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【中学受験6年生】入試直前に得点を上げるコツと効果的な声かけとは

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公開: 最終更新日:2022年10月24日

中学受験の入試直前期、親は不安になりどうしても子どもの「できない部分」に目が向きがちです。
しかし、直前期に大切なことは子どもに自信を持たせてあげることです。
今回の記事では、その具体的な方法と、得点を上げる実践方法について考えてみたいと思います。

苦手分野の克服より「気持ちよく」学習させることが大切

毎年、中学受験の直前期になると多くの親御さんが子どもの「できないところ」を気にします。

「過去問は何年分やっておくべき?」と不安になるあまり、子どもにたくさん過去問をやらせたり、算数入試で必ず出題される重要単元を完璧に克服させようとする親御さんがいます。

例えば「速さ」を克服させようと、基礎である3公式の見直しをさせ、ダイヤグラムや面積図を強化させようとし、「この問題も解けるようにならないうと」「あれもやっておいたほうがいい」と、親御さんがやるべきことの範囲をどんどん広げてしまうケースがあります。

でも、この時期に基礎からの見直しや、できないところ強化することはおすすめしません。
本来なら苦手科目や苦手単元の克服は、11月までに終わらせるべきです。
苦手科目・分野の問題を何度もやらせると子どもは「何度やってもわからない」「この科目や分野は自信が持てない」と不安な気持ちになってしまいます。

それよりも直前期は、得意な科目・分野の問題をどんどんやらせてあげましょう。
そして「ここはもう完璧だね」「こんな問題も解けるなんてすごい」などのポジティブな声かけをして子どもを安心させてあげることが大切です。

入試当日のコンディションが合否を大きく左右する

中学受験に挑むのはまだ小学生の子ども。当日のコンディションの良し悪しが重要になってきます。

ベストコンディションで臨むためには、子どもが自分のやってきた勉強に自信を持って入試当日を迎えることが必要です。

ですので、入試直前期に毎日苦手分野に取り組んで、どんどん自信をなくすことは避けてほしいのです。
それよりも得意分野に取り組んで自信をつけて、入試当日に「これだけがんばってきたから合格できそう」という前向きな予感を持つことができるかどうかで、大きな差が出ます。

入試直前期に完璧を目指して学習量を増やしすぎると、毎日時間に追われながら勉強するようになってしまいます。
アタフタと勉強する習慣がついてしまい、その結果ミスが確実に増えます。

1日が終わって子どもが「今日もやりきった」と爽快感と自信を持つことが大切です。
そのためには勉強量を調整し、1日でやりきれる量に限定してあげるのがいいでしょう。

入試直前期の効果的な声かけ

直前期は、受験する学校の過去問を中心に勉強することになります。

実際に受験する学校の問題を解くので、勉強しながら入試でどれくらい点数がとれるのか、それが合格ラインに届いているのかという「現実」を突きつけられることになります。
これまで子どもをサポートしてきたからこそ、親御さんも「これで本当に大丈夫だろうか」と不安な気持ちになります。

一方で、お子さんによっては受験が迫っていることを自分事として捉えることができず、マイペースで勉強を進め、必死さが見られないと親御さんが感じることがあります。
これは、時間の感覚をつかむのがまだ未熟な子どもにとって自然とも言えますが、そんな姿を見て「そんな勉強じゃ合格できないよ!」とつい叱咤激励してしまうことがあるかもしれません。

この「合格できない」という言葉は、あまり頻繁に使うと逆効果になってしまいます。
というのも、子どもなりに「合格できない」という言葉には敏感に反応して「合格できないような勉強を毎日している自分は、本当に合格できないかもしれない」と思うようになり、「もう、今さらがんばっても無理かもしれない…」という気持ちになってしまうかもしれないからです。

それよりも「あなたなら大丈夫」と明るく声をかけるほうが、子どものモチベーションを上げるために効果的です。
のんびりタイプの子どもなら「さあ、今から本気出そうか!」という声かけでもいいかもしれません。

親御さんの気持ちは理解できるのですが、その焦る気持ちを抑え、子どもの前ではできるだけ平常心で明るく接することができたらいいですね。

入試当日は安心させる声かけと笑顔で送り出す

ついに迎えた入試当日。
中学受験に向けてがんばってきたどのご家庭も緊張に包まれます。

そんな入試当日は、不安を取り除き安心させる声かけが大切です。

「本番に強いタイプだもんね、大丈夫!」でもいいですし、「いつも通りがんばっておいで」でもかまいません。
お子さんの性格によって、どんな言葉が安心できそうか想像して声をかけてあげましょう。

そしてなにより子どもが安心するのは、親御さんの笑顔です。笑顔で送り出してあげてください。

「合格してえらい」は入試後のNGワード

余談ですが、入試が終わったあとに「合格してえらい」という言葉で褒める親御さんが多いのですが、これはあまり言わないほうがいいでしょう。

これまで中学受験に費やしてきた時間を考えるとつい言ってしまいそうになりますが、褒めるポイントが「合格」になると、「不合格はだめなんだ」と子どもが解釈してしまいます。

親が強く合否にこだわることで、子どもの中学校生活に影響が出ることがあります。

「合格した自分はえらい」と自分は頭がいいんだと天狗になったり、入学後に努力を怠ってしまうようになることがあるのです。
そうなってしまう子の多くが、残念なことに中学校、高校で学力が伸び悩んでしまいます。

子どもの合格を喜ぶなら、合格そのものではなく「合格に至る過程」を褒めてあげるようにしましょう。

「6年生の夏休みからは本当によくがんばっていたよね」「毎回テスト直しをていねいにやってえらかったね」「大好きなゲームをがまんして、よくここまでがんばれた」など、できるだけ具体的に子どもの努力を認め、褒めてあげてください。

中学受験を通して、子ども自身が「がんばれば結果につながる」ということを体験できれば、それはきっと子どもの将来の役に立つでしょう。

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