第783回 共学中の入試問題 立体図形 5
「第783回 共学中の入試問題 立体図形 5」
これまで、近年に共学中の入試で出された「立体図形」の問題について見てきています。
今回は「水の問題」を取り扱います。
1問目は「水とグラフ」の問題です。
【問題】図1は、仕切り板のある水そうです。この水そうに、水がいっぱいになるまで一定の割合で水を入れ続けます。図2は水を入れ始めてからの時間と水そうにたまった水の最も深いところの高さ(水位)との関係を表したグラフです。ただし、仕切り板の厚さは考えないものとします。後の各問いに答えなさい。

(1) 図1の㋐の長さを求めなさい。
(2) 水を入れ始めてから水そうがいっぱいになるまでの時間を求めなさい。
(筑波大学附属中学校 2025年 問題2)
【考え方】
(1)
時間と水位の関係を表したグラフは、水が仕切り板を越えるときに変化します。
そこで、図2のグラフからわかることを、図1の水そうを正面から見た図に記入すると、次のようになります。

(水が入っている部分の体積)=(1分間に入る水の量)×(時間)ですから、1分間に入る水の量を□㎤とすると、30分後の図より
50㎝×60㎝×50㎝=□㎤/分×30分 → □=5000(㎤)
とわかります。
仕切り板の左側で水位が50㎝になった30分後から水が仕切り板を越えて右側に入り始め、45分後に水面の位置が左側と同じになりますので、
50㎝×㋐×(50㎝-20㎝)=5000㎤/分×(45分-30分) → ㋐=50㎝
です。
答え 50㎝
(2)
45分後から満水になるまでに入る水(下図の赤色部分)の体積は
50㎝×(60㎝+50㎝)×(100㎝-50㎝)=275000㎤
です。

275000㎤÷5000㎤/分=55(分)… 45分後から満水になるまでの時間
45分+55分=100分
答え 100分
本問は、グラフの読み取りと(水が入っている部分の体積)=(1分間に入る水の量)×(時間)の使い方を確認できる基本レベルの問題です。
正解できないようでしたら、正面から見た図にグラフからわかることがかけることを確認しましょう。
2問目は「容器の向きを変える」問題です。
【問題】□にあてはまる数を入れなさい。
図1のような、高さが6㎝の正三角形を底面とする正三角柱と、正六角柱をつなぎ合わせた容器があります。この容器にいくらかの水を入れ、図1を矢印の向きから見たものが図2です。このとき、水面の高さは3㎝でした。

(1) この容器の正六角柱の部分に入っている水の体積は、正六角柱の部分の容積の□倍です。
(2) この容器を正三角形の面が下になるように立たせたとき、水の高さは□㎝です。
(青山学院中等部 2025年 問題13)
【考え方】
(1)
容器の正六角柱の部分は底面が正六角形、高さが12㎝、正六角柱で水が入っている部分は底面が六角形、高さが12㎝の柱体です。

また、正六角柱の底面は高さ2㎝の合同な6個の正三角形に、水が入っている部分の底面は高さ1㎝の合同な19個の正三角形に分割することができます。

高さが2㎝の正三角形の中に高さが1㎝の正三角形がピッタリ4個入りますから、正六角柱の底面の面積は高さ1㎝の正三角形の 4個×6=24個分 です。

19÷24=19/24(倍)
答え 19/24倍
(2)
(1)の図より、容器の正三角柱の底面が高さ1㎝の正三角形の 4個×9=36個分、三角柱の水が入っている部分の底面が高さが1㎝の正三角形の27個分とわかります。

