進学塾に行かないと中学受験はできない?塾の役割について

小学生が通う「塾」について、どのような印象を持っているでしょうか。
中学受験をするために「進学塾」に通うことは必須なのでしょうか。
今回は、中学受験における塾の役割についてご説明します。
学校で100点とっていても、中学入試では10点
「どんなに勉強ができて、頭がよくても塾に行かないと中学受験はできないのですか?」とお母さん方に聞かれることがあります。
「大丈夫、あなたのお子さんなら、塾など行かなくても大丈夫ですよ」とお答えできたらいいのですが、残念ながら答えは「絶対に無理」です。
現実的に、塾に行かずに難関中学に合格することは不可能に近いことです。
小学校の授業を完璧に理解し、テストはすべて100点、通知表もオール二重丸でも、まったく受験勉強をしないままで受験すると、算数の入試問題は100点中10点も取れないでしょう。
中学受験に必要な「進学塾」
小学生が通う塾についての印象は、人によって異なると思います。
学校の授業の遅れを補って学校の成績を上げるのが目的の「補習塾」もありますが、中学受験に必要なのは「進学塾」です。
たとえば日能研、早稲田アカデミー、サピックス、四谷大塚など、都市部で駅前などに教室をかまえ、テレビCMなどでも見かける大手の塾です。
進学塾では、まず圧倒的に不足している基礎訓練部分を補う役割を担い、さらに発展的な学習を指導します。
本当の意味での「理解」を経験することで、勉強がおもしろくなる
塾での発展レベル問題を解くには、まず「問題文でなにがわかっているか」を正確に理解することが必要です。
さらに「そこから最初にわかることはなにか」「それがわかると次になにがわかるのか」を問題文から解答に向かっていく道筋を考える力が必要になります。
同時に「解答を導くために必要なものはなにか」「それを知るには、なにがわかればいいのか」と結論から逆に戻っていく考え方も必要になってきます。
こうした考え方は、訓練しないと身につきません。
特定の難問の解き方を授業で習い、その場で理解できたとしても、それを再現できないのでは意味がありません。
さらに人に説明できるぐらいではないと、本当に「理解した」ことにはなりません。
つまり、情報をインプットするだけでなく、それを自らアウトプットする力が必要なのです。
これが本当の意味での「わかった!」ということであり、その経験があってこそ、勉強はおもしろくなります。
そして、その納得が積み重ねられていくと、未知の難問に遭遇してもなんとか挑戦し、粘って考えようという姿勢そのものが身につきます。
未知の難問に挑めるのが「本当の頭のよさ」
学校の授業で身につけられない部分を指導するのが、塾の役割です。
中学受験に向けて、進学塾ではこのような考え方や勉強の仕方の訓練を重ねていきます。
そのことによって、これまでに見たことのないようなパターンの問題に出会っても、それに挑める「本当の頭のよさ」を獲得していくことが目的なのです。