第787回 共学中の入試問題 場合の数 3
「第787回 共学中の入試問題 場合の数 3」
ここまで、近年に共学中の入試で出された「場合の数」の問題を取り扱ってきています。
その最後となる今回は「支払」と「図形の個数」の問題を見ていきます。
1問目は「支払い方」の問題です。
【問題】500円硬貨、100円硬貨、50円硬貨がたくさんあります。これらの硬貨を使って1600円を支払う方法は何通りありますか。ただし、使わない硬貨があってもよいものとします。
(早稲田実業学校中等部 2025年 問題1-(3))
【考え方】
1600円を支払うとき、500円硬貨の使われる枚数が最も少ないので、500円硬貨の枚数で場合分けをします。
・500円硬貨を3枚使うとき
1600円-500円×3枚=100円 … 500円硬貨で支払った残金
100円の支払い方には、100円硬貨を1枚使う、0枚使う(=1枚も使わない)の2通りがあります。
・500円硬貨を2枚使うとき
1600円-500円×2枚=600円 … 500円硬貨で支払った残金
100円の支払い方には、100円硬貨を6枚使う、5枚使う、4枚使う、3枚使う、2枚使う、1枚使う、0枚使う(=1枚も使わない)の7通りがあります。
500円硬貨を使う枚数が1枚のとき、0枚のときも同じように考え、それらを表に整理すると次のようになります。

600円の支払い方は、100円硬貨の支払い方に着目すると、
2通り+7通り+12通り+17通り=38通り
とわかります。
答え 38通り
本問は、「支払い方の問題」の考え方を確認できる問題です。
50円硬貨の支払い方が使う500円硬貨と100円硬貨の1つの組み合わせに1通りだけあることに着目して、500円硬貨と100円硬貨の組み合わせだけを調べることがポイントになっている問題です。
2問目は「支払える金額」の問題です。
【問題】10円玉2枚、50円玉2枚、100円玉3枚の一部または全部を使って、ちょうど支払うことができる金額は何通りありますか。ただし100円玉1枚でも、50円玉2枚でも100円を支払えますが、これは1通りと考えます。
(法政大学第二中学校 2025年 第一回 問題2-(6))
【考え方】
「100円玉1枚でも、50円玉2枚でも100円を支払えますが、これは1通りと考えます」という条件については、100円玉をすべて50円玉に両替しておくと、例えば、100円の支払い方は「50円玉2枚」だけとなるように、ある金額の支払い方を1通りにできます。
100円×3枚÷50円+2枚=8枚 → 両替後の50円玉の枚数は8枚です。
50円玉の使い方は0~8枚の9通り、10円玉の使い方は0~2枚の3通りなので、「支払い方」=「支払える金額」は
9通り×3通り=27通り
と計算できます。
しかし、この27通りの中には「50円玉0枚と10円玉0枚(=0円)」の1通りが含まれていますから、支払うことができる1円以上の金額はこの1通りを除いた
27通り-1通り=26通り
です。

答え 26通り
1問目の「支払い方」と2問目の「支払える金額」は問題文が似ているために、勘違いをすることもあります。
条件と求めるものを正しく読んで、適した解き方を選択しましょう。
3問目は「三角形作り」の問題です。
【問題】次の[ ]をうめなさい。
下の図のように2本の直線の上に合計10個の点があります。この中から異なる3個の点を選び、それらを結んで三角形を作ります。三角形は全部で[ ]個できます。

(青山学院横浜英和中学校 2025年 A日程 問題3-(2) 問題文一部変更)
【考え方】
10個の点を①、②、③、…、⑩とします。
例えば、①と②と⑦を選び、それらを並べる場合を考えます。
1番目に並べる点は①、②、⑦のいずれかですから3通りあり、2番目に並べる点は1番目に並べた残りの2通り、3番目に並べる点は最後の1通りですから、
3通り×2通り×1通り=6通り
の並べ方がありますが、選んだ①、②、⑦をどの順番で並べても、できる三角形は「三角形①②⑦」の1種類です。

