中学受験 サピックスとグノーブル、どっちがいいの?

中学受験 サピックスとグノーブル、どっちがいいの?
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中学受験において、どこの塾に通うかは非常に重要な選択の一つです。
一般的に、中学受験専門の大手集団塾に通いながら、個人指導(個人塾・家庭教師)でフォローというパターンが多いですが、今回は大手集団塾の中でも注目度の高いサピックスとグノーブルについて比較・分析してみましょう。

サピックスってどんな塾?

男女ともに御三家の合格者占有率が軍を抜いているサピックス。
御三家に通う生徒の半数以上がサピックス出身者であると言われ、実際に2020年度は、開成合格者数のうちサピックス生の占有率は72.0%、女子学院は54.0%という結果でした。
まずは、そんなサピックスについてくわしく見てみましょう。

サピックスの特徴は?

サピックスで最も特徴的なのは、圧倒的に速い学習進度、頻度の高いオリジナルテストとクラス替え、授業ごとに配布される冊子形式のオリジナルテキスト、「完全復習型」の授業スタイルです。

サピックスの進度・テキスト・授業形式

6年生の夏までに受験に必要な単元を終える大手集団塾もある中、基本的にサピックスでは、5年生の終わりまでにほぼ全ての単元を修了します。
また、授業はその都度配られるテキストを用いるため、予習はできません。
ハイスピードな授業についていく学力・集中力・体力が求められます。

サピックスのテスト・クラス替え

サピックスは他塾に比べ、テストとそれに伴うクラス替えの頻度が非常に高いです。
生徒はテスト結果によって頻繁に習熟度別クラスに振り分けられるため、緊張感やモチベーションを常に保つ効果が期待できますが、逆を言えば、精神面の負担も少なくありません。

サピックスのテストにはどんなものがあるの?

デイリーチェックテスト

サピックスでは毎回授業の初めに、前回の授業内容の復習である『デイリーチェックテスト』が行われます。
国語は漢字と知識(読解問題は無し)、社会・理科は確認問題が中心で100点満点。
算数はクラスにより内容も難易度も異なり、200点満点です。

7~20分(先生の指示により、クラスによって異なる場合があります。)の小テストですが、この小テストを軽視せず、毎回きちんと得点している生徒ほど、定期テストはもちろん、実際の入試で結果を出している傾向があります。

マンスリー確認テスト

毎月行われる『マンスリー確認テスト』は、過去一か月の授業内容の習熟度を測るテストです。
テスト範囲はテキストナンバーで指定されており、デイリーチェックテストと同じく、日々の学習の成果がそのまま反映されるテストです。

これらのテストで毎回まるで得点ができない場合、(単純な努力不足でなければ)サピックスのスタイルが生徒さんと合っていないことも考えられます。
転塾も視野に入れましょう。

組分けテスト

『組分けテスト』は範囲のない実力テストです。
こちらでなかなか得点が伸びなくても、デイリーチェックテストやマンスリー確認テストで毎回しっかり得点出来ているのならば心配無用です。

このパターンの生徒さんはしっかり一人で努力ができるタイプですから、多くの場合、原因は勉強法・アウトプットの演習不足・応用力不足にあります。
勉強法の改善・効果的な演習の積み重ねで必ず結果は付いてくるでしょう。
このパターンの場合、信頼できる中学受験の専門家にテストやノートをチェックしてもらい、相談してみるのも非常に効果的です。

実力診断サピックスオープン

『実力診断サピックスオープン』は、柔軟な思考力・論理力を中心とした総合的な学力を試すテストです。
このテストから生徒さんの可能性を見出し、その後の学習に役立ててもらうことを考えて実施されています。

志望校診断サピックスオープン

サピックスの名物と言っても過言ではないのが、5年生の後期から加わるこの『志望校診断サピックスオープン』。
生徒さん一人ひとりの問題・適性を診断するためのテストです。

中学入試の問題は大きく分けてAタイプ(基礎力・問題処理能力重視)とBタイプ(思考力・記述力重視)の2つのタイプの問題に分けることができます。
自分自身の問題への適性と現在の実力を知り、いち早く適切な志望校を定めて、受験に向けての本格的なスタートをきってもらうのがこのテストの大きなねらいであり、四谷大塚の『志望校判定テスト』などと共に、大手塾に通う生徒さんがこぞって参加する、5年生次の代表的な模擬試験のひとつです。

サピックスで注意すべきポイントは?

