2013年 中学入試 ~平成26年度に向けて④~
雙葉中(JR中央線、東京メトロ丸の内線・南北線 四ツ谷駅 徒歩2分)
2013年度入試では、
灘中や筑駒中、男女御三家などの最難関中の算数の問題に
変化がみられました。
それは、
知識さえあれば解ける問題、
塾の教材や市販教材をパターン暗記しておけば解ける問題が
減っているという点です。
もちろん、知識や解法パターンは必要です。
それに加えて、ワンランク上質な問題が出題されはじめているのです。
「問題文の題意を正確に読み取る力=精読力+整理力」が
求められているんです。
たとえが悪いかもしれませんが、
「毛利小五郎タイプ」(「名探偵コナン」参照)のお子さんでは
最難関中の入試を攻略するのが難しくなってきているのです。
毛利小五郎探偵は、
1.過去の類似した経験を元に(=類題と同じと決めつめる)
2.そこからひきだした都合の良い推理を(=精読をしない)
3.それにあった証拠だけを見て(=条件の一部を見落とす)
4.犯人をかんで名指しする(=欠けているピースを無視して解答作成)
というのが、おきまりの失敗パターン(=テストで不正解になる)ですよね?
では、これから受験に向かうお子さんには
どのような学習をすることが求められているのでしょうか。
今回も灘中の入試問題をみながら、
2014年入試に向けた学習の取り組み方を考えたいと思います。
今回は1日目の7、いかにも灘中らしい問題です。
2013年度 灘中 1日目
7 2桁の整数ABがあります。間に0を入れて3桁の整数A0Bを作ると、この数はABで割り切れます。また、両端と間にCを入れて5桁の整数CACBCを作ると、この数もABで割り切れます。このとき、5桁の整数CACBCは□です。ただし、A、B、Cはすべて異なる数字で、どれも0ではないものとします。
「知識」という点からは、「2桁の整数AB=A×10+B」が必要な問題です。
また、灘中お得意の
「2桁の整数AB-2桁の整数BA=(A-B)×9=9の倍数」(ただしA>B)
という知識も必要そうにみえます。
その知識を前提にこの問題をみていくと、
「整数A0Bを作ると、この数はABで割り切れます」を
どのように「整理」するかがわかってきます。
「わり算はかけ算に直して考える」という原則にしたがって、
「整数A0B=整数AB×★」と整理できます。
すると「9(=10-1)倍」という知識から、
「もし、★=10だったらAB0になるから…」
という考えもわいてきます。
つまり、A0BはAB0よりもBの9倍だけ小さいので、
「A0B=AB0-B×9=AB×★」です。
AB0はABの10倍ですから「B×9もABの倍数」とわかります。
BとABの一の位のBがそろうようにすると、
となるので、AB=15、18、45 の3つが候補になります。
あとは、C1C5C、C1C8C、C4C5C が
それぞれ15、18、45で割り切れればOkです。
ここでも
「CACBC=C0C0C+A0B0=C0C0C+A0B×10」と整理しておけば、
「A0BはABで割り切れる」と問題文にありますから、
「CACBCを作ると、この数もABで割り切れます」が
「C0C0CがABで割り切れる」と同じことだとわかります。
C0C0C=10101×C=15の倍数の場合、
一の位に着目するとC=5だけしかありませんが、
Bも5なので「A、B、Cはすべて異なる数字」にあてはまりません。
このことは「45」でも同じとわかりますから、AB=18です。
C0C0C=10101×C=18の倍数の場合、
18の倍数の一の位が偶数であることと、
C0C0Cが9の倍数でもあることに着目すると、
C=6 しかありません。
ですから答えは61686です。
この問題は「B×9もABの倍数」までたどり着いた段階で、
「後は(うまく絞り込んで)調べるだけだ!」とわかりますから、
「B×9もABの倍数」を導き出せるかどうかがすべてです。
そのために必要だったのは、
「2桁の整数AB=A×10+B」や
「2桁の整数AB-2桁の整数BA=(A-B)×9=9の倍数」(ただしA>B)や
素因数分解の利用といった
整数問題で使う「知識」を前提に、
「この数はABで割り切れます」を「わり算はかけ算に直して考える」という
原則にしたがって「整理する力」です。
ここを整理しないで、ばらばらと書き散らかすと
すぐに正解が見つかったり、逆に全く見つからないで混乱していったり、
正解率が安定しません。
4年生ぐらいですと調べる範囲が狭いので
「書き散らかし型=毛利小五郎タイプ」でも結構得点できますが、
5年生も半ばにさしかかってくると、
そういつもいつもうまくいくとは限らなくなってきます。
頭の中にはじめからこの力が備わっている「天才くん」は別として、
一般的な受験生がこのような「整理力」を身につけるためには、
ノートに走り書きをしない、気づいたことを順序立てて書き出す学習を
普段から行うことが有効だと思います。

