前田昌宏の中学受験が楽しくなる算数塾

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第413回 「平面図形」の勉強方法 1

「第413回 『平面図形』の勉強方法 1」


ここまで5年生で学ぶ「速さ」について見てきましたが、今回からは5年生の2学期に学ぶ「平面図形」を取り扱ってみようと思います。


大手進学塾の1つであるサピックスの場合、「平面図形」については、5年生になったばかりの2月に「直線図形」、「曲線図形」の面積の求め方を学び、春期講習ではこれらの復習と「角の大きさ」を、さらに5月に入って「点の移動と平面図形の面積」について学びます。


そして11月からは「直線図形」、「曲線図形」の復習と「図形の移動」、「辺の比と面積の比」がカリキュラムに組み込まれています。


今回は2学期に学ぶ内容の中から「図形の移動」について、平常教材「Daily Support」(過年度版)を用いてみていこうと思います。


「直線図形」、「曲線図形」の復習とセットになった回の「図形の移動」の問題は、「Daily Support」のE問題で取り扱われています。


ここで学ぶ「図形の移動」は、すべて「円が図形の辺にそって転がる」という、マンスリーテストなどの塾模試や中学入試でよくだされる分野です。




(E問題より)
20181005134343.jpg半径2cm、中心Oの円が右図のような台形の外側をすべることなく転がります。次の問いに答えなさい。(ただし円周率は3.14とします。)

(1) 中心Oの円のえがく線の長さを求めなさい。

(2) 円が転がってできる部分の面積を求めなさい。








【解答例】
今回学ぶ「図形の移動」では、正確な作図ができるようになることが重要な学習目標です。

(1)
はじめに「直線上」を円が転がる様子について考えます。


次の図のように円が直線上をPからQまで転がるとします。

20181005134405.jpg


すると、円は図のように転がりますから、円の中心がえがく線は直線と平行になります。

20181005134446.jpg


ここで重要なことは、円が点Qまで転がったときの図です。

20181005134502.jpg


上の図のように、直線と半径の関係は垂直です。


この図を利用すると「角の曲がる様子」は、下の図のように2つの直線上を転がる円の動きを「合体」させることで作図できます。

20181005134521.jpg



ですから、(1)の図は次のようになります。

20181005134554.jpg



円の中心がえがく線のうち、直線部分(赤色の直線)は台形のまわりの長さと同じです。


また、下の図のように斜線部分は長方形ですから、4つの曲線部分を1ヶ所に集めるとちょうど円が1つでき、半径2cmの円の円周と等しい長さになることがわかります。

20181005134616.jpg


10cm+15cm+25cm+15cm+2cm×2×3.14=77.56cm 


なお、曲線部分については、「円が同じ向きにまわりながら1周するのだから1回転=360°」のように考えることもできます。




(2) 
(1)の作図と同じ方法で次のような図をかくことができます。

20181005134646.jpg


(10cm+15cm+25cm+15cm)×4cm+4cm×4cm×3.14=310.24cm2 

20181005134805.jpg




なお、(2)については「センターライン解法」を用いることもできます。

20181005134821.jpg


求める部分を「道路」、転がる円の中心がえがいた線を「センターライン」に見立てた解き方です。


20181005134721.jpg


中心の移動距離は(1)で求めていますから、

77.56cm×4cm=310.24cm2 

のように計算します。




もう1問、今度は円が「なめらか」には動かない問題です。




(E問題より)
20181005134926.jpg右図のような長方形の内部を半径4cmの円が、辺にそって一周します。次の問いに答えなさい。(ただし円周率は3.14とします。)

(1) 円の中心が移動する長さは何cmですか。

(2) 円が通り過ぎる部分の面積は何cm2ですか。








【解答例】
この問題も作図が重要な学習ポイントですが、「お掃除ロボット」の動きを考えれば前問よりはわかりやすいかも知れません。

20181005135330.jpg


(1) 
前問とちがって、「図形の内側を転がる」場合は、角で「カクッ」と曲がります。

20181005135345.jpg


{ ( 40cm-4cm×2 )+( 70cm-4cm×2 ) }×2=188cm 


(2) 
円が角で「カクッ」と曲がっていて動きがなめらかではないので、「センターライン解法」は使えません。

20181005135421.jpg


上の図から、長方形の4つの隅と内部の小さな長方形が、円の通り過ぎない部分だとわかります。

20181005135551.jpg


「4つの隅」は集めると次のような図になります。

20181005135439.jpg


また、内部の小さな長方形のたての長さは

40cm-8cm×2=24cm、

横の長さは

70cm-8cm×2=54cm

です。


ですから、求める面積は、

40cm×70cm-{ ( 8cm×8cm-4cm×4cm×3.14 )+24cm×54cm }=1490.24cm2 

です。(まわりから引く以外に、斜線部分を区切って求める方法もあります)






今回は、マンスリーテストなどの塾模試や中学入試でよく出題される「図形の移動」について、代表的な2問を取り上げましたが、いずれの問題も「角の曲がり方」の作図がポイントでした。


逆にいえば「作図さえ正確にできれば正解は難しくない」ということです。


ですから、家庭学習では正確な作図を心がけて、「図形の移動」を得意分野にすることができればいいなと思います。

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図形の練習問題2018年10月13日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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