サピックスのテキストは大量の冊子型

多くの大手集団塾では、1年分、もしくは半期分のテキストが一冊にまとめられていますが、サピックスでは、授業ごとに冊子状の教材が配られます。
その他に、授業や宿題に用いる『デイリーサポート』、算数の基礎学習のための『基礎力トレーニング』、講習用・特訓用テキストなどもあります。
授業ごとに前述のデイリーチェックテストも実施されるため、教材の量は膨大です。整理を怠るとあっという間に部屋はプリントとテキストの山になってしまいますし、そのような状況では必要な時に必要な演習・復習を行うことができません。

3、4年生のうちはぜひ保護者の方が一緒に整理を手伝ってあげてください。
ただし5・6年生になる頃には生徒さん自身が、自分なりの分類法で日常的に教材やテストを整理整頓できているのが理想です。
保護者の方のおんぶにだっこではなく、復習の必要性や、急ぎのものかそうでないか等を自分で考え、自分自身で勉強しやすい環境を整えていく工程は、受験が自分事であるという自覚や勉強への意欲も自然に育んでくれます。

サピックスの授業は完全復習型

サピックスの授業は、徹底した復習型です。教材は授業ごとに初めて配布されるため、事前に勉強しておくことは出来ません。基本問題が少なくレベルも高いため、他の教材を用いて基礎演習をプラスすることが単元の確実な定着に効果的です。

市販の問題集「応用自在」、「出る順」、「中学入試の最重要問題」などを用いて授業で扱った単元の説明部分を読むだけでも、同じ内容を別の角度から再度確認することが出来、理解を深めることが出来るのでおすすめです。
基本的に、授業のみでは基礎演習が不十分なので(それだけで完全に内容を理解し、応用問題もスラスラ解ける場合は別ですが)、授業で扱った単元はご家庭で必ず復習を行い、次回授業のデイリーチェックテストでは、毎回必ず8割以上を取れるようにしましょう。(国語は知識のみなので満点を目指しましょう。)

サピックスは競争社会

サピックスは教材・授業のレベルが高く、前述のように頻繁にテスト・クラス替えが行われています。完全な競争社会スタイルと言えるでしょう。
優秀な成績であればどんどんクラスを上げ、授業中も積極的に挙手や発言が出来、仲間と切磋琢磨しながら楽しく学習が出来ます。

しかし、復習型の学習スタイルが合わない生徒さんや、そのような殺伐とした雰囲気に気後れしてしまうマイペースな生徒さんもいます。
もしもお子さんが苦しんでいる様子であれば、そっと見守り、時には声掛けやさりげないサポートをしてあげてください。

それでも、成績がまるで上がらずクラスもどんどん落ちてしまい、生徒さんが塾に通うのが苦痛で精神的にも追い詰められている・・・・・・といった様子であれば、転塾を考えることも一つの方法です。そのようなときはいったん各教室の先生や、プロ家庭教師など信頼のおける中学受験の専門家に相談してみましょう。

グノーブルってどんな塾?

グノーブルはサピックス同様、首都圏を中心に展開する大手集団中学受験塾です。2006年、サピックスの高等部『ネクサス』代表であった中山信幸氏がネクサスを辞し、「知の力を活かせる人に」をスローガンに創立されました。

当初は大学受験向けの進学塾のみでしたが、東大や医学部への進学率が突出しており、2013年には新たに『中学受験グノーブル』東京校、自由が丘校、成城学園校の3校も一気に開校、その後も次々と校舎が増え、現在は全部で11校舎が開校しています(2021年2月現在)。

創立と同時に多くの指導力のある講師陣がサピックスから移籍したとも言われており、当時塾業界に激震が走ったと言っても過言ではありません。
生徒数は全体で500名弱と小規模ながらも御三家合格者を多数輩出し、創立以降、非常に高い合格実績を誇っています

グノーブルの特徴は?

基本的にはサピックスと同じ

グノーブルで最も特徴的なのは、速い学習進度、頻度の高いオリジナルテストとクラス替え、授業ごとに配布されるオリジナルテキスト、「完全復習型」の授業スタイルです。
サピックス高等部から分化という経緯だけあって、サピックスのスタイルをベースに作られており、ここまではサピックスとほぼ同じです。

その他の特徴

その他の大きな特徴は、グノーブルでは理系(算数・理科)と文系(国語・社会)でクラス編成が異なることです。それぞれに合ったレベルの授業が受けられることは受験生にとってはメリットです。

もう一つは、入室時にレベルの高い試験を課し、教室の人数を十数名に抑えていることです。
集団塾のメリットを活かしつつも、一人ひとりに行き届いた指導と添削、きめ細かいフォロー体制を整えており、集団授業を受け持つ講師がそのまま担当することもある『個別指導グノリンク』も注目されています。

グノーブルで注意すべきポイントは?

