第788回 男子中の入試問題 数の計算
「第788回 男子中の入試問題 数の計算」
前回まで、共学中の近年の入試問題を取り扱ってきました。
今回からは、男子中の2026年度の入試問題を見ていきます。
最初に取り扱う単元は「数の計算」です。
1問目は、四捨五入の範囲の問題です。
【問題】ある整数を3.1で割り、小数第一位を四捨五入すると4になります。このような整数を求めなさい。考えられるものをすべて書きなさい。
(桐朋中学校 2026年 第1回 問題2-(1))
【考え方】
ある整数をAとします。
A÷3.1の商を小数第一位で四捨五入すると4になるような商の範囲は3.5以上4.5未満です。
このことは、次のような「流れ図」で表せます。

A÷3.1=商 ですから、Aは商×3.1で求められます。
3.5×3.1=10.85 以上
4.5×3.1=13.95 未満

「ある整数」という条件がありますから、A=11、12、13 です。
答え 11、12、13
本問は、四捨五入の逆算の考え方を確認できる問題です。
もし、正解できないようでしたら、小数を四捨五入して整数にする問題から解き直しましょう。
2問目は分配のきまりを利用する問題です。
【問題】次の計算をしなさい。
2026×25+6078÷6-22×2026
(立教池袋中学校 2026年 第1回 問題1-1))
【考え方】
6078 を 2026×3 のように書き直すと、分配のきまりを利用できます。
2026×25+6078÷6-22×2026
=2026×25+2026×3×1/6-22×20266
=2026×(25+3×1/6-22)
=2026×7/2
=7091
答え 7091
本問は、分配のきまりを利用できる問題です。
「÷6」のある部分で計算を間違えるようでしたら、「×1/6」のように、かけ算に統一して計算しましょう。
3問目も分配のきまりを利用する問題です。
【問題】次の□にあてはまる数を求めなさい。
3.41×367-34.1×28.5+341×1.18=□
(高輪中学校 2026年 A日程 問題1-(3))
【考え方】
34.1 を 3.14×10、341 を 3.41×100 に書き直すと、分配のきまりを利用できます。
3.41×367-34.1×28.5+341×1.18
=3.41×367-3.41×10×28.5+3.41×100×1.18
=3.41×(367-10×28.5+100×1.18)
=3.41×(367-285+118)
=3.41×200
=682
答え 682
本問も、分配のきまりを利用できる問題です。
上記は「3.41」にそろえましたが、「34.1」、「341」のいずれかにそろえてもOKです。
4問目は分数の大小に関する問題です。
【問題】異なる2つの整数[ア]、[イ]について、1/[ア]+1/[イ]=A とします。1/3より小さい数Aのうち、1/3に最も近いものを答えなさい。
(海城中学校 2026年 一般① 問題1-(5) 問題文一部変更)
【考え方】
1/[ア]+1/[イ]=1/3
として、線分図に表すと次のようになります。

このとき、最も小さいアの値は4です。
1/[イ]=1/3-1/4=1/12 → イ=12

1/4の分母を1大きくすると、Aは
1/4-1/5=1/20
小さくなり、1/12の分母を1大きくすると、Aは
1/12-1/13=1/156
小さくなりますから、1/12の分母を1大きくする方が、Aが「1/3より小さい数Aのうち、1/3に最も近い」という条件にあてはまります。
A=1/4+1/13=17/52
答え 17/52
本問は、分数の大小の考え方を利用する問題です。
分母の大きい分数の方が分母の小さい分数よりも、分母を1大きくしたときの分数の大きさの変化が小さいことを確認しましょう。
5問目は、単位分数(分子が1の分数)を利用できる問題です。
【問題】□にあてはまる数を求めなさい。
(4+3/4+8/9+15/16)+3×(3+3/4+8/9+15/16)+5×(2+8/9+15/16)+7×(1+15/16)=□
(慶応義塾普通部 2026年 問題1-②)
【考え方】

答え 56
本問は、式に含まれる3/4のような分母と分子の差が1の分数を「1-単位分数」と表し、さらに通分をしないで、分配のきまりを利用すると、小さい数値で計算できる問題です。
そのまま計算しているときは、工夫する解き方も試してみましょう。
6問目は、通分を工夫する問題です。
【問題】次の□に当てはまる数を答えなさい。
1/4×1/5÷6-1/5×1/6÷7-1/6×1/7÷8=□
(東京都市大学付属中学校 2026年 第1回 問題1-問1)
【考え方】

答え 1/1680
本問も、通分において工夫ができる問題です。
そのまま計算しているときは、「通分したときの分母を積の形で残す」という工夫にも挑戦してみましょう。
最後は、部分分数分解を利用できる問題です。
【問題】次の□にあてはまる数を答えなさい。
(□÷3/5-151)÷170=4/(5×9)+4/(9×13)+4/(13×17)
(早稲田中学校 2026年 第1回 問題1-(1) 問題文一部変更)
【考え方】

答え 105
本問は、部分分数分解を利用できる問題です。
4/(5×9)=1/5-1/9 のように、「=」の右側にある分数をそれぞれ2つの分数の差に表し直すことで一部の分数を「消去」できます。
今回は、2026年度に男子中の入試で出された「数と計算」の問題をご紹介しました。
もし、「きまりを忘れていた」、「工夫をしないでそのまま計算してしまった」というようなことがあれば、類題を用いて計算力の向上を図りましょう。
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