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【中学受験】論理的思考力が「理系脳」を育てるキーポイント

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公開: 最終更新日:2023年04月17日

近年、理数教育への関心がさらに高まっています。
小学校でもプログラミング教育が必修化されるなど、中学受験のみならず小学校生活においても理数教育が充実してきました。

早くから理系・文系と決めつけないほうがよい

お子さんの将来を考えるとき、職業に対する考えも変化しているようです。

AIの発達や社会の流れを見て、「生き残っていける職業、専門的な能力を有する安定した職についてほしい→専門的な能力を身につけさせたい→理系脳を養いたい!」という考えになる親御さんが多いのです。

しかし、「理系脳を養いたい」とは言っても、お子さんに何をさせればいいか分からなかったり、努力の仕方を間違えていては理系脳は伸ばせません。

まず最初に、誤解していただきたくない事があります。
単純に
「算数ができる=理系」でないという事です。
「国語より算数の方が得意だから理系」
「本を沢山読むのが好きだから文系」
という事ではないのです。

親御さんが早い段階で「算数ができるから、うちの子は理系だ」「私が文系だからこの子も文系に違いない」と、どちらかに決めてしまわないようにしましょう。
早く決めつけてしまう事で、本来お子さんが持っている力を発揮できなかったり、可能性を最大限に伸ばしてあげられない、といったことも起こり得るのです。

まずは算数と国語を全く別物と捉えず、どちらにも共通して必要な力を養っていく事が重要です。

理系でも文系でも必要な「論理的思考力」を身につけることが大切

理系の力と文系の力は真逆ではありません。
どちらの科目を学習していく上でも、必要な事があります。

それが「論理的思考力」です。

論理的思考力とは

1.物事を比較、分析、整理して考える力
2.知識や体験を元に関連づけていき、自分で判断しながら課題を解決する力
3.筋道を立てて問題を把握し、解決策を考える力

などがあげられます。

算数でいえば、指示されたとおりに計算したり、暗記した解決策を思い出せば正解できるのは、低学年の問題までです。

何を求められている問題なのか文章から汲み取り、「なぜそうなるのか」の理由を見つけ出すことを意識して学習する習慣をつけましょう。
高学年までにいろいろな「公式」を習いますが、それを使えるのはもちろん「なぜその公式が成り立つのか」を常に説明できるようにしておくことが重要なのです。

因果関係をしっかり理解しながら答えを導き出す習慣をつけることで、論理的思考力は高められます。

本が好き=国語が得意とは限らない

また、本が好きなお子さんだから「国語は大丈夫」と安心するのも危険です。
本を読むにも、ただ物語を楽しんでいるだけでは、国語の読解力はつきません。
主人公の気持ちに共感したり細かな気持ちの変化に気づく事はいい事ではありますが、ただ楽しんでいるだけで国語力が養われていると考えるのは早計です。

では、読解力を育てていくためには何が大切でしょうか。

たとえば物語文では、登場人物の心理描写が文章を読み解く上で大きなポイントになります。
その心理描写ですが、特に高学年の国語の素材文になると、直接「◯◯は〜という気持ちになった」と表現されることは稀で、比喩が使われたり、情景を描写することで読者に登場人物の心理を読み取らせる、という手法が多いのです。

つまり読む側が「このように描写されているのは、◯◯は〜という気持ちになっていることを表現している」というふうに、場面変化や情景変化と登場人物の心理の関係を読み取ることが必要となります。
やはり国語という科目の学習においても「論理的思考力」が大切ということです。

低学年のうちから、このことを少しずつ意識して学習に取り組んでみましょう。

学習をする上で大切な事は、情報を整理し、筋道立てて考えることです。
その事を意識して学習するよう少しずつ促してあげることで、論理的思考力は徐々に身についていきます。

学習のしかたさえ間違わなければ着実に力をつけていくことができますから、「今できていない!」と焦ることなく、まずはお子さんの現状を知るところから始めてみるといいと思います。

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