第793回 男子中の入試問題 比と割合 2
「第793回 男子中の入試問題 比と割合 2」
前回から、2026年度に男子中の入試で出された「比と割合」の問題について考えています。
2回目のテーマは「売買算」の基本問題です。
早速、問題を見ていきましょう。
1問目は「1個売り」の売買算です。
【問題】ある衣料品店では、すべての商品の売り値は定価の20%引きです。今日は特売日のため、Tシャツを売り値の5%引きの2888円で購入できました。このTシャツの定価はいくらですか。
(桐朋中学校 2026年 第1回 問題2-(2))
【考え方】
20%=0.2
「20%引き」は(1-0.2)倍という意味です。
同じように、「5%引き」は(1-0.05)倍ですから、条件は次のような流れ図に整理できます。

□円×(1-0.05)=2888円 → □円=2888円÷0.95=3040円
(定価)×(1-0.2)=3040円 → (定価)=3040円÷0.8=3800円
答え 3800円
本問は、売買算の基本問題です。
正解できないようでしたら、「20%引き」と「0.8倍」、「5%引き」と「0.95倍」がそれぞれ同じ意味であることを確認しましょう。
なお、「□円」の代わりに「1」や「①」を利用することもできます。

2888円÷0.76=3800円
2問目も「1個売り」の売買算です。
【問題】次の[ ]にあてはまる数を求めなさい。
原価が1500円の品物に[ ]%の利益を見込んで定価をつけましたが、売れなかったので定価の20%引きの1560円で売りました。
(攻玉社中学校 2026年 第1回 問題2-(2) 問題文一部変更)
【考え方】
□%=□/100 → □%の利益を見込む=(1+□/100)倍
20%=0.2 → 20%引き=(1-0.2)倍=0.8倍
条件は、次のような流れ図で表せます。

1500円×(1+□/100)×0.8=1560円
1+□/100=1560円÷0.8÷1500円=1.3
□%=(1.3-1)×100=30%
答え 30
本問も、売買算の基本問題です。
正解できないようでしたら、「□%の利益を見込む」を「×(1+□/100)」と表せることを確認します。
3問目は「多数売り(2個以上)」の売買算です。
【問題】次の□にあてはまる数を求めなさい。
1個□円で13個仕入れた品物に1個あたり3割5分の利益を見込んで定価をつけました。しかし1個も売れなかったので、定価の2割引きにするとすべて売れて、利益は2392円でした。
(世田谷学園中学校 2026年 第1次 問題1-(4))
【考え方】
はじめに1個あたりの仕入れ値、定価、値引き後の売価の関係を整理します。
3割5分=0.35
2割=0.2

仕入れ値を1に置き直します。

多数売りの売買算は、条件を表に整理することができます。

(値段)×(個数)=(合計金額)です。
ア=1×13個=13
イ=1.35×0個=0
ウ=1.08×13個=14.04

(売価)-(原価)=(利益)ですから、2392円が 14.04-13=1.04 にあたります。
2392円÷1.04=2300円 … 1(=□円)にあたります。
答え 2300
本問は、2個以上の売買算の整理方法を確認できる問題です。
もし、正解できないようでしたら、条件を表に整理できることを確認しましょう。
なお、2392円÷13個=184円のように、1個あたりの利益を先に求める解き方もあります。

184円が 1.08-1=0.08 にあたる。 → 184円÷0.08=2300円
また、1個の仕入れ値□円としたまま「総額」に着目して
□円×1.08×13個-□円×13個=2392円
から、□を求めることもできます。
4問目も「多数売り」の売買算です。
【問題】ある商品を800個仕入れ、仕入れ値の5割増しの定価をつけて売ったところ、全体の30%の商品が売れ残ってしまいました。そこで、残った商品を定価の2割引きで売ったところ、すべて売り切れ、利益の総額は196800円でした。この商品の1個あたりの仕入れ値は何円ですか。
(早稲田中学校 2026年 第1回 問題1-(2))
【考え方】
はじめに1個あたりの仕入れ値、定価、値引き後の売価の関係を整理します。
5割=0.5
2割=0.2

1個の仕入れ値を1とすると、定価は
1×(1+0.5)=1.5、
値引き後の売価は
1.5×(1-0.2)=1.2
です。
続けて、条件を表に整理します。
30%=0.3
800個×0.3=240個 … 値引いて売った個数
800個-240個=560個 … 定価で売った個数

ア=1×800個=800
イ=1.5×560個=840
ウ=1.2×240個=288
(売り上げ)-(仕入れ)=(利益)ですから、196800円が
840+288-800=328
にあたります。
196800円÷328=600円 … 1にあたります。
答え 600円
本問も、「多数売り」の売買算の整理方法を確認できる問題です。
もし、正解できないようでしたら、表に整理できること、表の空欄を埋められることを確認しましょう。
なお、この問題も、仕入れ値を①や□円として解くことができます。
最後は、利益に関する問題です。
【問題】ある店では商品を毎月仕入れて売っています。7月には1割の利益を、8月には2割の利益を見込んで定価をつけて売りました。8月に仕入れた個数は、7月に比べて20%減らしました。どちらの月も、仕入れた分をすべて売り切った結果、7月の利益と8月の利益で6000円の差が出ました。このとき、7月の売上を求めなさい。
(海城中学校 2026年 一般① 問題1-(4))
【考え方】
総利益は(売り上げの総額)-(仕入れの総額)と(1個あたりの利益)×(個数)の2通りの求め方があります。
ここでは、(1個あたりの利益)×(個数)=(総利益)を利用することにします。
はじめに、1個あたりの利益について整理します。
1割=0.1
2割=0.2

8月の仕入れ個数は7月の20%減ですから、1-0.2=0.8倍です。
(1個あたりの利益)×(個数)=(総利益)に「比」をあてはめます。

7月の総利益を⑤円とすると、8月の総利益は⑧円です。

⑤円+6000円=⑧円 → ①円=6000円÷(8-5)=2000円
2000円×5=10000円 … 7月の総利益
1個あたりの利益が仕入れ額の0.1(=1割)ですから、仕入れた商品をすべて売り切ったときの総利益も仕入れの総額の0.1にあたります。
10000円÷0.1=100000円 … 7月の仕入れの総額
(仕入れの総額)+(総利益)=(売り上げの総額)です。
100000円+10000円=110000円
答え 110000円
本問は、3公式(1個あたりの利益×個数=総利益)に比を利用する問題です。
もし、正解できないようでしたら、7月に仕入れた個数を10個、8月に仕入れた個数を8個のように具体的に仮定して解いてみましょう。
なお、総利益が(売り上げの総額)-(仕入れの総額)で求められることを利用する場合、1個のあたりの仕入れ額を①円、7月の仕入れ個数を10とした、次のような表に整理できます。

⑪円=10000円×11=110000円
今回は、2026年度に男子中で出された「売買算」の基本問題を中心にご紹介しました。
1~4問目のような基本問題を正解できないようでしたら、売る個数が1個の場合は流れ図や連比、2個以上の場合は表に整理して解く練習をしましょう。
また、最後の問題のように金額や個数の条件が少ない場合、比と3公式を組み合わせたり、「10個仕入れる」のように具体的な数値を仮定したりする解き方があることを覚えておくとよいと思います。
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