ですから、容器と水の体積の関係は次のようになります。

よって、容器の向きを変えると、容器の下側となる正三角柱の部分はすべてに水が入り、容器の上側となる正六角柱の部分は下から□㎝のところまで水が入ります。

□㎝:12㎝=⑩:㉔ → □㎝=12㎝×10÷24=5㎝
12㎝+5㎝=17㎝
答え 17㎝
本問は、底面積・高さ・体積の関係と容器の向きを変えても水の体積が変わらないことを利用しますが、その他に正三角形とその内部にピッタリ入る正六角形の面積の関係や正六角形の均等分割の知識も必要となる、応用レベルの問題です。
最後は、「水とグラフ」と「容器を傾ける」がテーマの問題です。
【問題】図1のような仕切りのついた水そうがあり、アの上部から一定の割合で水を注ぎます。また、イの底面には排水口があり、1分間に150㎤の割合で水を排水します。はじめは排水口を閉めた状態から水を入れ、しばらくしてから排水口を開け、水そうが満水になったら水を注ぐのをやめ、またしばらくして排水口を閉めてから容器を太線の部分を固定して図2のように、ゆっくりと左に45°傾けたところ、100Lの水がこぼれました。図3のグラフは水を注いでからの時間とアの部分の高さを表したものです。ただし、水そうと仕切りの厚みは考えないものとします。このとき、次の問いに答えなさい。

(1) 水は毎分何㎤の割合で注がれていますか。
(2) 排水口を開けたのは水を入れ始めてから何分後ですか。
(3) 排水口を閉めたのは水そうが満水になってから何分後ですか。
(栄東中学校 Ⅰ入試 2026年 問題5)
【考え方】
(1)
グラフは水が仕切り板を越えるときに変化しますから、水を入れ始めてから50分後に水が仕切りと同じ高さになるとわかります。

40㎝×30㎝×25㎝÷50分=600㎤/分
答え 毎分600㎤
(2)
横の長さが30㎝、高さが25㎝のアの部分に水が入るのにかかる時間が50分ですから、もし、排水口を開けなければ、アと高さが同じ25㎝で横の長さが2倍の60㎝であるイの部分に水が入るのに2倍の100分かかり、50分+100分=150分 にグラフが変化するはずです。
しかし、実際にはそれよりも10分後の160分にグラフが変化していますから、50分から160分の間で排水口を開けたことになります。

40㎝×60㎝×25㎝=60000㎤ … 50分から160分までにたまった水
600㎤/分-150㎤/分=450㎤/分 … 排水口が空いているときにたまる水の割合
つるかめ算です。

160分-50分=110分
□分=(60000㎤-450㎤/分×110分)÷(600㎤/分-450㎤/分)=70分
50分+70分=120分
答え 120分後
(3)
水そうが満水になったときのようすを図に表します。(図あ)
40㎝×30㎝×25㎝=30000㎤
40㎝×60㎝×25㎝=60000㎤
40㎝×(30㎝+60㎝)×25㎝=90000㎤
仕切り板の左右に25㎝の高さまで水が入ったときの体積が90000㎤=90Lで、排水口を閉めてから水そうを傾けてこぼれた水の体積が100Lでしたから、水そうを傾けたとき=排水口を閉めたときの水の深さは25㎝より深かったとわかります。(図い)

(図い)の状態から水そうを45度傾けると、(図う)のように水が残ります。
(図う)の一部を拡大すると、赤色の三角形と水色の三角形がそれぞれ直角二等辺三角形であることがわかります。(図え)

■㎝=50㎝-30㎝=20㎝
(50㎝+20㎝)×30㎝÷2×40㎝+25㎝×25㎝÷2×40㎝=54500㎤ … 容器を傾けた後に残る水
ですから、排水口から出た水は
40㎝×(30㎝+60㎝)×50㎝-(100L×1000+54500㎤)=25500㎤
です。
25500㎤÷150㎤/分=170分 … 水そうが満水になってから排水した時間
答え 170分後
本問の(1)はグラフの読み取り、(2)はつるかめ算の利用、(3)は容器を傾けたときの作図を確認できる問題です。
(3)の作図において、容器を傾けた図をかきにくいときは、解答例のように水面を傾けてみましょう。
今回は、2025年度と2026年度に共学中で出された「水の問題」をご紹介しました。
「水の問題」は、グラフの読み取り、水の体積=決まった時間に入る水×時間、正面から見た図を利用して考えることが基本です。
今回のような問題が苦手なときは、まずは、グラフが変化する理由、見取り図を参考にして正面から見た図をかくことの2点について、基本問題を使った復習に取り組みましょう。
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