小川大介の中学受験合格を実現する逆算受験術

中学受験情報局『かしこい塾の使い方』 -> 主任相談員の中学受験ブログ -> 小川大介の中学受験合格を実現する逆算受験術 -> 中学受験  -> 中学受験とスポーツは両立できる?

中学受験とスポーツは両立できる?

このエントリーをはてなブックマークに追加
中学受験 2018年09月04日12時00分

こんにちは! 小川大介です。
先日、あるセミナーでこのような相談を受けました。

〈5年生ママからの相談〉
小5の男の子の母親です。息子は小1からサッカーをやっています。
ところが、4年生の10月に突然、「中学受験をしたい!」と言い出し、
ダメもとで入塾テストを受けてみたら、わりと成績がよく、
今は「麻布に行きたい」と言っています。

しかし、夏休みになってから塾の勉強がハードになり、
このままサッカーと両立できるか心配になってきました。
息子もサッカーは続けたいけれど、
サッカーを続けることによって勉強時間がとれないことに焦りを感じてきているようです。
やはり、中学受験をするなら、サッカーは辞めたほうがいいのでしょうか?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

スポーツや習い事を続けながら、中学受験に挑みたいという家庭は少なからずいます。
しかし、今の大手進学塾のカリキュラムに沿って、難関校を目指すとなると、
確かに大変なのは事実です。

ですが、受験する学校を選べば、できなくもありません。
この男の子が行きたいと言っている麻布中がまさにそう。

麻布中の入試問題は、初見の知識が書かれていることが多く、
その場で読み解く力が求められます。
そのため、中学受験に必要な膨大な知識よりも、
その場の判断力や思考力勝負の入試になります。

麻布中に合格する子の特徴として、以下の素質を持った子が挙げられます。
・好奇心が旺盛な子
・地頭がいい子
・自分なりに理解をしたがる子
・こうかな、ああかな、と試行錯誤を楽しめる子
・集中力のある子

スポーツをやっている子は、集中力と判断力が鍛えられます。
特にサッカーのようなチームスポーツをやっている子は、
自分とまわりをよく見る習慣がついているので、物事を俯瞰して見る力が鍛えられます。
これは、問題を一読しただけではすぐに答えを出すことができない
難関中学入試に必要なスキルです。

個人スポーツであれば、継続力や粘り強さがつきます。
自分自身の大きな目標に向かって、日々の練習(課題)を大事にするというプロセスは、
受験と同じです。

つまり、受験にスポーツは有効なのです。

ただし、練習時間が長いチームだと両立は難しくなるでしょう。
そもそも練習時間がやたらと長かったり、反復練習が多かったりするチームは、
選手としての成長を考えても、あまりおすすめできません。

短時間で集中して成果を伸ばせるチームこそ、指導力のあるチームだと思います。
そういう点では、チームを選ぶことも大切です。

スポーツと受験の両立に迷ったら、
「それを続けることによって何を得られるか」という視点で考えてみましょう。

本人にとってどんな意味があるのか?
肉体的な成長や精神的な成長、まわりとの関係が育つなど、
さまざまな良さを見つけてみます。
そして、わが子がどんな子に成長して欲しいかを再確認し、
それを基準に判断してください。

サッカーを続けたい。けれど、現実は時間がない。
でも、「時間がないから辞める」という理由は、一番よくない選択です。

両立が難しいと思ったら、
今、このまま続けていくと、この先どんな問題が起こりそうか、
その結果、どうなるのかをきちんと伝え、
本人に考えさせた上で、
納得した選択をさせる。

どちらもやってみたら?と理想だけ言ってもうまくはいきません。
親子でしっかり話し合いをしましょう。

サッカーは6年生の夏で、ほとんどの子が引退をします。
そこから頑張っても間に合わないことはありません。
ただし、受験校の選択は必要です。

上に挙げた素質を持っている子であれば、
麻布中、武蔵中、栄光中、公立中高一貫校は十分に狙えるでしょう。

でも、開成中や聖光中のように知識重視の入試問題を出すところは選択肢には入りません。
勉強もスポーツもと欲張らず、お子さんにとってのその時のベストを考え、応援してあげましょう。

このエントリーをはてなブックマークに追加
中学受験 / お悩み相談 2018年09月04日12時00分
主任相談員の小川大介
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である小川大介が中学受験に関するご家庭でのお悩み解決を中心に様々な情報をお届けします。
Copyright (c) 2008- 中学受験情報局『かしこい塾の使い方』 All rights reserved.