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塾の「4年生」は、3年生の2月から始まる いつから中学受験の準備をすればいいの?

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公開: 最終更新日:2023年11月05日

塾のカリキュラムは、4年生から組まれていることがほとんどです。
しかし、その4年生のスケジュール、3年生のうちから始まっていることを、ご存知ですか?

「入塾テストはいつ頃あるの?」
「いつから準備をすればいいの?」
「何をすればいいの?」

入塾前のこのような疑問について、ひとつひとつ解説していきます。

中学受験準備はやっぱり大手進学塾?

中学受験塾には、講師一人で切り盛りする個人塾から全国に展開する大手塾まで、さまざまあります。
どこに行けばよいか迷ったら、まずは大手進学塾をおすすめします。

もちろん、小さな個人塾にもいいところはたくさんあるのですが、上の子や知り合いの子が通っていてよく知っているということでもなければ、あまりおすすめできません。
小さな塾はどうしても講師それぞれの資質に頼ることになってしまうため、ムラが激しくなることがあり、選ぶのが難しいためです。

また、一人の講師が運営している個人塾では、講師との相性がよくなければ、長時間の授業に耐えられなくなってしまいます。
もし個人塾も選択肢に入っているなら、学習カリキュラムや実績をよく調べ、体験授業などを受けてから検討したほうがよいでしょう。

3年生は入塾テスト準備の時期

私立中学の受験日程が2月1日を中心に組まれている関係で、塾の1年間は、4月ではなく2月スタートという形でカリキュラムが組まれています。
2月に入塾しなくても途中入塾することはできますが、クラスの授業は先に進んでいるため、追い付くのが大変です。

入塾テストは随時行われています。2月の開講に間に合うように、秋~1月までの入塾テストを受けるとよいでしょう。
入塾テストの対策は、試験日の2~3カ月前くらいから始めると安心です。小学3年生の夏休みくらいから準備ができるといいですね。

入塾準備はどんなことをさせればいいのか

入塾テストは算数と国語の2教科で行われます。国語では、長い文章に慣れておくことが大切です。
小学校の国語のテストとは違い、文章も設問も選択肢も、学校のテストとは比べ物にならないほど長いものが出題されます。
長文に慣れておかないと、問題用紙を見ただけで心が折れてしまいそうです。

算数では、小学校のテストに比べて問題数が多く、出題レベルも高いものが多くなります。
参考書や問題集での準備が必要です。
入塾テストの傾向に慣れておくことが大切です。
実力のある子でも、入塾試験の難易度に慣れていないと、なかなか得点を取ることができません。

具体的な入塾テスト対策としては、市販のものでいいので、中学受験を目指す3年生向けの問題集をやることをおすすめします。
国語と算数、それぞれ問題集で対策しておきましょう。

四谷大塚の「全国統一小学生テスト」を受けてみるのもおすすめです。入塾テストのいい予行演習になります。
このテストは小学1年生から受けることができますので、低学年のうちに中学受験をすることが決まっていたら、早くからテストを受けること自体に慣れておくといいでしょう。

入塾テストにはこんな問題が出る

入塾テストの出題傾向は、小学校のテストとは全く違います。
一番の違いは、文章量の多さです。算数でも、10行、20行という問題文になることがあります。
また、内容も難しくなっています。小学校で習っていない範囲から出題されるというのは、普通にあることです。
塾としては、これからの先取り学習にも無理なくついてこられる生徒がほしい、ということなのかもしれませんね。

塾というのは、御三家や灘中など最難関校に合格する人数を競っているという側面を持っています。
ですから、最難関校を目指す生徒が手応えを感じるような問題が出題される傾向にあります。
算数の問題については、大手塾のほとんどが、計算問題、1行問題、文章題や図形の大問で構成されています。計算問題の配点は20点くらい。文章題や図形の大問は1~2問で、残りが1行問題ということが多いようです。

サピックスに関しては、文章題や図形の大問が非常に特徴的です。
難問・奇問というものではありませんが、問題文をよく読み、自分の頭でしっかり考える、試行錯誤型の問題が出題されます。
そこまで難しい問題ではないのですが、年によっては問題用紙見開き2ページ丸ごと問題文ということもあるくらいの長文です。

希望する塾の入塾テストの出題傾向や出題範囲を把握することが、合格の鍵を握っています。
入塾テストに焦点を絞った参考書や問題集もありますので、そちらで対策してもよいでしょう。

もしも4年生で塾に入らなかったら、もう手遅れ?

「中学受験の準備は4年生から」と言われます。大手塾のカリキュラムが、4年生~6年生の3年間で組まれているためです。
では、5年生から中学受験を目指すのでは、手遅れなのでしょうか?

基本的に、4年生では学習習慣を身につけます。
つまり、学校の他に塾に通い、学校の宿題の他に塾の宿題もこなすという、「塾で勉強すること」自体に慣れるという1年です。
学習習慣が身についているからこそ、難しい内容を広い範囲で学んでいく5年生の授業に対応できるようになるわけです。

5年生から受験勉強を始める場合、そこから塾に慣れいかなければなりません。
もうすっかり塾での学習ペースが身についている子と一緒に学ぶことになるため、やはりそれ相応の負荷とストレスがかかります。
また、4年生の学習範囲もカバーしながらということになります。

多くの進学塾では「スパイラル式」のカリキュラムを採用しています。
これは、同じ単元を、少しずつレベルを上げながら繰り返し学習していく方法です。
5年生からの入塾だと、本人にとっては初めての単元を、初見にしては高いレベルで学習していかなければならなくなります。
もし、授業が難しいと感じたら、4年生用のテキストを参考にして、同じ単元を4年生のテキストではどう説明されているか、確認しながら学んでいくとよいでしょう。

4年生での基礎学習がない状態で塾に入るなら、塾選びにも注意が必要です。
4年生の授業では何を習っていたのか、その単元を5年生の授業ではどのように習うのかを、事前に聞き、先生から詳しく説明してもらうようにしましょう。

また、入塾時に何らかのサポートを受けられるのかというのも大切なポイントです。
新入塾生のために補習を開催する塾もあります。ここも、入塾前に確認しておきたいところです。

中学受験情報局では、具体的な入塾までの低学年の過ごし方、勉強法をセミナーにてお伝えしています。
興味のある方は、ぜひご参加いただければと思います。

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