第786回 共学中の入試問題 場合の数 2
「第786回 共学中の入試問題 場合の数 2」
前回から、近年に共学中の入試で出された「場合の数」について考えています。
2回目の今回は「じゃんけん」と「数作り」の問題を見ていきます。
1問目はじゃんけんの問題です。
【問題】次の[ ]にあてはまる数を求めなさい。
Aさん、Bさん、Cさん、Dさんの4人が1回じゃんけんをするとき、あいこになる手の出し方は[ ]通りあります。
(中央大学附属横浜中学校 2025年 第1回 問題1-(8) 問題文一部変更)
【考え方】
4人がじゃんけんをして勝負がつく場合は、4人が同じ手を出す場合、2人が同じ手を出す場合の2つの場合があります。
・4人が同じ手を出す場合
4人ともがグー、4人ともがチョキ、4人ともがパーの3通りです。
・2人が同じ手を出す場合
AさんとBさんがグーを出すとき、CさんとDさんの手の出し方は(Cさん、Dさん)=(チョキ、パー)、(パー、チョキ)の2通りがあります。
AさんとBさんがチョキを出すときも、AさんとBさんがパーを出すときも、CさんとDさんの手の出し方はそれぞれ2通りがありますから、AさんとBさんが同じ手を出すときの場合の数は
2通り×3=6通り
です。
AさんとCさんが同じ手を出す場合、AさんとDさんが同じ手を出す場合、BさんとCさんが同じ手を出す場合、BさんとDさんが同じ手を出す場合、CさんとDさんが同じ手を出す場合も6通りずつあります。
よって、2人が同じ手を出す場合の数は全部で
6通り×6=36通り
です。
3通り+36通り=39通り
答え 39通り
本問は、どのようなときに「あいこ」になるかを考える問題です。
「4人全員が異なる手」や「3人が同じ手」などの場合がないことに注意します。
なお、次のように、すべての場合の数から勝負がつく場合を除くという解き方もあります。
(別解)
じゃんけんをして勝負がつく場合は、1人だけが勝つ、2人が勝つ、3人が勝つの3つの場合があります。
・1人だけが勝つとき
Aさんだけが勝つとき、Aさんと他の3人の手の出し方は、(Aさん、他の3人)=(グー、チョキ)、(チョキ、パー)、(パー、グー)の3通りがあります。
Bさんだけが勝つとき、Cさんだけが勝つとき、Dさんだけが勝つときも同様に3通りずつありますから、1人だけが勝つときの手の出し方は全部で
3通り×4=12通り
あります。
・2人が勝つとき
AさんとBさんが勝つとき、勝つ2人と負ける2人の手の出し方は、(AさんとBさん、他の2人)=(グー、チョキ)、(チョキ、パー)、(パー、グー)の3通りです。
4人の中から勝つ2人の選び方は
4通り×3通り÷2=6通り
ありますから、2人が勝つときの手の出し方は全部で
3通り×6=18通り
あります。
・3人が勝つとき
1人だけが負ける場合ですから、1人だけが勝つ場合と同じように考えることができるので12通りあります。
よって、じゃんけんをして勝負がつく場合の数は
12通り+18通り+12通り=42通り
です。
じゃんけんの手の出し方は3通りありますから、4人の手の出し方は全部で
3通り×3通り×3通り×3通り=81通り
です。
81通り-42通り=39通り
2問目は、3の倍数を作る問題です。
【問題】次の問いに答えなさい。
(1) 1、2、3、4、5の数字が1つずつ書かれた5枚のカードから3枚を選んで並べて3けたの整数をつくるとき、3の倍数は全部で何通りつくれますか。
(2) 0、1、2、3、4、5の数字が1つずつ書かれた6枚のカードから3枚を選んで並べて3けたの整数をつくるとき、3の倍数は全部で何通りつくれますか。
(法政大学中学校 2026年 第1回 問題3)
【考え方】
(1)
「3の倍数」という条件に着目します。
3の倍数は各位の数の和も3の倍数ですから、和が3の倍数になるように3枚のカードを選びます。
・和が6のとき
