文系ママだからできる算数の教え方 ~後編~
蜜柑!
ミカンです。
一般にミカンといえば、温州ミカンを思い浮かべます。
温州ミカンには、極早生(ごくわせ)、早生、中生(なかて)、晩生(おくて)があって、
収穫の時期が少しずつ違います。
このおかげで、9月頃から3月頃までミカンを食べることができるんです。
これにハウスミカンを加えると、ほぼ1年中です。
ミカンは「伊予柑(愛媛県)」、「河内晩柑(熊本市河内町)」、「土佐文旦(高知県)」や
紀州ミカン、熊本ミカンなどの名で出荷されるように、生産地が名前についているのですが、
「温州」というのは中国の地名なんです。
温州のミカンがおいしいことを書いた古い書物にちなんだ名前らしく、
生産地を表しているわけではありません。
海外では「MIKAN」のほかに
産地を表す「SATSUMA(温州ミカンの原産地は鹿児島県)」や
「TVorange(ナイフを使わないで皮がむけるため、テレビを見ながら食べられる)」が
「温州ミカン」の代わりに使われているようです。
外国でもテレビを見ながらミカンなんて!
日本だったら…、
やっぱり「ミカンとくればこたつ」、
こたつに入ってミカンを食べながら紅白歌合戦ですよね。(昭和の話?!)
今回の算数は前回に引き続き、
「ステップ2 合い言葉を使おう」と、
最後のステップ「ステップ3 声かけ」です。
「○○とくれば、★★!」
まずは、こんな感じでいってみましょう!
【例題】
一郎くんと花子さんは、A地点から2kmはなれたB地点との間を休まずに一定の速さで、1往復しました。花子さんは一郎くんが歩き出した数分後に自転車で出発し、B地点の800m手前で一郎くんに追いつき、B地点からA地点に向かって100m進んだところで一郎くんとすれちがいました。一郎くんがA地点に戻ったのは、花子さんがA地点に戻ってから6分後のことでした。
(1)一郎くんと花子さんの速さの比を求めなさい。
(2)花子さんの速さは分速何mですか。
おなじみ、速さの問題です。
このレベルの問題はよく見かけると思いますが、
正解できたり、まちがったりと、安定しないお子さんも結構おられます。
そんなお子さんには、こんな風に進めてみてください。
お母さん:問題を解くときの「ステップ1」って何だったっけ?
お子さん:問題文を「、」や「。」のところで切るんじゃなかったかな…。
お母さん:エライ! ちゃんと覚えているね。じゃ、やってみて。
実際に区切ってみると…
①一郎くんと花子さんは
②A地点から2kmはなれたB地点との間を休まずに一定の速さで
③1往復しました
④花子さんは一郎くんが歩き出した数分後に自転車で出発し
⑤B地点の800m手前で一郎くんに追いつき
⑥B地点からA地点に向かって100m進んだところで一郎くんとすれちがいました。
⑦一郎くんがA地点に戻ったのは
⑧花子さんがA地点に戻ってから6分後のことでした
お母さん:全部でいくつになったの?
お子さん:8個だよ。
お母さん:じゃあ、その中で消しても大丈夫なのは何番かな?
お子さん:①は大丈夫だと思うけど、あとはよくわかんない…。
お母さん:本当! あとは数字が入っていたり、大切そうな感じね。じゃあ、「ステップ1」はここまでにしておこっか?
お子さん:うん…。
お母さん:もし、後で削れることに気づいたら、そのとき削ればいいんじゃない?
そこで、「ステップ2 合い言葉を使う」にすすみましょう。
お母さん:で、「ステップ2」は何だったかな?
お子さん:「合い言葉…だっけ?」
お母さん:正解。じゃ、速さの問題の合い言葉、思い出せる?
お子さん:たしか、『距離条件とくれば線分図』、『時間条件とくればダイヤグラム』だったと思うけど。
お母さん:(単語カードをカンニングしながら)大正解! じゃあ、どっちにするの?
いま区切った7つの部分、それと問題のグラフを見てみると、
距離条件…②、⑤、⑥
時間条件…⑧(④は数値条件がありません)
がわかっていますので、
距離条件が多いから線分図に整理するのが良さそうだとわかります。
ここがこの問題の意地悪なところですね。
問題にはグラフが与えられていますが、
そのグラフを利用するもはすこし面倒な問題だったんです。
このように『合い言葉』を使うと、問題に仕掛けられた『罠』をかいくぐることも簡単です。
線分図に整理するときの合い言葉は…、
『線分図とくれば同時マーク(同時刻にいた地点に印を記入)』です!
でもその前にもう一つ、大切な合い言葉がありましたね?
『図を書くときは、条件を一気にすべてを書き込まない!』でした。
ですから、②~⑧のうち、②を書くことにします。
お母さん:じゃあ、②から図にするのよね? やってみてね。
お子さん:そんなの、簡単だよ!
