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第769回 共学中の入試問題 速さ 1

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速さの練習問題 2026年04月04日18時00分

「第769回 共学中の入試問題 速さ 1」

前回まで、近年に共学中の入試で出された「比と割合」の問題を見てきました。

今回からは「速さ」がテーマの問題を取り扱っていきます。

その1回目は「速さの3公式」「平均の速さ」についての問題です。

 

1問目は速さの3公式の問題です。

 

【問題】次の[ ]にあてはまる数を答えなさい。

駅から学校までの道のりは4.2㎞である。この駅と学校の間をバスが走っている。7時13分に駅を出発するバスは、駅と学校との間を2往復半して、午前8時に学校に着く。また、バスは学校と駅で、それぞれ3分間停車する。このバスの速さは分速[ ]mである。

(慶應義塾湘南藤沢中等部 2025年 問題2-(1) 問題文一部変更)

 

【考え方】

バスが駅と学校の間を走る様子は、次のようなグラフに表せます。

8時-7時13分=47分間

バスが駅と学校の間を2.5往復(=片道×5回)するときに休憩する回数は、上のグラフのように4回です。

3分間×4回=12分間 … バスが休憩する合計の時間

47分間-12分間=35分間 … バスが走っている合計の時間

35分間÷5回=7分間 … バスが駅と学校の間(片道)にかかる時間

4.2㎞=4200m

4200m÷7分=600m/分 … バスの速さ

答え 600

 

本問は、速さの3公式(速さ×時間=道のり など)を利用する基本問題です。

バスが休憩をする回数に注意して、正解を目指しましょう。

 

2問目も速さの3公式の問題です。

 

【問題】2台の自動車A、Bが「56㎞を走りきる大会」に参加して、同時にスタートしました。Aは時速70㎞で走り、ゴールしました。Bは時速100㎞で走っていましたが、スタート地点から20㎞の地点で故障しました。故障してすぐに技術者が時速96㎞でスタート地点から故障地点に向かい、故障地点に着いてから15分間で修理しました。修理後すぐにBは故障地点から時速57.6㎞で走り、無事にゴールしました。BはAの何分後にゴールしましたか。

(芝浦工業大学附属中学校 第1回 2025年 問題3-(3))

 

【考え方】

自動車A、B、技術者の動きは、次のような線分図に整理できます。(●や○などの同じマークは、AやBなどが同じ時刻にいた地点を示しています。今後、当ブログでは「同時マーク」と呼びます。)

56㎞÷70㎞/時=0.8時間=48分 … 自動車Aの●→○の時間

20㎞÷100㎞/時=1/5時間=12分 … 自動車Bの●→■の時間

20㎞÷96㎞/時=5/24時間=12.5分 … 技術者の■→□の時間

(56㎞-20㎞)÷57.6㎞/時=5/8時間=37.5分 … 自動車Bの▲→△の時間

12分+12.5分+15分+37.5分=77分 … 自動車Bの●→△の時間

ですから、自動車Bは自動車Aの

77分-48分=29分後

にゴールしました。

答え 29分後

 

本問も、速さの3公式を利用する基本問題です。

条件を線分図に整理する場合、「同時マーク」に着目すると、方針を立てやすくなったり、ミスを防ぐことができたりします。

 

それでは、3問目です。

 

【問題】次の[ ]をうめなさい。

Aさん、Bさん、Cさんの3人が同時に学校を出て、それぞれ次のような速さで10㎞離れた図書館へ向かいました。

早く着いた順に並べると

[ ]さん→[ ]さん→[ ]さん

となります。

Aさん:毎時4㎞の速さで90分歩いて、3分休けいを繰り返す。

Bさん:毎時5㎞の速さで4㎞歩いて、10分休けいを繰り返す。

Cさん:毎時6㎞の速さで3㎞歩いて、15分休けいを繰り返す。

(青山学院横浜英和中学校 A日程 2025年 問題3-(4) 問題文一部変更)

 

【考え方】

「もし、休憩をしなければ…」と仮定します。

10㎞÷4㎞/時=2.5時間=150分 … Aさんが学校から図書館まで休まずにかかる時間

150分÷90分=1区間あまり60分 → Aさんは1回休憩します。

150分+3分=153分 … Aさん

10㎞÷5㎞/時=2時間=120分 … Bさんが学校から図書館まで休まずにかかる時間

10㎞÷4㎞=2区間あまり2㎞ → Bさんは2回休憩します。

120分+10分×2=140分 … Bさん

10㎞÷6㎞/時=5/3時間=100分 … Cさんが学校から図書館まで休まずにかかる時間

10㎞÷3㎞=3区間あまり1㎞ → Cさんは3回休憩します。

100分+15分×3=145分 … Cさん

答え (順に)B、C、A

 

本問は、繰り返しの問題(周期算)です。

解答例では「もし、休憩をしなければ…」という工夫をしていますが、Aさん、Bさん、Cさんについてそれぞれの1周期(歩く+休憩する)の時間を求める解き方もあります。

 

最後は平均の速さの問題です。

 

【問題】次の[ ]に適当な数を入れなさい。

姉と妹が家を同時に出発し、家と公園の間の同じ道を往復したところ、2人は同時に家に着きました。姉は、行きは秒速1.2mで、帰りは時速4㎞で歩き、妹は、行きも帰りも時速[ ]㎞で歩きました。

(慶應義塾中等部 2026年 問題2-(5) 問題文一部変更)

 

【考え方】

家と公園の間の道のりを、単位をそろえた速さの最小公倍数に仮定します。

1.2m/秒×60秒×60分÷1000m=108/25㎞/時 … 姉の行きの速さ

家と公園の間の道のりを108㎞とすると、姉は行きに

108㎞÷108/25㎞/時=25時間

帰りに

108㎞÷4㎞/時=27時間

かかります。

25時間+27時間=52時間 … 2人が家と公園の間を1往復するのにかかる時間

ですから、妹の速さは

(108㎞×2)÷52時間=54/13㎞/時=4 2/13㎞/時

です。

答え 4 2/13

 

本問は、平均の速さの基本問題です。

解答例では、家と公園の間の距離を速さの最小公倍数に仮定しましたが、1とする解き方もあります。

また、次のように「速さと比」の関係を利用することもできます。

 

今回は、2025年度と2026年度に共学中で出された「速さの3公式」と「平均の速さ」の問題をご紹介しました。

速さの3公式を使いこなせることに加え、線分図やグラフなどに条件を利用して解く方針を正しくかつ素早く立てられることは、今後の応用問題を解く上で大切になってきます。

ですから、もし、ご紹介した問題の中に条件整理が原因で正解できない問題があるときは、線分図やグラフのかき方を早急におさらいをしましょう。

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速さの練習問題 / 中学入試の算数問題 2026年04月04日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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