2013年 中学入試 関東エリア
※2013年 開成中学 入試問題 算数
2013年の関東地方の中学入試もほぼ終わりました。
受験生の皆さんが持てる力が出しきれたことを願ってやみません。
中学入試の最も難しいところは、
「学力を100%発揮する能力」がまだ不安定なところにあります。
それ故に「番狂わせ」といった入試結果が出ることもあります。
ここ2回は灘中の入試問題を見てきましたが、
今回は駆け足で平成25年度の開成中の入試問題をふりかえります。
開成中の算数は60分、85点で例年は大問4題構成です。
今年度は久しぶりに大問3題の構成となりましたが、
大問1は、昨年度の大問1と2がひとつになったくらいの感覚でみても大差のない
「小問集合」でした。
それでも「うわっ、今年は3題だ。ミスできないぞ…。」
というプレッシャーを感じたお子さんもいたことでしょうし、
それによって力を出しきれなかったお子さんもいたかもしれません…。
問題の出題内容は次の通りでした。
1.(1) 消去算(四元一次連立方程式)
(2)数の性質(公約数の利用)
(3)平面図形(円問題と台形の補助線)
(4)平面図形(相似の利用)小問2題
(5)数の性質(概数の範囲)小問2題
2.流水算(小問2題)
3.立体図形(水位の変化とグラフ 小問3題)
小問合計…12題
合格者平均は68.3点(得点率80.3%)、全体平均は53.6点(得点率63.1%)でした。
得点率から計算すると、
12題×0.80=9.6題、12題×0.631=7.572題 ですから、
少なくとも合格者最低ラインは8題です。
試験時間内で正解が難しい問題は、1-(5)②、3-(2)(3)だと思います。
この3題が不正解として残り9題ですから、「ミスが命取り」の入試だったといえそうです。
今年の問題でいえば、3-(2)がキーとなる問題でしょう。
この問題が正解できるということは(3)のグラフ作成も正解できるからです。
3.水槽Aは三角柱の形で、底面は一番長い辺の長さが8mの直角三角形で、高さは9mです。水槽Bは四角柱の形で、底面は2辺の長さが8mと5mの長方形で、高さは9mです。
水槽A、Bは、たて9m、横8mの長方形の面で隣り合っています。下の図のように水槽A、Bの隣り合っている面を取り外して、横8mで高さが変えられる長方形の仕切りを入れました。
初めは2つの水槽は空で、仕切りは9mの高さまで上げられています。
ある時刻から、水槽Aに1分あたり10m3の水を注入口から入れます。それと同時に、仕切りは高さが1分あたり50cmの速さで下がり始め、その高さが0mになったら停止します。
水槽A、Bが水でいっぱいになったら水を入れるのをやめます。
このとき以下の問いに答えなさい。ただし、仕切りや面に厚みはないものとし、仕切りからあふれた水槽の水はただちに隣の水槽に移るものとします。
(1)水槽Aから水槽Bへ水があふれ出すのは、水を入れ始めてから何分後でしょうか。
(2)水槽Aと水槽Bの水面の高さが初めて等しくなるのは、水を入れ始めてから何分後でしょうか。
(3)水を入れ始めてからの時間と水槽Aの水面の高さの関係を表すグラフを解答欄にかきなさい。
「水の問題は前から見た図をかく」が大原則ですね。
ところで、この問題では注水口が下に取り付けられていますが、
水か入るという点では、上から注水するのと同じです。
これはちょっとイヤな感じですね…。
この大原則にしたがうと(1)の図は次のようになります。
つまり、1分間に1/2m下がる仕切りと5/8m上がる水面とが
ぴったり重なった瞬間から水が水槽Bに流れ込むという図です。
ということは、9m÷(1/2+5/8)m/分=8分後 とわかります。
(2)も同じように図をかきます。
「水面の高さが初めて等しくなると仕切りがどうなるのか?」ということは
比較的想像しやすいと思いますが、
1分間に水槽Bへ移る水の量でミスをする可能性があります。
1分間に水槽Bへ移る水は、
注水口からの水と仕切りが下がることであふれだす水の和ですね。
ということは、
16m2×1/2m+10m3=18m3 が1分間で水槽Bへ移る水量です。
水槽Bの水面は、18m3÷40m2=9/20m ずつ1分間に上がりますので、
(1)のとき=仕切りが1/2m×8分=4m下がっていますから、
8分+5m÷(1/2+9/20)m/分=13 5/19分後 です。
(3)は、(2)のあとの水面の変化を考えるだけです。
(2)のときの仕切りは、9m-1/2m×13 5/19分=2 7/19m です
また、満水になるまでの時間は、(16m2+40m2)×9m÷10m3=50.4分 です。
これをグラフにすると、次のようになります。
以上のように、大問3で使う解法は5年生でも学ぶ内容ですね。
このようにみていくと、2013年の開成中の問題のポイントは次のようになります。
1.問題文の条件を塾で学んできたとおりの方法で整理する。
2.「1」によって、自分の力で正確に解くことができる問題を選択する。
「1」は見落としや勘違いによるまちがいを防ぐと同時に、
整理してみると「自分に解ける問題かどうかがわかる」=「2」が可能になるという
効果があります。
今年の難関中の入試問題は開成中に限らず、
「整理を通して自分の持っている解法を選択し、実行する」ことができるかどうかを
問われる傾向にありました。
2014年に受験をするお子さんは、
このことを念頭に置いてこの1年の学習をするとよいのではないかと思います。

