前田昌宏の中学受験が楽しくなる算数塾

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第448回 人気中学校の入試問題 7 ~吉祥女子中学・高等学校~

「第448回 人気中学校の入試問題 7 ~吉祥女子中学・高等学校~」


首都圏で人気のある学校の問題をご紹介しています。


7回目は、女子新御三家として人気の高い、完全中高一貫校の吉祥女子中学・高等学校です。


本校は理数科目を重視していることが特長の1つで、例年、卒業生の約半数弱が理系に進学していることも人気の理由の1つでしょう。


その吉祥女子中学・高等学校の2019年度の入試状況は次の通りです。

20190606080830.jpg


2019年度の第1回では算数の平均得点率が、受験者は約71%、合格者は約80%と、ハイレベルな入試となっています。




では、実際の問題を見てみましょう。




2018年度 吉祥女子中学・高等学校 第1回 入試問題 算数より 

大問2 1から5までの数字が表に書かれたカードが3枚ずつ、合計15枚あります。これらのカードを裏にしておき、1枚ずつ順に表にしていくゲームをします。同じ数字が書かれたカードが3枚とも表になったらこのゲームは終了とし、その時点で表になっているカードの数字の合計を得点とします。たとえば、表にした数字が順に
4→4→4の場合は 4+4+4=12(点)
5→5→1→5の場合は 5+5+1+5=16(点)
3→2→2→5→2の場合は 3+2+2+5+2=14(点)
となります。次の問いに答えなさい。

(1) 考えられる得点のうちで最も高い得点は何点ですか。

(2) 8枚めくった時点でゲームが終了したとき、考えられる得点のうちで最も高い得点は何点ですか。

(3) ゲームが終了したとき、表になっているカードに書かれた数字は4種類で、得点は30点でした。このとき、最後にめくったカードに書かれた数字として考えられるものをすべて答えなさい。








【解答例】
(1)
1から5までのカードがすべて2枚ずつ表になった後、最後に3枚目の「5」が表になったときです。

(1点+2点+3点+4点+5点)×2枚+5点=35 

(2)
3枚が表になるカードの数字が「5」で、残りの5枚が「4」「4」「3」「3」「2」のときです。

2点+3点×2枚+4点×2枚+5点×3枚=31 


(3) 
3枚が表になるカードで場合分けをします。

「5」が3枚とも表になるとき、残り3種類のカードの合計点数が

30点-5点×3枚=15点

になればよいので、たとえば

4点×2枚+3点×2枚+1点×1枚=15点

のときなどがあります。


「4」が3枚とも表になるとき、残り3種類のカードの合計点数が

30点-4点×3枚=18点

になればよいので、たとえば、

5点×2枚+3点×2枚+2点×1枚=18点

のときなどがあります。


「3」が3枚とも表になるとき、残り3種類のカードの合計点数が

30点-3点×3枚=21点

になればよいのですが、残りのカードでつくることができる点数は、高い順に、

5点×2枚+4点×2枚+2点×2枚=22点
5点×2枚+4点×2枚+2点×1枚=20点
5点×2枚+4点×2枚+1点×2枚=20点

となり、21点を作ることができません。


「2」が3枚とも表になるとき、残り3種類のカードの合計点数が

30点-2点×3枚=24点

になればよいので、

5点×2枚+4点×2枚+3点×2枚=24点

のときだけです。


「1」が3枚とも表になるとき、残り3種類のカードの合計点数が

30点-1点×3枚=27点

になればよいのですが、残りのカードでつくることができる最大の点数が

5点×2枚+4点×2枚+3点×2枚=24点

なので、27点を作ることはできません。

答え 2、4、5 




大問2は(1)、(2)が問題のルールに従って計算をする問題、(3)が順序よく調べる問題でした。


2018年度の第1回の算数の受験者平均は73.7点と70%をこえる得点率となっていましたから、(3)は(1)(2)に比べるとやや難しいとはいえ、調べる量がそれほど多いわけではないので、順序よく調べて全問正解を導き出したい問題です。




それでは、もう1問です。




大問4 図の四角柱は、底面の1辺が5cmのひし形で、高さは5cmです。点Mは辺CGを二等分する点、点Pは三角形AFHと直線CEの交わる点、点Qは三角形AFHと直線MEの交わる点、点Rは3点A、P、Qを通る直線と直線FHの交わる点です。FHの長さが6cmで、ひし形ABCDの面積が24cm2のとき、後の問いに答えなさい。

20190606081329.jpg

(1) ACの長さは何cmですか。

(2) FR:RHをもっとも簡単な整数の比で答えなさい。

(3) AP:PRをもっとも簡単な整数の比で答えなさい。

(4) AQ:QRをもっとも簡単な整数の比で答えなさい。

(5) AP:PQ:QRをもっとも簡単な整数の比で答えなさい。

(6) 三角形EPQの面積は何cm2ですか。








【解答例】
(1)
問題の条件から四角形ABCDは次のような図形とわかります。

20190606081407.jpg

上の図より、

AC×6cm×1/2=24cm2 → AC=8cm 


(2)
この四角柱をま上から見た図は、

20190606081436.jpg

ですから、FR:RH=1:1です。


(3)
この四角柱を前から見た図は、

20190606081458.jpg

ですから、AP:PR=AC:RE=2:1です。


(4)
この四角柱をQに着目して前から見ると、

20190606081518.jpg

となります。


AQ:QR=5cm:1.25cm=4:1 


(5)
(3)、(4)でわかったことを連比を使って1つにまとめます。

20190606081551.jpg

上の連比より、AP:PQ:QR=10:2:3です。


(6)
(5)でわかったことを、四角柱を前から見た図に書き込みます。

20190606081612.jpg


上の図より、三角形EPQは三角形AEFの2/15にあたることがわかりますから、

5cm×4cm×1/2×2/15=4/3cm21 1/3cm2

と求められます。








大問4は「立体図形の見方」がマスターできているかが試される問題でした。


立体図形は、見取り図でイメージを出し、展開図や投影図で正確な長さを計算することが解き方の原則です。


本問は親切な見取り図が与えられていましたから、正確な長さを求めることができる向きの投影図を自分で描く力が成否を分けたと思われます。


吉祥女子中学・高等学校の入試問題は、大問5題のうち、大問1が計算問題と一行問題で正確な処理力が問われ、大問2、3がそれらよりもレベルの高い誘導形式の問題、大問4、5が応用問題という構成です。


考え方や解き方を書くことも求められていますから、本校が志望校である場合は、記述力はもちろんのこと、基本レベルの問題を手早く正確に処理できるスピードと、誘導の意図を考えながら問題を順に解いていく力を身につけ、時間内に正解できる問題を増やすことができるような家庭学習に取り組んでいけるといいですね。

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中学入試の算数問題2019年06月15日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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