第767回 共学中の入試問題 比と割合 3
「第767回 共学中の入試問題 比と割合 3」
ここまで、近年に共学中の入試で出された「比と割合」の問題について考えています。
今回は「食塩水」の問題を見ていきます。
1問目は食塩水の基本問題です。
【問題】2.5%の食塩水200gから、ある量の食塩水を捨てて、同じ量の水を加えたところ、濃度は1.9%になりました。捨てた食塩水の量は何gか求めなさい。
(東邦大学付属東邦中学校 前期 2025年 問題2-(1))
【考え方】
分子に食塩の重さ、分母に食塩水の重さと濃さを書く「塩分数」を使って条件を整理してみます。
このとき、捨てる食塩水の重さと加える水の重さが同じですから食塩水の重さが変化しないこと、加える水に食塩が含まれていないことに注意します。

(食塩水の重さ)×(濃度)=(食塩の重さ)です。
200g×2.5/100=5g …(ア)
200g×1.9/100=3.8g …(ウ)
ですから、捨てた食塩水に含まれていた食塩の重さは
イ=5g-3.8g=1.2g
です。
□g×2.5/100=1.2g → □g=1.2g÷2.5/100=48g
答え 48g
本問は、食塩水の3公式(食塩水の重さ×濃度=食塩の重さ など)を利用する基本問題です。
正解できないようでしたら、解答例のような条件整理ができることを確かめましょう。
2問目は食塩水をやりとりする問題です。
【問題】容器Aには20%の食塩水が50g、容器Bには15%の食塩水が40g入っています。AからBに食塩水を何gか移して、それぞれの食塩水に溶けている食塩の重さが同じになるようにしました。このとき、Bに入っている食塩水の濃度を求めなさい。
(市川中学校 第1回 2025年 問題1-(2))
【考え方】
「移す(やりとり)」という操作を行いますので、その様子を流れ図に整理します。
このとき、やりとりしても食塩の重さの和が変わらないことに注意します。

50g×20/100=10g …(ア)
40g×15/100=6g …(イ)
☆g=10g+6g=16g
やりとり後に「それぞれの食塩水に溶けている食塩の重さが同じ」となりますから、
■g+■g=16g → ■g=16g÷2=8g
です。

10g-8g=2g…(ウ)
□g×20/100=2g → □g=2÷20/100=10g
★g=40g+10g=50g
8g÷50g×100=16%
答え 16%
本問は、食塩水のやりとりの整理方法と考え方を確認できる問題です。
なお、やりとりをしても食塩水の重さの和が変わらないことから、やりとり後の容器Bの食塩水の重さ(★g)を求めることもできます。
3問目はやりとりを2回行う問題です。
【問題】ビーカーAには食塩水が800g、ビーカーBには食塩水が400g入っています。ビーカーAから食塩水200gを取り出しビーカーBに入れてよくかき混ぜると、ビーカーBは6%の食塩水になりました。続けて、ビーカーBから食塩水400gを取り出しビーカーAに入れてよくかき混ぜると、ビーカーAは7.2%の食塩水になりました。最初にビーカーAとビーカーBに入っていた食塩水の濃度は、それぞれ何%ですか。
(筑波大学附属中学校 2025年 問題3)
【考え方】条件を流れ図に整理します。
このとき、ビーカーから取り出した食塩水とビーカーに残る食塩水の濃度が取り出す前の食塩水の濃度と同じ(黄色部分)であることに注意します。

赤枠部分に着目します。
400g×6/100=24g …(ア)
1000g×7.2/100=72g …(イ)
72g-24g=48g … (ウ)
□%=48g÷600g×100=8% → 最初のビーカーAの食塩水の濃度

さらに青枠部分に着目します。
200g×8/100=16g …(エ)
600g×6/100=36g …(オ)
36g-16g=20g …(カ)
■%=20g÷400g×100=5% → 最初のビーカーBの食塩水の濃度
答え A 8%、 B 5%
本問は、やりとりを行ったときの濃度について確認ができる問題です。
条件のそろっている「最後」から「早戻し」をしながら、順に計算を進めましょう。
では、4問目です。
【問題】13%の食塩水が300gあります。この食塩水に7%の食塩水を混ぜると、11%の食塩水ができました。加えた7%の食塩水は何gか求めなさい。
(芝浦工業大学附属中学校 第1回 2025年 問題1-(3))
【考え方】
「塩分数」を使って条件を整理してみます。

★以外の値がわかりませんので、条件を面積図に整理し直します。

△(赤色部分)と▲(水色部分)の面積が同じですから、縦の長さの比と横の長さの比は逆比の関係です。
(△の縦):(▲の縦)=(13%-11%):(11%-7%)=1:2
↓
300g:□g=2:1 → □g=300g×1÷2=150g
答え 150g
本問は、面積図を利用して解く基本問題です。
正解できないようでしたら、「塩分数を利用した条件整理から3公式が利用できないとわかるので、面積図(または天びん図)に整理し直す」という方針を確認しましょう。
最後の問題です。
【問題】3つの容器A、B、Cがあります。Aには濃度8%の食塩水が何gか、Bには濃度13%の食塩水が何gか、Cには濃度17%の食塩水が50g入っています。Aの中身の半分をBに入れて混ぜた後、Bの中身の一部をCに入れて混ぜると、Cには濃度12.5%の食塩水が200gできました。さらに、Aに残った中身をすべてCに入れて混ぜると、濃度10.5%の食塩水ができました。このとき、次の問いに答えなさい。
(1) 最後にBに残っている食塩水の濃度は何%ですか。
(2) 最初にBに入っていた食塩水は何gでしたか。
(明治大学付属明治中学校 2025年 問題3)
【考え方】
(1)
「Aの中身の半分をBに入れ」という条件がありますので、最初にAに入っていた食塩水の重さを②gとして、やりとりの様子を流れ図に整理します。

赤枠部分に着目します。
50g×17/100=8.5g …(ア)
200g×12.5/100=25g …(イ)
25g-8.5g=16.5g … (ウ)
200g-50g=150g …(エ)
□%=16.5g÷150g×100=11%
答え 11%
(2)
さらに青枠部分に着目します。

面積図を使って整理します。

△(赤色部分)と▲(水色部分)の面積が同じですから、縦の長さの比と横の長さの比は逆比の関係です。
(△の縦):(▲の縦)=(10.5%-8%):(12.5%-10.5%)=5:4
↓
①g:200g=4:5 → ①g=200g×4÷5=160g

最後に緑枠部分に着目し、面積図を使って整理します。

△(赤色部分)と▲(水色部分)の面積が同じですから、縦の長さの比と横の長さの比は逆比の関係です。
(△の縦):(▲の縦)=(11%-8%):(13%-11%)=3:2
↓
160g:☆g=2:3 → ☆g=160g×3÷2=240g
答え 240g
本問は、今回のまとめともいえる問題です。
やりとりを流れ図で整理し、食塩水の3公式と面積図を使い分けて正解を目指しましょう。
今回は、2025年度に共学中で出された「食塩水」の問題をご紹介しました。
もし、正解できない問題があれば、食塩水の3公式と面積図の使い分け、塩分数や流れ図などの整理方法を確認しましょう。
なお、解答例では食塩水の3公式が利用できるときはこれを優先的に用いましたが、面積図や天びん図を使って解いてもOKです。
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