次は順番からいうと③なのですが、
「1往復」を書くことは、途中の出会いや追い越しの話を飛ばして、
「一気に書き込んでしまう」ことになり、大原則に反しますから、
ここではいったんパスとしましょう。
お母さん:で、次はどうなるの?
お子さん:そんなん、④を書くに決まっているさ。
「何分あとに出発したのか」がわかりませんから、「・」しかかけませんでした…。
でも、今考えてもわからないことは後で考えるようにすることも大切な考え方です。
無理矢理数値を書き込む必要はありません。
まずは、わかっていること、わかることに重点をおきます。
これは算数すべての問題にいえることなんですよ。
お母さん:点が2つだけじゃあ、どうしようもないわよね。④まできたけど、どうしよう?
お子さん:そんなの当然、⑤も書くよ。
ようやく→(矢印)を書くことができましたね。
お母さん:(単語カードを見ながら)ところで→って何のためにあるのかしら?
お子さん:えーっと…。忘れた!
お母さん:じゃあ、単語カードから探してね。
お子さん:あぁ、これかな? 『→とくれば、距離や距離の比を書き込む』
お母さん:これは忘れていたからカードにチェックをつけておきましょうね。
※この部分は、お母さんが使っていた「覚えていなかったときの処理方法」でOKです!
速さの線分図解法では、もう一つ重要な合い言葉があります。
『同時マークで結んだ→を比べる』です。
なので、図の→(青)と→(赤)を比べるのですが、まだ何もわかりません。
そこで⑥です。
お母さん:考えてもわからないときは、次に進むんだったわね?
お子さん:うん、わかった。じゃあ、⑥も書いてみるよ。
『文系ママ』の役割は、こんな感じで
分解して明確になった構成要素を
ひとつずつ順に式や図に整理させていくところにあります。
算数や数学の授業で一足飛びの説明を聞かされて困ったときの経験が、ここでいきるんです。
お母さん:また矢印が増えたけれど、何がわかるのかしら?
お子さん:もう解けたよ! 一郎が700m進む間に花子は900m進むから、(1)は7:9さ。
『同時マークで結んだ→を比べる』を使うと、→(ア)と→(イ)について、
「ア=700m、イ=900m」が読み取れます。
『同時マークで結んだ→を比べ』たのですから、
2つの矢印の「時間は共通(同じ時間で進んだ距離)」です。
ということは、距離の比=時間の比 より、
一郎の速さ:花子の速さ=7:9 が求められます。
このようにして(1)の答がわかります。
実際に指導にあたっていると、
途中からは自分でどんどんで解き出すお子さんがとても多いんです。
このことからも、
「単元自体に弱点がある」のではなく、
問題を解きほぐす力が弱い=問題の構成要素を認識して順に処理するスキルが低いことが、
算数の得点が伸びることを妨げているとわかります。
ですから、
「ステップ1 句読点で区切る(+関連付け)」の癖付け、
「ステップ2 合い言葉を使う」ための単語カードを作る
まで進めば、
「ステップ3 声かけ」 は騎手の手綱さばきにも似ています。
となれば、算数の応援をしてあげることは難しくありません。
一つ一つの作業を順々に進めていくのは『文系ママ』の得意分野ですからね!
では問題を解ききってしまいましょう。
ここまでくれば、⑦と⑧を一緒に書き込んでも大丈夫です。
→(ウ)と→(エ)も同じ時間で進んだ距離ですから、
→(ウ):1900m(エ)=7:9
ですから、一郎くんが6分で進んだ距離(青色の点線部分)は、
2000-(1900×7/9-100)=5600/9(m )です。
この距離を6分ですすんだのですから、
5600/9÷6=103 19/27(m/分)が一郎くんの速さだとわかります。
最後に大切なことをお話しします。
この例では、
「途中から自分で解くことができる」お子さんでしたが、
最後まで解けないお子さんもおられたでしょう。
また、『文系ママだからできる算数の教え方』でも上手く解けないことがあると思います。
その理由は次の2つのうちのどちらかです。
A:問題のレベルが現在のお子さんの学力と比べて高すぎる
B:基本レベルの問題が習得できていない または 解法スキルを知らない
このどちらかを判断するのは、少し難しいかもしれません。
判断に困ったときは、塾の先生とすぐに相談なさるとよいと思います。
Aの場合であれば、
もう少しレベルがお子さんの学力に近い問題で経験を積ませてみましょう。
Bの場合であれば、
ご自身が算数の指導をされない限り、
至急、専門家のサポートを受けられることをおすすめします。
こちらは問題の根が深い可能性が高いからです。
いずれにしても今、算数で上手くいっていないなと思われましたら、
まずは『文系ママだからできる算数の教え方』を試してみてください。
次の道がきっと見えてくるんじゃないかなと思います。

