中学受験情報局『かしこい塾の使い方』 -> 主任相談員の中学受験ブログ -> 小川大介の中学受験合格を実現する逆算受験術 -> お悩み相談 ->中学受験 ->日能研は6年生になるとハードになる塾 その対策は?

日能研は6年生になるとハードになる塾 その対策は?

このエントリーをはてなブックマークに追加
お悩み相談 / 中学受験2019年09月17日12時00分

こんにちは! 小川大介です。

夏休みが終わり、
受験生の6年生は入試まで5カ月を切りました。
9月から12月までは、
志望校の合格可能性がどのくらいかを見る
合否判定模試が毎月実施され、
現時点での実力を知ることになります。

順調にいっていれば安心材料になりますが、
そんな子は受験生全体から見ればごくわずか。

多くの親子が
「まだやるべきことがたくさんあるのに、間に合わない!」
「このままでは合格できないかもしれない・・・」
と不安や焦りを抱えています。
特にこの時期に多いのが、
お子さんを日能研に通わせている親御さんのご相談です。

「日能研は他塾と比べて、
カリキュラムがゆっくり進むと聞いていたので、
マイペースなうちの子にはぴったりな塾だと思って入塾したのですが、
6年生になったら急にやることが増えて回らなくなっています。
どうしたらいいのでしょうか?」

中学受験の勉強を進めていく上で、
塾はとても大切な存在です。
近年は中学受験をするのなら、
カリキュラムや情報量が充実した大手進学塾へ通うのが一般的です。
しかし、ひとくちに大手進学塾といっても、
各塾には特徴があります

日能研は首都圏の4大塾
(サピックス・日能研・四谷大塚・早稲田アカデミー)
の中でも、もっともカリキュラムがゆっくり進む塾です。
4、5年生のうちは、時間的な余裕があり、
習い事と受験勉強を両立させることもできるでしょう。
対象生徒の学力の幅は広めですが、
ボリュームゾーンとしては中堅校になります。
「なにがなんでも難関校へ!」
と上を目指す勝ち気なタイプな子よりも、
コツコツと着実に学習を進めたい子に向いている塾です。


塾のカリキュラムにもそれが表れています。
難関校に強いと言われるサピックスでは、
カリキュラムの進度が早く、
5年生の終わりには受験に必要な学習範囲が
ほぼ終了します(社会の公民を除く)。
そして、6年生から演習を中心とした学習になります。

対して、日能研は6年生の夏まで新しい単元を学習します。
4、5年生までゆったりとしたカリキュラムを組んでいるので、
そこまで長引いてしまうのはやむを得ないのでしょうが、
そのしわ寄せが6年生で一気にやって来るのです。

6年生になると、これまでの総復習や苦手分野の克服、
過去問の対策などやるべきことがたくさんあります
他塾では夏休みから総復習と演習に入り、
それと同時に過去問対策も進めていくように指導されます。

ところが、日能研では
「過去問は9月、または10月以降から取り組むように」
と指導されます
まだ総復習も十分にできていない状態で、
過去問に取り組んでも意味がないという考えなのでしょう。


しかし私はこの考え方には以前から疑問を持っています。

「受験生自身が入試本番でより良く力を発揮できるようにする」、
ということを目標におくとすれば、
塾関係者には、ご家庭に過去問の使い方を
より緻密に伝えて欲しいと願っているからです。

まず、受験予定の学校については、
どのような問題傾向なのかを
遅くとも9月末までには把握しておきたいですね。
9月〜11月の学習では弱点単元を強化しつつ、
得点源を伸ばす学習を進めることになります。

限られた時間の中、
あれもこれもに手を付けることはできませんから、
取り組む内容の優先順位をつけることが必要です。
そのためには、自分が受ける学校の入試が
どんな特徴を持っているのか、分かっている必要があります。

特に偏差値55以上の学校を受験する予定の場合、
問題の相性を知っておくことはとても大事です
(55以下の場合は基本問題が中心となるため、
問題傾向の詳細をつかんでいなくてもなんとかなる場合があります)。

なお、特徴確認のために過去問を使う場合は、
制限時間を気にする必要はありません。
「何点取れたか」に気持ちを左右させられないよう、
気をつけてください。

こうした意味で、
「過去問への取り組みは10月以降でいい」
と発言する塾関係者は、
その発言の代わりに担当生徒の受験校の入試傾向について、
親子に詳しく説明する義務があります。

そして、優先すべき単元がどこなのか、
その学習計画はどのように組み立てていくのが
望ましいのかといったことを9月中に、
具体的に提供すべきだと私は考えます。

ただ、そうした入試傾向情報と
学習の優先順位付けを塾が提供したとしても、
やはり、遅くとも9月中に過去問着手はした方が良いと思います。

というのは、入試問題との相性は
偏差値の数字と問題の難しさだけでは決まらないからです。
子どもによって感じ方が違うのです

例えば偏差値でみると第一志望校よりも
5つ下の学校を併願校として受験するとします。
偏差値から考えれば、当然高得点が取れるはずですが、
問題の傾向や、解答用紙の書き方など、
どうもやりづらいという学校があります。
そういう場合は、そのやり方に慣れるように練習をするか、
同じ偏差値帯でお子さんと入試問題の相性がいい学校に
変えるかの選択が必要になります。

こうした判断は、入試本番が近づけば近づくほど
冷静には行えなくなるものです。
受験予定校の変更というのは、
子どもにとっても親にとっても、
精神的に大変なエネルギーを要する決断です。
ですから、1日でも多くの時間のゆとりを
確保していただきたいのです。

以上の点を考慮にいれた上で、
過去問対策をどうするのか、
塾から渡される課題のうち何を優先して
何は後回しにするのかといった判断を
ご家庭の状況に応じてカスタマイズしていくことをおすすめします。

他塾よりもカリキュラムの進度がゆっくり目の日能研は、
受験体力がついてくる6年生になるまで、
お子さんの成長ペースに合わせて
無理なく学習を進めてこられる点に魅力があります
その分、6年生になってからの学習の進め方には、
工夫が必要になってきます。
入試までの時間が限られているからこそ、
お子さんの状況に応じた個別の対応が他塾以上に重要なのです

9月になって以降、プロの家庭教師や個別指導教室のもとに、
日能研生の相談が増えるのもこうした特性が関係しているようです。

ともあれ、日能研に通いながら
来春の入試に向かう受験生の皆さんには、
「日能研だからこそ今までやってこられた」という思いを持ちつつ、
過去問を上手に使って残り5ヶ月の受験学習を
成功に導いていただきたいと願っています。

がんばっていきましょう!

このエントリーをはてなブックマークに追加
お悩み相談 / 中学受験2019年09月17日12時00分
主任相談員の小川大介
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である小川大介が中学受験に関するご家庭でのお悩み解決を中心に様々な情報をお届けします。
Copyright (c) 2008- 中学受験情報局『かしこい塾の使い方』 All rights reserved.