第766回 共学中の入試問題 比と割合 2
「第766回 共学中の入試問題 比と割合 2」
前回から、近年に共学中の入試で出された「比と割合」がテーマの問題を取り上げています。
今回は「売買算」と「倍数算」の応用問題を見ていきます。
1問目は売買算の問題です。
【問題】ある商品をA、Bの2つの店が同じ値段でそれぞれ1個ずつ仕入れました。A店では仕入れた値段の20%の利益を見込んで定価をつけ、B店では1000円の利益を見込んで定価をつけました。ところが、両方の店で売れなかったので、A店では定価より1500円安く、B店では定価の5%引きで値段をつけ直したところ、両方の店で同じ売価となりました。この商品の仕入れ値はいくらですか。
(東京農業大学第一高等学校中等部 第1回 2025年 問題3-(4))
【考え方】

答え 9800円
本問は、原価から定価や売価を決める基本問題です。
分配のきまりが利用できることを確認しましょう。
2問目も売買算の問題です。
【問題】原価800円の商品にいくらかの利益を見こんで定価をつけました。この商品を定価の2割引きで440個売ったときの利益は、定価の3割引きで960個売ったときの利益と同じになりました。この商品につけた定価はいくらですか。
(開智日本橋学園中学校 第1回 2025年 問題2-(4))
【考え方】
(1個あたりの利益)×(売った個数)=(総利益)ですから、総利益が等しいとき、1個あたりの利益の比と売った個数の比は逆比の関係です。
個数の比 440個:960個=11:24 → 1個あたりの利益の比 24:11
定価の2割引きで売ったときの1個あたりの利益を㉔円、定価の3割引きで売ったときの1個あたりの利益を⑪円として、条件を整理します。


答え 1300円
本問は、総利益と1個あたりの利益の関係、定価から値引きをした売価と利益の関係などを確認できる問題です。
正解できないようでしたら、解答例のような線分図をかいて考えてみましょう。
3問目は大問形式の倍数算です。
【問題】3種類の液体A、B、Cがあり、これらを混ぜて液体を作ります。このとき、次の問いに答えなさい。
(1) A、B、Cが1:3:7の割合で混ざっている液体に、Aを70g入れたところ、A、Bの割合が等しくなりました。最初の液体全体の重さを求めなさい。
(2) A、B、Cが7:5:6で混ざっている液体に、Aを200g加えたのち、Bを何gか加えたところ、A、B、Cの割合が5:3:2になりました。加えたBの重さを求めなさい。
(3) A、B、Cが3:6:1で混ざっている液体100gに、A、B、Cがある割合で混ざっている液体Dを入れたら、A、B、Cの割合が21:18:11となりました。さらにDをさきほどと同じ重さだけ入れたところ、A、B、Cの割合は9:6:5となりました。Dに含まれるA、B、Cの割合を最も簡単な整数の比で答えなさい。
(広尾学園中学校 第1回 2025年 問題4)
【考え方】
(1)
条件を整理します。

Bの重さは変化しませんから、3と1の最小公倍数である③にそろえます。

①+70g=③ → ①=70g÷(3-1)=35g
35g×(1+3+7)=385g
答え 385g
(2)
条件を整理します。

Cの重さは変化しませんから、6と2の最小公倍数である⑥にそろえます。

⑦+200g=⑮ → ①=200g÷(15-7)=25g
⑤+□g=⑨
□g=⑨-⑤=④
25g×4=100g
答え 100g
(3)
条件を整理します。

Aと合計の変化に着目します。
はじめのAの重さが
100g×3/10=30g
なので、「中間」のAと合計の関係は
(30g+□g):(100g+▲g)=21:50
と表せます。
(30g+□g)×50=(100g+▲g)×21
1500g+□g×50=2100g+▲g×21
□g×50-▲g×21=600g …(ア)
また、「最後」のAと合計の関係は
(30g+□g×2):(100g+▲g×2)=9:20
と表せますから、
(30g+□g×2)×20=(100g+▲g×2)×9
600g+□g×40=900g+▲g×18
□g×40-▲g×18=300g
□g×20-▲g×9=150g …(イ)
です。
消去算です。
(ア)を2倍、(イ)を5倍します。
□g×100-▲g×42=1200g …(ア)×2
□g×100-▲g×45=750g …(イ)×5
よって、
▲g×(45-42)=1200g-750g → ▲g=450g÷3=150g
です。
これを(イ)に代入すると
□g×20-150g×9=150g
□g=(150g+1350g)÷20=75g
となります。

「中間」において
A:B=21:18
ですから、Bは
105g×18/21=90g
なので、
60g+■g=90g → ■g=90g-60g=30g
です。
よって、
75g+30g+◎g=150g → ◎g=150g-105g=45g
です。
以上から、Dに含まれるA、B、Cの割合は
□g:■g:◎g=75g:30g:45g=5:2:3
とわかります。
答え 5:2:3
本問は、(1)、(2)が基本問題、(3)が倍数変化算の応用問題です。
(3)の解答例ではAと合計に着目していますが、AとBやAとCなどの変化に着目することもできます。
また、「濃さ(A=食塩の重さ、D=食塩水の重さ)」の問題と考えて、天びん図を使って解く方法もあります。
今回は、2025年度に共学中で出された「売買算」と「倍数算」の応用問題をご紹介しました。
売買算の2問は分配のきまりや線分図を利用する点が少し難しいかもしれませんが、大切な解き方です。
3問目の(1)、(2)と合わせ、もしまちがえた問題があれば、条件の整理方法や計算方法などの見直しをしましょう。
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