しい三角形は相似」を確認しましょう。

 

2問目も相似の基本問題です。

 

【問題】下の図で、四角形ABCDは長方形です。点E、Fはそれぞれ辺BC、AD上にあり、ABとFEは平行です。また、BDとEFの交わった点をGとし、CE=12㎝、EG=4.5㎝とします。三角形BEGの面積が9㎠であるとき、台形GECDの面積は何㎠ですか。

(青山学院横浜英和中学校 A日程 2025年 問題3-(1) 問題文一部変更)

 

【考え方】

条件を図にかき込みます。(図1)

三角形BEGに着目すると、

BE=9㎠×2÷4.5㎝=4㎝

とわかります。(図2)

三角形BEGと三角形BCDは、

角BEG=角BCD=90度

角Bが共通

で、対応する2組の角の大きさが同じですから相似です。

三角形BEGは

BE:EG=4㎝:4.5㎝=8:9

ですから、三角形BCDも

BC:CD=8:9

です。(図3)

BC=⑧=4㎝+12㎝ → ①=16㎝÷8=2㎝

よって、

CD=2㎝×9=18㎝

です。

(4.5㎝+18㎝)×12㎝÷2=135㎠

答え 135㎠

 

本問も、相似を見つける基本レベルの問題です。

なお、相似な図形における(相似比)×(相似比)=(面積比)という関係を利用して解くこともできます。

三角形BEGと三角形BCDの相似比が

BE:BC=4㎝:16㎝=1:4

ですから、面積比は

(1×1):(4×4)=1:16

です。

よって、三角形BEGと台形GECDの面積比が

1:(16-1)=1:15

となるので、台形GECDの面積は

9㎠×15=135㎠

です。

 

3問目は定番の問題です。

 

【問題】図の四角形ABCDは、1辺が10㎝の正方形です。AE=CG=2㎝のとき、斜線の部分の面積を求めなさい。

(東京農業大学第一高等学校中等部 第1回 2025年 問題3-(1))

 

【考え方】

斜線部分は面積を求める公式のない四角形ですから、BとFを結ぶ直線で2つの三角形に分けて面積を求めます。(図1)

三角形AEFと三角形EBFは高さが等しい三角形なので、面積比と底辺の比は同じです。(図2)

底辺の比 AE:EB=2㎝:(10㎝-2㎝)=1:4 → 面積比 △AEF:△EBF=1:4

また、問題の図はBFについて線対称です。(図3)

三角形ABGに着目します。

①+④+④=8㎝×10㎝÷2 → ①=40㎠÷9=40/9㎠

よって、斜線部分の面積は

40/9㎠×(1+4+4+1)=400/9㎠=44 4/9㎠

答え 44 4/9㎠

 

本問は、高さの等しい三角形における、底辺の比と面積比の関係を利用する問題です。

なお、相似を利用する解き方もあります。

 

4問目も定番の問題です。

 

【問題】図の平行四辺形ABCDにおいて、平行四辺形ABCDの面積、三角形ABEの面積、三角形AFDの面積は、それぞれ24㎠、4㎠、3㎠です。三角形AEF(斜線部分)の面積は何㎠ですか。

(法政大学第二中学校 第1回 2025年 問題2-(4))

 

【考え方】

「傾いた三角形」の面積を求めるので、「全体から引く」という方針を立てます。

三角形ECFの面積は、BC:EC や CD:CF などの辺の比がわかれば求められますので、平行四辺形の対角線ACを引いて、BCやCDを辺とする三角形を作ります。(図1)

三角形ABCと三角形ABEは高さの等しい三角形なので、面積比と底辺の比は同じです。

面積比 △ABC:△ABE=(24㎠÷2):4㎠=3:1 → 底辺の比 BC:BE=3:1(図2)

同様に考えると、三角形ACDと三角形AFDの面積比が

(24㎠÷2):3㎠=4:1

なので、底辺の比の CD:FD も 4:1 と求められます。(図3)

三角形ABEと三角形ECFについて整理します。

4㎠×3/2=6㎠ … 三角形ECFの面積

ですから、斜線部分の面積は

24㎠-(4㎠+6㎠+3㎠)=11㎠

答え 11㎠

 

本問は、高さの等しい三角形を作る問題です。

平行四辺形を2つの三角形に分けながら、面積のわかっている三角形と高さの等しい三角形を作ることができる対角線ACを補助線とすることがポイントになっています。

なお、解答例では(底辺の比)×(高さの比)=(面積比)を利用していますが、次のように高さの等しい三角形を利用して解くこともできます。

 

 

最後は処理手順の長い一行問題です。

 

【問題】右図のように、平行四辺形ABCDがあり、面積は480㎠です。辺AB、BC、DA上にそれぞれ点E、F、Gがあり、AE:EB=1:4で、点F、Gはそれぞれ辺の真ん中の点です。このとき、図の斜線部分の面積は何㎠ですか。

(明治大学付属明治中学校 第1回 2025年 問題1-(5) 問題文一部変更)

 

【考え方】

2組の相似な三角形に着目すると、斜線部分の面積が三角形FGHの面積と三角形FJIの面積の差として求められます。

三角形AEHと三角形FGHは相似で、

AE:FG=1:(1+4)=1:5

ですから、AH:FH も 1:5 です。(左下図)

また、三角形AHGと三角形FGHは高さの等しい三角形ですから、面積比は底辺の比と同じです。

底辺の比 AH:FH=1:5 → △AHG:△FGH=1:5(中央下図)

さらに、三角形AHGと三角形FGHを合わせた三角形FGAと三角形BDAも高さの等しい三角形ですから、面積比は底辺の比の

AG:AD=1:2

と同じ 1:2 です。

480㎠÷2×1/2=120㎠ … 三角形FGAの面積(右下図)

120㎠×5/(1+5)=100㎠ … 三角形FGHの面積

次に、三角形BFJと三角形BCDは相似で、

BF:BC=1:(1+1)=1:2

ですから、FJ:CB も 1:2 です。(左下図)

また、三角形ABIと三角形FJIも相似で、相似比が

AB:FJ=2:1

ですから、BI:JI も 2:1 です。(中央下図)

さらに、三角形BFIと三角形FJIは高さの等しい三角形ですから、面積比は底辺の比の BI:JI と同じ 2:1 で、三角形BFIと三角形FJIを合わせた三角形BFJの面積は平行四辺形ABCDの1/4の半分です。

480㎠×1/4×1/2=60㎠ … 三角形BFJの面積(右下図)

60㎠×1/(2+1)=20㎠ … 三角形FJIの面積

よって、斜線部分の面積は

100㎠-20㎠=80㎠

です。

答え 80㎠

 

本問は、相似や高さの等しい三角形の面積の関係を利用して解く問題です。

手順の長い一行問題ですが、ひとつひとつの処理は基本レベルですから、はじめに正しい方針を立てることが大切です。

 

今回は、2025年度と2026年度に共学中で出された「辺の比と面積比」の一行問題をご紹介しました。

今回の解答例では、「相似」、「高さの等しい三角形」という基本の解き方を利用しています。

その他の解き方がある問題もありますが、もし、正解できない問題があれば、まずは解答例のような解き方を確認し、さらに、同レベルの問題の演習を通して、基本の解法を確実にマスターしましょう。

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図形の練習問題 / 中学入試の算数問題 2026年05月23日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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