第774回 共学中の入試問題 平面図形 1
「第774回 共学中の入試問題 平面図形 1」
前回まで、近年に共学中の入試で出された「速さ」の問題について見てきました。
今回からは「平面図形」の問題を取り扱います。
1回目の今回は「角の大きさ」がテーマの問題について考えます。
1問目は平行線と角の問題です。
【問題】次の[ ]にあてはまる数を求めなさい。
図のように、平行な2直線と正六角形があります。角xの大きさは[ ]度です。

(中央大学附属横浜中学校 第1回 2025年 問題1-(9) 問題文一部変更)
【考え方】
2本の平行線の間に「イナズマ」のような折れ線があるときは、線が折れ曲がる点を通る平行線を補助線とする解き方があります。(左下図)
補助線を引くと「平行線の錯角は等しい」ので、同じ印をつけた角の大きさは同じです。(右下図)

×=9度
正六角形の1つの内角の大きさは120度です。
●=180度-(120度-9度)=69度
○=120度-69度=51度

よって、x=51度です。
答え 51
本問は、平行線の同位角や錯角が等しいことを利用する問題です。
正六角形との組み合わせになってますが、「イナズマ」の部分だけを使って解けることを確認しましょう。
2問目は正多角形の問題です。
【問題】図の五角形ABCDEは正五角形です。辺CD、対角線ADをそれぞれ一辺とする正六角形があります。角アの大きさを求めなさい。

(芝浦工業大学附属中学校 第1回 2025年 問題2-(4))
【考え方】
はじめに、「多角形の外角の大きさの和は360度」、「内角=180度-外角」を利用します。
正五角形の1つの外角の大きさが
360度÷5=72度
1つの内角の大きさが
180度-72度=108度
なので、赤色の二等辺三角形の等しい角の大きさは
(180度-108度)÷2=36度
です。(左下図)
また、正六角形の1つの外角の大きさは
360度÷6=60度
1つの内角の大きさは
180度-60度=120度
です。(右下図)

次の図のように対角線ACを引くと、ADとBCが平行なので、三角形ACDは等しい2つの角の大きさが72度の二等辺三角形です。
水色の四角形に着目します。

イ=120度-72度=48度
○=180度-72度×2=36度
ウ=120度-○=120度-36度=84度
ですから、
エ=360度-(120度+イ+ウ)=108度
ア=180度-エ=72度
です。
答え 72度
本問は、正多角形の角の大きさを利用する問題です。
正多角形の1つの内角や外角の大きさの求め方と合わせ、正五角形の角の特徴を確認しましょう。
なお、次のように五角形(赤色部分)に着目する解き方もあります。

3問目は二等辺三角形と正三角形の問題です。
【問題】次の[ ]に適当な数を入れなさい。
図のように、正方形と2つのおうぎ形を組み合わせました。角xの大きさは[ ]°です。

(慶應義塾中等部 2026年 問題3-(1) 問題文一部変更)
【考え方】
はじめに、円周上の点と円の中心を結ぶ補助線(半径)を引きます。(図1)
EB=BC=CEなので、三角形EBCは正三角形です。(図2)
ですから、角○の大きさは
90度-60度=30度
で、三角形BEAは BE=BA である二等辺三角形ですから、角●の大きさは
(180度-30度)÷2=75度
です。(図3)

最後に、直角三角形ABFに着目します。

x=180度-(90度+75度)=15度
答え 15
本問は、二等辺三角形や正三角形を見つけて利用する問題です。
正方形の中にぴったり入る正三角形の見つけ方を確認しましょう。
4問目は大きさのわからない角の利用方法についての問題です。
【問題】次の[ア]、[イ]にあてはまる数を答えなさい。
下の図において、同じ印をつけた角の大きさがそれぞれ等しいとき、x は[ア]°で y は[イ]°である。

(慶應義塾湘南藤沢中等部 2025年 問題2-(3) 問題文一部変更)
【考え方】
はじめに、直角三角形の3つの内角に着目します。
●●+○○+90度=180度 → ●+○=(180度-90度)÷2=45度(左下図)
さらに、三角形の内角に着目すると
x+●+○=180度
ですから、
x=180度-45度=135度
です。(右下図)

次に、赤色の三角形の外角に着目します。
△△-●●=66度 → △-●=66度÷2=33度(左下図)
水色の三角形の外角に着目すると
△-●=▲
ですから、▲=33度です。(右下図)

yは紫色の三角形の外角です。

■=180度-135度=45度
y=45度+33度=78度
答え ア 135、 イ 78
本問は、大きさのわからない角や三角形の外角のきまりを利用する問題です。
ひとつひとつの角の大きさがわからなくても、和や差が利用できることを確認しましょう。
5問目は特徴のある四角形の問題です。
【問題】図の角xの大きさは何度ですか。

(中央大学附属中学校 第1回 2025年 問題1-(5) 問題文一部変更)
【考え方】
図1の140度の角、79度の角、角yの3つの角は赤色の三角形の外角ですから、その和は360度です。
140度+79度+y=360度 → y=360度-219度=141度
図2の水色部分は「ブーメラン形四角形」なので、角x、35度の角、36度の角の3つの角の和は141度です。
x+35度+36度=141度 → x=141度-71度=70度

答え 70度
本問は、多角形の外角の和、「ブーメラン形四角形」の角の大きさの関係を確認できる問題です。
「ブーメラン形四角形」は、四角形を2つの三角形に分けることによって三角形の外角のきまりが利用できる点がポイントです。

最後は折り返しの問題です。
【問題】[ ]にあてはまる数を入れなさい。
正方形の折り紙を半分に折って、三角形にしたあと、図のように3回折りました。アの角の大きさは[ ]度です。

(青山学院中等部 2025年 問題9 問題文一部変更)
【考え方】
「折り返し」は図形を線対称移動させることですから、対応する角の大きさは同じです。
ですから、折った紙を元に戻していくと、角の大きさは図のようになります。

●+54度+●+27度+●+27度=180度 → ●=(180度-108度)÷3=24度
●+54度=24度+54度=78度

45度+78度+×=180度 → ×=180度-123度=57度
×+ア=90度 → ア=90度-57度=33度
答え 33度
本問は、折り返した図形の考え方を確認できる問題です。
最後の状態からはじめの状態に順に戻していくことがポイントとなっています。
今回は、2025年度と2026年度に共学中で出された角の大きさの問題をご紹介しました。
大きさがわかる角に次々と数値を書き込んでいくことで答えを求めることができるようになれば、次は「角の5原則」や特別な四角形、多角形の角の大きさの求め方など利用し、着目する角を見つける練習ができるといいですね。

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