ゴールデンウィークから夏休みまでの学習(1)
「第232回 ゴールデンウィークから夏休みまでの学習(1)」
ゴールデンウィークも今日で中間点です。
前半戦は計画通りの学習ができましたか?
ゴールデンウィークが明けると、
6年生は夏期講習や志望校別特訓の
受講コースやクラスが決まるテストを迎えます。
そこで今回は、
そんな大テストで得点を挙げるために、
どんな力が必要かを考えてみます。
5年生の場合は、
「そんな力を6年生になったときに身につけているには」
という視点でみてもらえればと思います。
題材とする問題は、
4月に行われた
「四谷大塚 第1回 合不合判定テスト」
から選びました。
四谷大塚 2015年 第1回 合不合判定テスト 算数より
大問8 A、B、Cの3つの商店が、ある品物をすべて同じ値段で120個ずつ仕入れて売りに出したところ、次のようになりました。
A商店:ある定価をつけて売りに出しましたが、仕入れた分の1割が売れ残ってしまい,売れ残った分は捨てました。
B商店:A商店より30円安い定価をつけて売りに出したところ、すべて売れました。
C商店:A商店と同じ定価で75個売り、残りは定価の4割引きにしたところ、すべて売れました。
その結果、A商店とB商店の利益は等しくなり、C商店の利益は5400円になりました。これについて、次の問いに答えなさい。
(1) A商店は1個何円の定価をつけて売りに出しましたか。
(2) A商店の利益は何円でしたか。
全9問のうちの大問8ですから、難しい問題だと予測されます。
そこで、この問題を解くために
まずは次のことを確認しましょう。
□ 何に関する問題なのか、わかりますか?
□ 条件をどのように整理するか、決められますか?

算数の問題を解く流れは右の図のようになりますが、手順1の「仮定(問題文中の条件を正確に把握する)」に進むためには、
この2つのことができなければいけません。
☑何に関する問題なのか、わかりますか?
→ 損益売買算(売買算・商売に関する問題など)
☑条件をどのように整理するか、決められますか?
→ 販売個数が複数(多数売り)なので表
すると、この売買損益算の「仮定(条件)」は次のように整理することができます。

この仮定からさらにいくつかのこと(数値)が計算できます。

これで本文の条件は全て整理できましたから、手順1が完了したことになります。
そこで、次は手順2です。
手順2は
「答えを出すのに必要なこと(○○がわかれば答えが求められる)」
というステップです。
やさしい問題は「階段を一気に駆け上がって」正解にたどり着けますが、
難しい問題はそれができないため、
「階段を1段降りて、手順1でわかったことに近づく」
ということが必要なのです。
そのヒントは、小問の文中にあります。
「A商店は1個何円の定価をつけて売りに出しましたか。」
文中の「定価」という言葉から3つの式がヒントとして出てきます。
ア:原価+見込んだ利益の額=定価
イ:原価×(1+見込んだ利益の割合)=定価
ウ:定価×個数=売上合計
アであれば原価と見込んだ利益の額、
イであれば原価と見込んだ利益の割合、
ウであれば個数と売上合計 がわかれば、定価もわかります。
手順1の仮定からわかったこと、
手順2の何がわかれば答えが求められるか、
この2つを結びつける作業が手順3です。
手順1でわかったことの中に、
アに必要な見込んだ利益の額、
イに必要な見込んだ利益の割合はありませんでしたが、
ウに必要な個数と売上合計はあります。
さらに表をよく見ると、
A商店とB商店では、仕入合計と利益合計が同じですから、
「仕入合計+利益合計=売上合計」より、
売上合計も等しいことがわかります。

つまり、
1080○=1200○-3600円 → ①=30円 → ⑩=300円
が(1)の答えと求められます。
なお、別解のように比を利用すれば、より簡単です。
【別解】
売上の比 A商店:B商店=1:1
個数の比 A商店:B商店=9:10
定価の比 A商店:B商店=⑩:⑨
↓
差①=30円 → ⑩=300円
次は(2)です。
(1)でA商店の定価が300円と求められましたから、
手順1の「わかること」が増えました。
手順2のヒントは、
(2)の文中「A商店の利益は何円でしたか」の「利益」にあります。
文中の「利益」という言葉から3つの式が出てきます。
ア:原価+実際の利益=売価
イ:仕入総額+利益総額=売上総額
ウ:1個あたりの利益×個数=利益合計
未だ問題を解くのに利用していないC商店について、
イの「仕入総額+利益総額=売上総額」が使えます。
原価×120個+5400円=22500円+8100円 → 原価=210円
どの店も仕入が同じですから、
32400円-210円×120個=7200円 がA商店の利益です。
なお、別解のように
「仕入総額+利益総額=売上総額」の線分図を利用すれば、
より簡単です。
【別解】
線分図に表すと

となりますから、5400円+1800円=7200円 とわかります。
このように難しい問題を解くためには、2つの異なる力が必要です。
ひとつは
手順1 仮定(問題の条件)から、わかることを整理する
手順2 結論(求める答え)から、何がわかれば良いかを探し出す
手順3 1の何と2のどれが結びつくかを考える
という、問題を解くための考え方(=問題解決力)です。
そしてもうひとつが
□ 何に関する問題なのか
□ どのように整理をするのか
□ 問題文中の用語(ヒント)に関係があるのはどんな算数の知識なのか
という、問題を解くための算数力(計算力・知識・解法・整理力)です。
塾の授業は「算数力」が中心となり、
難しい問題を解くために必要なもうひとつの力、
「問題解決力」は家庭学習(特にテスト直し)で
養っていくことになります。
難しい問題解くためには2つの力が必要であること、
そしてそれらをどこで伸ばしていくのか、
これらを意識してこれからの学習ができるといいですね。

