第142回 入試戦略は秋の過ごし方から②
~志望校別の準備をしよう!~
『図形の重要ポイント その1』
「ピーター・フランクルの算数教室」ピーター・フランクル(東京出版)
数学者であり、大道芸人でもあり、算数オリンピックの提唱者としても知られる、
ピーター・フランクル氏の著書の一つです。
算数好きなら大人も楽しめる、おすすめの1冊です。
フル回転する頭が出す熱で夏の暑さを吹っ飛ばせるかもしれません。
そんな算数を考える楽しさは、一定の知識がなければ味わいにくいものです。
これから本格的に始まる志望校別の勉強も、準備なしには楽しめません。
そこで今回は『図形の重要ポイント その1』です。
まずは「比」を利用しない問題ですから、5年生でもチャレンジできます。
フェリス女学院中学校 2013年 入試問題
大問1-(5)
図のように、1辺の長さが3cmの正方形9個と、直径6cmの円があります。円の中心は1辺が9cmの対角線が交わってできる点です。太い線の長さは(ア)cmで■部分の面積は(イ)cm2です、(ア),(イ)にあてはまる数を求めなさい。
(ア)は「円周の一部」の長さを求める問題ですから、
平面図形の重要なポイント「円の問題とくれば…」が確認できますね。
「円の問題とくれば、中心と結ぶ(補助線は半径)」です。
すると、次のような図になります。
正確な図を書くことができれば、
できあがったおうぎ形の中心角が何度か想像がつきます。
学習のポイントが2つ、ここにあります。
1.答えが予測できるくらいの正確な図を描こう!
2.予測したことを確かめる癖をつけよう!
じっくり考える時間がある家庭学習において、特に大切なポイントです。
正三角形ができましたから予想通り、中心角=60°です。
6cm×3.14×60°/360°=3.14cm となり、ア=3.14です。
(イ)も同じ補助線「中心と結ぶ」で考えてみましょう。
図から、
という方針が立ちますが…。
どの赤い図形の面積も求められそうにないですね?
ここに「円の問題とくれば、中心と結ぶ」のような、
基本知識だけでは解けない問題を解くためのポイントが2つあります。
このポイントに気づくようになることが「応用力が身につく」ということです。
1.隠れた類似問題を発見する
2.「均等分割」「合同」のように直接は関係がなさそうな知識も動員する
このような類似問題や問題文中の「対角線の交点」といったヒントから、
次のような図になります。
つまり、(円の面積-中央の正方形)÷4 ということです。
(3×3×3.14-3×3)÷4=4.815(cm2) が、イです。
実はこの斜線部分を求める問題は、問題集によっては掲載されていますから、
「知っている」お子さんもおられたでしょう。
そのお子さんは
「(均等分割を応用する)特別な円の問題」という「知識」が頭の中に入っているので、
それが使えたのですからOKです。
「応用力があるお子さん」になっていくためには、
基本知識やその例外を知っておくことも必要です。
しかし「例外」ということは出題される可能性も低いのですから、
秋以降の志望校別対策に向けては、
まず「基本知識→その組み合わせ」により多くの時間をかけていくとよいと思います。

