第795回 男子中の入試問題 比と割合 4
「第795回 男子中の入試問題 比と割合 4」
ここまで、2026年度に男子中の入試で出された「比と割合」の問題について考えてます。
今回は「食塩水」の問題を取り扱います。
1問目は基本レベルの問題です。
【問題】あるコップの中に、6%の食塩水300gが入っています。このコップの中に4%の食塩水を何gか入れるところを誤って同じ量の水を入れてしまい、よくかき混ぜたところ、4.5%の食塩水ができました。はじめは何%の食塩水をつくる予定でしたか。
(明治大学付属中野中学校 2026年 第1回 問題2-(2))
【考え方】
食塩水の問題は「塩分数(分子:食塩の重さ、分母:食塩水の重さ、濃さ)」を使って整理することができます。
はじめに、誤って4.5%の食塩水を作ってしまったときの様子を「塩分数」で表します。
このとき、「水」は「濃さが0%」、「食塩を0g含む」のように表します。

(食塩水の重さ)×(濃さ)=(食塩の重さ)を利用します。
ア=300g×6/100=18g
イ=ア+0g=18g
エ×4.5/100=18g → エ=18g÷4.5/100=400g
300g+ウ=400g → ウ=400g-300g=100g

以上から、誤って入れた水の重さが100gとわかりますしたので、予定(4%の食塩水を100g入れる)を「塩分数」を用いて表します。

オ=100g×4/100=4g
カ=18g+オ=18g+4g=22g
キ=300g+100g=400g

?%=22g÷400g×100=5.5%
答え 5.5%
本問は、条件を「塩分数」を用いて整理し、食塩水の3公式を利用する基本レベルの問題です。
もし、正解できないようでしたら、予定と実際をそれぞれ「塩分数」で整理できること、食塩水の3公式を使って計算できることを確認しましょう。
2問目も基本レベルの問題です。
【問題】6%の食塩水と2%の食塩水を混ぜ合わせて3%の食塩水を1000g作るとき、6%の食塩水は何g使いますか。
(逗子開成中学校 2026年 1次 問題2-(2))
【考え方】
はじめに、条件を「塩分数」を使って整理してみます。

食塩水の3公式(食塩水の重さ×濃さ=食塩の重さ)を用いると(ア)の値を1000g×3/100=30gと求めることはできますが、他の空欄を埋めることができません。
そこで、条件を面積図に整理し直します。

右上の面積図において赤色の長方形は面積が等しいので、縦の長さの比と横の長さの比は逆比の関係です。
縦の長さの比 (6%-3%):(3%-2%)=3:1
↓
横の長さの比 □g:■g=1:3
ですから、
□g=1000g×1/(1+3)=250g
です。
答え 250g
本問は、面積図の使い方を確認できる基本レベルの問題です。
食塩水の問題が苦手なようでしたら、はじめに「塩分数」で表して3公式が利用できるかどうかを考え、利用できないときは面積図に整理し直しすという手順で解いてみましょう。
なお、面積図の代わりに天びん図を用いることもできます。

3問目は濃さに関する問題です。
【問題】容器A、B、Cにそれぞれ90g、192g、288gの水が入っています。この容器A、B、Cに食塩をそれぞれ何gずつか入れたところ、容器Aに入っている食塩水の濃さは10%になり、容器Bと容器Cに入っている食塩水の濃さは同じになりました。あとの問いに答えなさい。
問い1 容器Aに入れた食塩は何gですか。
問い2 3つの容器に入っている食塩水をすべて混ぜると5%の食塩水になりました。容器Bにいれた食塩は何gですか。
(東京都市大学付属中学校 2026年 第1回 問題2)
【考え方】
問い1
容器Aについて、「塩分数」を使って整理すると、食塩水の3公式で残りの空欄を求めることができない問題であるとわかります。

そこで、条件を面積図に整理し直します。

縦の長さの比 (10%-0%):(100%-10%)=1:9
↓
横の長さの比 90g:□g=9:1
□g=90g×1÷9=10g
答え 10g
(別解)
天びん図を利用することもできます。

また、線分図に整理する解き方もあります。

水90gが食塩水の
100%-10%=90%=0.9
にあたりますから、食塩水の重さは
90g÷0.9=100g
です。よって、
□g=100g-90g=10g
です。
問い2
容器A、B、Cについて、「塩分数」を使って整理しても、面積図に整理し直しても先に進むことができません。


そこで、前問の別解のように「水」に着目します。
容器A、B、Cの食塩水をすべて混ぜてできた食塩水に含まれる水の重さは
90g+192g+288g=570g
です。

水570gが食塩水の
100%-5%=95%=0.95
にあたりますから、食塩水の重さは
570g÷0.95=600g、
含まれる食塩の重さは
600g-570g=30g
です。
わかったことを、はじめに作った「塩分数」に書き込みます。
また、「容器Bと容器Cに入っている食塩水の濃さは同じになりました」という条件から、容器Bと容器Cをひとまとめにします。

10g+ア=30g → ア=30g-10g=20g
100g+イ=600g → イ=600g-100g=500g
「容器Bと容器Cに入っている食塩水の濃さは同じ」と「容器B、Cにそれぞれ192g、288gの水が入っています」は、次のように表せます。

「水」の部分(長方形)に着目すると、縦の長さが同じで水の重さが
(容器B):(容器C)=192g:288g=2:3
ですから、横の長さも2:3です。

ですから、容器Bに入れた食塩の重さは
20g×2/(2+3)=8g
です。
答え 8g
本問は、食塩水に含まれる水の重さの割合を利用する問題です。
食塩水の問題で用いられる「濃さ」は、特に断りのない限り、食塩水に含まれる食塩の重さの割合を百分率で表したもののことですが、解答例では食塩水に含まれる水の重さの割合(=水の濃さ)とし、(食塩水の重さ)×(水の濃さ)=(水の重さ)を利用しています。
また、「水の濃さが同じ(=食塩水の濃さが同じ)」であるとき、水の重さが2:3であれば、食塩の重さも2:3であると考えられることも大切なポイントです。
なお、「水の重さが2:3だから、食塩の重さも2:3」より、①解法を利用することもできます。

(⑤+580g)×5/100=⑤+10g
①=4g → ②=8g
今回は、2026年度に男子中の入試で出された「食塩水」の問題をご紹介しました。
食塩水の問題が苦手なようでしたら、はじめに「塩分数を使って条件整理 → 食塩水の3公式」の手順で解ける1問目のような基本レベル問題に取り組み、次に面積図や天びん図を利用して解く2問目のような中級レベルの問題を練習しましょう。
その後、3問目のような「濃さ」の意味を利用する問題や、今回はご紹介した問題の中にはありませんでしたが、流れ図を利用する「食塩水のやりとり」などの応用問題に取り組めるといいですね。
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