基本的にはサピックスと同じ

グノーブルもサピックスと同様、大量のテキスト・プリントの管理、完全復習型の授業、テストとそれに伴うクラス替えの頻度が高い競争社会であることが主な注意点です。
ただし塾の雰囲気に関しては、サピックスに比べ1教室あたりの人数が少ないため、ややゆるいと言えます。

その他の注意点

グノーブル生であれば基本的には普段集団授業を受けている校舎で、(場合によっては担当も同じ講師による)個別指導を気軽にスポット受講 (月極めでなく1度きりの申込み)できることもグノーブルの大きな特徴です。
これは、授業を休んでしまったときや授業での理解に不安が残ってしまったときに非常に便利で心強い反面、生徒によっては「後で個別で聞けばいいや」「宿題もそこでやろう」などと、授業への意欲、集中力に悪影響が出たり、自学自習の習慣が育つ弊害になったりする場合もあるので注意が必要です。

※サピックスにもサピックス準拠の個別指導プリバートがありますが、教室・担当講師は集団授業とは完全に別で、基本的には月極め受講のみとなっています。
※グノーブルには現在、個別指導のみの校舎も在ります(渋谷校舎・四谷校舎など)

サピックスとグノーブル、結局どっちが良いの?

ルーツは同じ、大きな差異は無し

前述のとおり、サピックスとグノーブルはルーツが同じであり、その指導方法・スタイルも非常に似通っています。
教室の人数や雰囲気、個別指導塾のシステムなどに多少の違いはありますが、受験生の合格の可能性を大きく左右するほどの差異は無いと言えるでしょう。

サピックスに向いている子、グノーブルに向いている子

どちらの塾も完全復習型であり、テストとそれに伴うクラス替えの頻度が高いため、競争世界の雰囲気は避けて通れません。
基本的に、どちらの場合も「負けず嫌い」「勝負事が好き」「精神的に打たれ強い」タイプが向いています。ただし、グノーブルの方が1教室あたりの人数が少ないため、ややゆるい雰囲気であると言えるでしょう。
ゲームやスポーツで負けると非常に悔しがり、何度も何度も再試合を挑んでくるような生徒さんの場合は、サピックスの方が楽しく学習できるかもしれません。

また、自学自習のスタイルが完全にできている場合はサピックス、未定着の場合は個別指導との併用が便利なグノーブルという選び方も良いでしょう。(ただし、「グノーブルで注意するポイント」で述べた点にはご注意ください。)

まとめ~塾選びのポイント~

ここまで読んでいただいてお分かりのように、サピックスとグノーブルは非常に似通っており、そこまで大きな差異はありません。
その他の大手中学受験集団塾である四谷大塚・日能研・早稲田アカデミーなどと比較すると、この2つの塾は完全に同じ部類に分類されます。

お子さんの目指す学校が御三家であり、ぜひともサピックス・グノーブルの授業を受けたいとお考えであれば、まずはぜひ両方の体験授業を受けてみましょう。集団授業はどちらの塾も無料で体験ができます。
入塾面談や校舎見学(教室内での授業見学はどちらも不可)には保護者の方だけではなく、必ず生徒さんご本人を連れていかれることをおすすめします。その際の生徒さんの表情、感じたことを大切にしてあげてください。

「すべての子どもにとって1番良い塾」はもちろんありません。
そして、中学受験生にとって塾選びは非常に重要ではあるものの、どこの塾に入るかで合否が決定してしまうわけでもありません。
大きな差異のないサピックス・グノーブルの2つで入塾を迷っていらっしゃる場合は特に、「塾選びの沼」にはまってしまわぬよう気を付けていただきたいです。

最も大切なのは、「親と子どもががんばりやすい塾であるか」、「塾のスタイルが現実的に、生徒さんご本人の日常生活に落とし込めそうか」の2点です。
また、サピックス・グノーブルともに、教室により合格実績や講師、雰囲気は異なります。
実際にいくつかの教室に足を運び、通いやすさとともにそれらを確認してみましょう。終了時刻の頃に塾にいらっしゃり、塾から出てくるお子さんたちの表情や会話に注目してみるのも良いと思います。

塾選びはデータばかりではなく、実際に教室に足を運び、ご自身や生徒さんの感覚を大切にしながら行うのがコツです。
入塾金が余分にかかってしまうことにはなりますが、合わなければ転塾すれば良い、くらいの気持ちで気負わず行いましょう。

困ったとき、迷ったときは、生徒さんのノートやテスト結果を携えて、中学受験専門のプロ家庭教師などに相談するのがおすすめです。(ご本人の性格にも塾との適性があるので、できれば生徒さんもご一緒に)
生徒さんが楽しく学習でき、無理なく力を伸ばせる塾に出会えることを願っています。

この記事を書いた人
主任相談員 西村 則康主任相談員 西村 則康西村先生に家庭教師に来てほしい方はこちら
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