中学受験 第一志望校を選ぶ5つのポイント

子どもの中学受験の第一志望校は、どのように選べばいいのでしょうか。
最初から「この学校に入りたい」と決めていても、成績や気持ちの変化によって志望校が変わる場合もあるでしょう。
ここでは、第一志望校を考えるための5つのポイントについて考えてみたいと思います。
その学校に行く目的を考える
まずは、なぜその学校を選ぶのか、目的について考えてみましょう。
「校風や学習環境がよさそうだから」という目的なら、本当に思ったとおりの校風や環境なのか、学校見学や説明会でしっかり見極める必要があります。
「将来、少しでもいい大学に入らせたいから」という目的があるなら、大学付属高校から外部の大学を受験することになった場合は付属大学への推薦が取り消されるのか、それとも、推薦はそのままで他の大学を受験できるのかなど、大学受験事情もしっかり調べておくようにしましょう。
「友達関係からよい影響を受けてほしいから」という目的なら、学校見学などの日ではなく、普段の下校時間に生徒たちに混ざって歩いてみて彼らの雑談を聞いてみるなど、普通の学校生活や等身大の生徒たちの様子を少しでも把握するようにしてください。
いい学校であっても、目的と合っていないということもあります。
目的だけでなく、その学校に入ることによって目的が本当に果たせそうかどうかまで確認しておくといいでしょう。
子どもの性格に向いているか
子どもの性格や好み、体力によって、合う学校・合わない学校があるのも事実です。
「この学校が本当にうちの子に合っているのか?」という視点も忘れないようにしましょう。
いろいろと自分で考えて行動したい子には、厳格な指導をする学校は向いていないかもしれません。
逆に反抗心が高まってしまうこともあるでしょう。
また、繊細な子にとって厳しい学校は、萎縮してしまう傾向があります。
「先生の言うことはすべてやらないといけない」と自分を追い込んで、プレッシャーに疲れてしまうこともあります。
体力に自信がない子は、イベントが多い学校だと疲れてしまって勉強に集中できなくなることもあるようです。
逆に「いつも動いていたい」という元気な子は、落ち着いた校風になじめないこともあるかもしれません。
また、中学入試偏差値に比べて、大学進学実績が素晴らしい学校は、一見「いいかも」と思うかもしれませんが、学校生活の中で膨大な宿題が出され、大量の演習問題が繰り返されるという授業が進められている可能性もあります。
「これをやりなさい」と言われたことに対して素直にできない子には向いていないでしょう。
一方、「○○温泉」といわれることのある学校では、温かい雰囲気に馴染みすぎて、気づいたら大学受験で困ったことになっている、という話もあります。
いずれの学校も、子ども自身が探究心や向上心を持っていたら、それにしっかり答えることができる力量の先生が多く在籍しているとは思いますが、入学してから子どもが「想像していた学校生活じゃなかった」とならないためにも、子どもに合っているかどうか、これも学校見学や説明会で、実際に学校を見て雰囲気をつかんで冷静に判断するようにしましょう。
学校のブランドや噂に振り回されないように注意してくださいね。
志望校の入試問題の傾向
入試問題は、学校側が「こんな生徒を求めている」という期待の表れです。
その傾向も判断軸のひとつになります。
たとえば麻布は「知識の欠落はあっても、時にはすごい集中力を発揮するタイプの子」が合格することがあります。
しかし、開成となるとまず受からないでしょう。開成はオールマイティに全教科全単元に習熟している子の方が有利です。
これまでやってきた勉強がその学校の入試傾向に合っているか、もし合っていなければ、これから勉強して間に合うかどうかを考えましょう。
受験直前でできることには限りがあります。
入試傾向が、これまで勉強してきた内容とまったく合わないとなると、受験してもいい結果を出すのが難しいこともあります。
志望校を絞るうえで入試問題の傾向は、とても重要な判断基準となります。
海外に興味があるか
近年、中高生に海外留学の奨学金を支給する「トビタテ!留学JAPAN」の実施など、文部科学省もグローバル教育を本格的に取り組むようになりました。
多くの中学校・高校で短期留学やホームステイ、海外の大学受験に力を入れているなど、グリーバル教育に向けたカリキュラムを実施しています。
子どもに「留学したい」「将来は海外の大学に行きたい」という意思があるなら、そのような学校を選ぶといいでしょう。
数は少ないですが、なかには名前だけの「グローバル教育」を実施している学校もあるようなので、その中身について学校説明会などでしっかり確認するようにしてください。
ご家庭の方針に合っているか
これはよくご夫婦で話し合っておくとよいかもしれません。
どんな風に子どもを育てたいのか、どんな大人になってほしいのか、ご家庭の方針をはっきりさせ、それに合った学校を選ぶようにしましょう。
学校によって親の関わり方も大きくちがいます。一般的に、進学校は親があまり学校に行く機会はありませんが、大学付属の女子校などは親が頻繁に行かなければいけません。
共働き家庭の場合はけっこうな負担になることもあるので、学校説明会でしっかり確認しておくといいでしょう。