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『2014年度 中学入試問題分析』7

中学入試の算数問題2014年02月22日18時00分
第170回 2014年度入試 ~7~




神戸女学院中学部過去問集26年春受験用(教英出版)
※27年春受験用はまだ販売されていません。




今回は神戸女学院中の2014年度の入試問題をご紹介します。


入試は4教科+体育実技で行われ、合格最低点255点(460点満点)でした。


これらのデータから、得点率で55.4%が合格に必要だったことがわかります。


算数の試験時間は50分で満点は120点で、
今年度は大問6題、小問数の合計は17問でしたから、
合格には得点率から計算して10問以上の正解が必要です。


大問1 テストの配点問題(3種のつるかめ算 複数解答 解答数…3組)
大問2 公倍数の個数(解答数…3問)
大問3 立体図形の表面積(解答数…2問)
大問4 2点の移動(変則時計算 解答数…3問)
大問5 公約数の個数(互いに素 解答数…3問)
大問6 場合の数(マス目にそって動く点 解答数…3問 ※(2)の解答数…2)


これらの問題難度をA(平易)~B~C(難問)で分類した場合、

A…大問1(3問)、大問2-(1)(2)、大問3-(1)、大問4-(1)、大問5-(1) 計8問
B…大問2-(3)、大問5-(2)、大問6-(1) 計3問
C…大問3-(2)、大問4-(2)(3)、大問5-(3)、大問6-(2) 計6問

となり、合格には難問(C)以外の11問で失点しないことが必要だったといえそうです。




そこで今回は、Bレベルに近いCレベル問題、大問3-(2)をご紹介します。


易しくはありませんが、面積の計算ができれば
新6年生でなくてもチャレンジできる問題です。




2014年度 神戸女学院 入試問題 算数


大問3 1辺1cmの立方体を下図のように、下から16個、9個、4個、1個と積み上げました。それぞれの立方体の頂点は、下の段の各立方体の面のまん中にあります。
(1)この立体の表面積を求めなさい。
(2)次に、影をつけた5個の立方体を取り除き、新たな立体を作りました。この立体の表面積を求めなさい。ただし、立方体を取り除いても、立体はくずれないものとします。




立体図形の表面積を求める問題です。




立体図形の表面積の求め方には、

1.見取り図を参考に、それぞれの面の面積をひとつひとつ計算する。
2.角柱の表面積=底面積×2+底面の周囲の長さ×立体の高さ のように公式を用いる。
3.立体の展開図の面積を求める。
4.投影図を参考に、(真正面+真横+真上)×2 などを利用する。
5.立体ひとつひとつの表面積を加え、立体が接する面の面積を引く。


の5つがあります。




(1)は「積み上げられた積み木の表面積」ですから、投影図を用いましょう。




1辺の長さが1cmの立方体でしたから、それぞれの正方形の面積は1cm2です。


真正面と真横には正方形がそれぞれ10個、
真下(この問題では真上からよりも真下からの方が投影図が書きやすいです)には
16個ありますから、
(10+10+16)×2=72(cm2)が(1)の解答です。




この大問3-(2)が「Bレベルに近いCレベル問題」という理由は、
(1)がヒントになっているからです。


(1)と同様に「投影図」を書いて考えれば、計算がしやすのです。


影のついた立方体を取り除くと下の図のようになりますので、
真正面と真横は(1)のときと同じです。




それでもこの問題が難しいのは、
上の図のような見取り図を入試会場で書くことはなかなか大変だからです。


「取り除いてもその後ろの立方体があるから…」と考え、
見取り図を書くことなしに投影図を書くことができれば、
試験会場で、試験の制限時間内に正解できます。


そのために、受験勉強をしているときには、自分で見取り図を書く練習をします。





(1+2+3+4)×2×2=40(cm2)…真正面(前後)と真横(左右)の表面積


あとは真上または真下から見た図です。


先ほどの見取り図から、
隠れ面(真上からも真下からも立体の影に隠れて見えない)」が
いくつかあることに気づけます。




真上から投影図を書くと、




のように、
1辺が0.5cmの正方形の2カ所で真上からも真下からも
立体の影に隠れて見えないことがわかります。


ですから、
(4cm×4cm-1cm×1cm×2+05.cm×0.5cm×2)×2=29(cm2)
が真上から見た面と真下から見た面の面積の和です。


40cm2+29cm2=69cm2


時間が無制限であれば、
神戸女学院中の受験生レベルならばきっと正解できるでしょう。
それを限られた時間内に答えなければいけないことが、
この問題の難度を高くしています。


2014年度は、
灘中の2日目、洛南中、麻布中、筑駒中などで培われた作図力を問う、
難度の高い問題が出題されています。


昨今の中学入試算数は、
この作図力のように「知識や暗記」以外の学力を問う傾向があります。
開成中の「記述問題」もその現れでしょう。


新6年生はもちろん、新5年生も難関中を志望校にするのであれば、

1.知識や解き方の暗記
2.問題の条件整理
3.途中の考え方(含む:作図)
4.知識や解き方について、なぜそうなったかの理由
5.問題のどの点に着目して解き方選んだのか


という、深みのある学習を機会のある毎にしていくといいと思います。
中学入試の算数問題2014年02月22日18時00分

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主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。