(1、2、3)… 百の位の数が1または2または3の3通り、十の位の数が百の位の数以外の2通り、一の位の数が残りの1通りのように選べますから、3枚のカードの並べ方は
3通り×2通り×1通り=6通り
です。
・和が9のとき
(1、3、5)… (1、2、3)と同じように、3枚のカードの並べ方は
3通り×2通り×1通り=6通り
あります。
(2、3、4)… 同様に、3枚のカードの並べ方は6通りです。
・和が12のとき
(3、4、5)… 百の位の数が3通り、十の位の数が百の位の数以外の2通り、一の位の数が残りの1通りのように選べますから、3枚のカードの並べ方は
3通り×2通り×1通り=6通り
です。よって、全部で
6通り×4=24通り
の3の倍数を作れます。
答え 24通り
(2)
(1)と同じように、各位の和が3の倍数となるように、3枚のカードを選びます。
3枚のカードの中に「0」を含まない選び方を(1)で調べていますので、3枚のカードの中に「0」を必ず含むような選び方について考えます。
・和が3のとき
(0、1、2)… 百の位の数が0以外の2通り、十の位の数が百の位の数以外の2通り、一の位の数が残りの1通りのように選べますから、3枚のカードの並べ方は
2通り×2通り×1通り=4通り
です。
・和が6のとき
(0、1、5)… 百の位の数が0以外の2通り、十の位の数が百の位の数以外の2通り、一の位の数が残りの1通りのように選べますから、3枚のカードの並べ方は
2通り×2通り×1通り=4通り
です。
(0、2、4)…(0、1、5)と同じように、3枚のカードの並べ方は
2通り×2通り×1通り=4通り
です。
・和が9のとき(0、4、5)… 百の位の数が0以外の2通り、十の位の数が百の位の数以外の2通り、一の位の数が残りの1通りのように選べますから、3枚のカードの並べ方は
2通り×2通り×1通り=4通り
です。
よって、「0」を必ず含む3けたの3の倍数は
4通り×4=16通り
作れます。
24通り+16通り=40通り
答え 40通り
本問は、(1)で「0」を含まない場合、(2)で「0」を含む場合となっており、「0」に関する場合分けの考え方を確認することができる問題です。
最後は偶数を作る問題です。
【問題】大小2個のさいころを投げるとき、出る目の数の積が偶数になる場合の数は何通りありますか。
(広尾学園中学校 2025年 第1回 問題1-(3))
【考え方】
「2つの整数の積が奇数になるのは(奇数)×(奇数)の場合だけ」であることを利用できます。
大小2個のさいころを投げて、さいころ大の出た目の数が1、3、5、さいころ小の出た目の数も1、3、5のとき、目の数の積が奇数になります。
3通り×3通り=9通り … 積が奇数になる目の出方
また、大小2個のさいころを投げたときの目の出方は、さいころ大が6通り、さいころ小も6通りです。
6通り×6通り=36通り … すべての目の出方
ですから、出る目の数の積が偶数になる場合の数は
36通り-9通り=27通り
あります。
答え 27通り
本問は、すべての場合の数から条件にあてはまらない場合の数を除く、「余事象」といわれる考え方を利用できる問題です。
偶数となる場合を順に求めて正解しているときは、この余事象の考え方も確認しましょう。
今回は、2025年度と2026年度に共学中の入試で出された「じゃんけん」と「数作り」の問題をご紹介しました。
「場合分け」をして考えることは1問目や2問目のように大切なポイントになりますし、「余事象」も利用できると調べる量を減らすことができる便利な考え方です。
すべてを書き出す解き方ができるようになれば、前回ご紹介したような「かけ算の利用」、そして今回見てきた「場合分け」などを利用して、工夫した解き方を少しずつ身につけていきましょう。
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