つまり、1通りの選び方に対して、6通りの並べ方があります。
よって、10個の点の中から異なる3個の点の並べ方が、1番目に並べる点が①~⑩のいずれか1つの10通り、2番目に並べる点が1番目に並べた残りの9通り、3番目に並べる点が最後の8通りなので
10通り×9通り×8通り=720通り
ですから、10個の点の中から異なる3つの点の選び方は
720通り÷6=120通り
です。
しかし、この120通りの中には、次の図のように、「同じ直線上の3点を選ぶ」=「三角形にならない」場合も含まれています。

このように、10個の点中から異なる3個の点を選んでも三角形ができない場合は、①~⑥の中から3点を選ぶ場合の
6通り×5通り×4通り÷6=20通り
と、⑦~⑩の中から3点を選ぶ場合の
4通り×3通り×2通り÷6=4通り
があります。
20通り+4通り=24通り … 三角形ができない3点の選び方
以上から、10個の点の中から異なる3個の点を選び、それらを結んで三角形を作るとき、全部で
120個-24個=96個
の三角形ができます。
答え 96
本問は、「組み合わせ」の計算と「余事象」を利用できる問題です。
樹形図などで書き出しをしているときは、解答例のような計算方法も確認しましょう。
4問目も「三角形作り」の問題です。
【問題】下の図のような正八角形ABCDEFGHがあります。8個ある頂点のうち、3個の頂点を結んで三角形をつくるとき、次の問いに答えなさい。

(1) 三角形は全部で何個つくることができますか。
(2) 直角三角形は全部で何個つくることができますか。
(法政大学中学校 2025年 第1回 問題3 問題文一部変更)
【考え方】
(1)
3つの頂点A、B、Cを選んだとき、その並べ方によって
△ABC、△ACB、△BAC、△BCA、△CAB、△CBA
の6通りの表し方がありますが、どれも同じ三角形です。

ですから、8個ある頂点のうち、3個の頂点を結んで三角形をつくるとき、三角形の1番目の頂点の選び方が8通り、2番目の頂点の選び方が7通り、3番目の頂点の選び方が6通りあるので、作ることのできる三角形は
8通り×7通り×6通り÷6=56通り
です。
答え 56個
(2)
円の直径の両端と円周上の点を結ぶと直角三角形ができることと、正八角形が円にピッタリ入ることを利用します。

上の図のように、対角線CGを直角三角形の一番長い辺とすると、3つ目の頂点の選び方はA、B、D、E、F、Hの6通りがあります。
CGと同様の対角線は全部で4本ありますから、直角三角形は全部で
6個×4本=24個
できます。
答え 24個
本問の(1)は前問と同じように考えることができます。
(2)は直径と直角三角形の関係の知識を利用します。
もし、直径と直角三角形の関係を忘れていたときは、この機会に覚え直しましょう。
最後は「四角形作り」の問題です。
【問題】次の[ ]に当てはまる数を答えなさい。
下の図の中に四角形は[ ]個あります。

(広尾学園小石川中学校 2025年 第1回 問題1-(5) 問題文一部変更)
【考え方】
大小の正方形や長方形を大きさごとに数えることもできますが、ここでは「選び方」の計算方法を利用していきます。
図形の縦線を①~④、横線を⑤~⑧とします。

四角形は2本の縦線と2本の横線に囲まれた図形ですから、①~④の4本の縦線の中から2本の縦線を、⑤~⑧の4本の横線の中から2本の横線を選べば、四角形を1個作れます。

①~④の中から2本の縦線を選ぶ場合の数が
4通り×3通り÷2=6通り、
⑤~⑧の中から2本の横線を選ぶ場合も
4通り×3通り÷2=6通り
ですから、
6通り×6通り=36通り
の四角形を作ることができます。
答え 36
本問はで「四角形が何個あるか」と聞かれていますが、「作ることができる四角形の個数は何個ですか」に置き換えると、「選び方」の計算方法を使って解くことができます。
大小の正方形や長方形で場合分けをしているようでしたら、計算を利用する解き方も確認しましょう。
今回は、2025年度に共学中の入試で出された「支払」と「図形の個数」の問題をご紹介しました。
これらの問題の中には、今回のように計算を利用して解くことができる問題もあります。
書き出しで正解できるようになれば、条件に応じた計算解法も身につけて、答えをだすまでの時間を短縮できるといいですね。
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