前田昌宏の中学受験が楽しくなる算数塾

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第344回 平面図形の点数を上げる勉強方法 3

「第344回 平面図形の点数を上げる勉強方法 3」


前回は、直線上の転がり移動を、三角形と円について、
サピックス5年生の春期講習、夏期講習の問題を題材に、
その内容とチェックポイントを見ました。


今回は少しレベルが上がった問題について、
正解するために必要な事が何かを考えていきます。




サピックス夏期講習No.8-B問題-2

20170608101855.jpg





問題1は円が一直線を転がる問題でしたが、問題2では折れ線上を転がります。


折れ線ですので「コーナーの曲がり方の作図」がポイントです。


お子さんには、運動会の競技「台風の目」をイメージしてもらうと
腑に落ちやすいかもしれません。


20170608101950.jpg


コーンが図形の角、棒が円の直径です。


上からこの様子を見ると

20170608102017.jpgのように、

コーンに近いほど動きが小さくなります。



ですから問題2では次のようになります。


20170608102052.jpg


この角の部分以外は「直線上の転がり移動」ですから、
問題1と同様、直線的に動きます。


20170608102129.jpg

20170608102145.jpg




「なんだ、意外に簡単だ」と感じられるかも知れません。


確かに「図を描いて解く」だけであれば
「簡単」といえる問題ですが、
実は、この問題には2つの重要な学習項目が隠されています。


この2点も含めた理解度をチェックすることが、この問題で必要なことです。

20170608102300.jpg




この2点が理解できていると、続くB問題-3や、
8月マンスリー確認テストで夏期講習テキストとは異なる条件の問題も
正解できると思います。



20170608102437.jpg




夏期講習のB問題-3は「長方形の外側」を転がりますから、
前問の図が4個くっついているともいえます。


ですから、もしB問題-2が不正解のままであれば、
B問題-3の正解も難しくなります。


(1)の図
20170608102520.jpg


上の図のように、円の中心の動きは「4つの直線」と「4つの弧」です。


このうち、「4つの直線」の長さの和は、
長方形のまわりの長さと同じです。


また、「4つの弧」の長さの和は、
直径2cmの円の円周の長さと同じです。


(6cm+9cm)×2+2cm×3.14=36.28cm


(2)の図
20170608102603.jpg


前問と同じように角を曲がる=回転移動の部分は、
回転の中心から最も近い点(長方形の頂点なので動きません)と、
回転の中心から最も遠い点の動きを描くと
おうぎ形(四分円)ができ、全て集めると円になります。


また、直線部分は長方形です。


(6cm+9cm)×2×2cm+2cm×2cm×3.14=72.56cm2





では、8月マンスリー確認テストの問題はどこがちがうのでしょうか。


長方形の角を曲がるときは
「四分円になる」ことが「直感的」にわかっても、
正三角形の角を曲がるときがイメージしにくいため、
「60°回転する」と勘違いすることがあります。


しかし、前述のように、
「角で回転の始めと終りでは、直径は直線と垂直になる」
という重要なポイントを押えることができていれば、
「いつでも正解」できます。


20170608102746.jpg



図のように「直線部分の転がり移動を先に描く」と、
正三角形の頂点で回転してできるおうぎ形も描きやすくなります。


また「90°」が書かれているので、
おうぎ形の中心角=360°-(90°+60°+90°)=120° も
簡単にわかります。


3つの直線部分と3つのおうぎ形の弧を集める」と、
「円の中心の動き=正三角形の周りの長さ+直径3cmの円の円周」
となりますから、
8cm×3+3cm×3.14=33.42cm がこの問題の答えです。




ここまでの理解ができれば、
発展学習として次のことを学んでおくと、
もう1ランクレベルの高い問題にも対応できるようになります。


20170608102847.jpg




図のように、ア+イ+ウ=180°なので
ア、イ、ウの角の大きさに関係なく、
おうぎ形の3つの中心角の和=360°×3-90°×2×3-180°=360°
であることがわかります。


ですから、円が凹みのない多角形の外側を1周すると、
「中心が移動した長さ=多角形のまわりの長さ+転がる円の円周」
ということがわかります。


今回は、円が多角形の外側を転がる問題を中心にみてきましたが、
ここで押えておきたい学習ポイントは次の4つだとわかりました。

・角での回転の始まりと終りでは、直径は直線と垂直になる

・回転は、回転の中心から最も近い点と遠い点の2点の動きを作図する

・直線部分と曲線部分をそれぞれ集めて計算する

・凹みのない多角形の外側を1周すると円の中心が移動した長さは、
多角形のまわりの長さ+転がる円の円周に等しい 



これら4つのポイントを理解して正確な作図ができるようになると、
転がり移動の問題も決して難しくはないと思います。


今回は、多角形の外側を転がる円の問題を見てきましたが、
次回は、多角形の内側を転がる円の問題などを見ていく予定です。

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図形の練習問題2017年06月17日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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