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場合の数 その1 ~工夫をすると~

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場合の数の練習問題 2011年10月10日18時33分
カンナ!

お元気ですか。


珍しく1行目が片仮名の理由…。
江戸時代中期にやってきた外来種で花カンナとも言われますが、
カンナにはあてる漢字がないんです。

カンナという名前はギリシャ語で「葦」の意味で、姿が似ているからのようです。

この花の大形でとても華やかなところが大好きなんです。

夏には真っ赤な花もあったのですが、この時期に咲いてくれたのは鮮やかな黄色です。

このとなりにまだ花をつけていないカンナがあり、
何色の花を咲かせてくれるのかが楽しみです。
(もっともかなり涼しくなってきたので、今年は咲かないかもしれませんが?)

そんな赤、白、黄色と色々な花が咲くカンナ、どんな順に植えられるのでしょうか?

赤→白→黄色、赤→黄色→白…。

というわけで、今回は「場合の数」です。

「場合の数」と聞いただけで、すぐにでも逃げ出したくなるお子さんも多いのですが、
意外と低学年のお子さんは「得意だよ!」と答えてくれます。

灘中を受験するお子さんでさえも、最後まで最も不安に感じる単元なんですけど。

その違いを一言で表すと、「本当の難しさを知らないだけ」なんですが…。

でも、「得意だよ!」と感じているうちに理解を深めていけば、受験においては有利ですね。

というわけで、低学年向けの問題です。

【問題1】
次の図のように「ア」と「イ」が3本の線で結ばれています。これを一筆書きで「ア」から書きはじめ、「イ」で書きおわるとき、何通りの書き方がありますか。


もし、3年生以上で「一筆書きってなあに?」という質問が返ってきたら、ちょっとピンチかも…。

「場合の数」は特に知識量が物を言う単元です。

さてこの問題は低学年向けですが、高学年のお子さんにも取り組んでもらって下さい。

低学年ならば、「なぞって」答えてもらってOKですが、
5年生以上でしたらもう一工夫欲しいところですが、どうだったでしょうか?

そこで、その工夫の前にもう1問です。
今度は高学年向けです。(もちろん低学年でも正解が可能ですよ!)

【問題2】
1、2、3の3枚のカードがあります。このカードをならべて3けたの整数を作ります。全部で何通りの整数を作ることができますか。

解き方のポイントとレベルは次の5つです。

・小さい順(または大きい順)に書いている
123 132 213 231 312 321

・たてにならべて書いている(または百台ごとにまとめている)
123  213  312
132  231  321

・樹形図を描いている書いている


・樹形図を描き、途中から計算で解いている


2×3=6 6通り

・計算で求めることができている
3×2×1=6 6通り

書き出す場合は順序良く、見やすくがポイントです。
学年や習熟度にもよりますが、計算で求められれば一番良いですね。

式にしてみれば「たいしたことがない」ように見えますが、
この「積の法則」は場合の数の基本なので、これを使えることがとても重要なんです。

では「問題1」にかえって、「問題2がヒントなんだけど、何か工夫できないかな?」と誘ってみましょう。

ここでは、計算が可能なことに気付ければ最高です!

ただし、問題を解くときに計算で解くことがベストとは限りません。
書き出しのほうが勝ることも多々あります。
大切なのは、どちらが有利かを自分の技量から判断して解くことです。

場合の数の難しさは、
・自分なりの「順序のルール」を持っていること
・「一筆書き」のような用語を知っていること
・「書き出しなのか、それとも計算で求めることが可能なのか?」の判断ができる力
・「工夫することが可能」だと見抜く経験と知識
が要求される点だといえます。

では最後に、簡単そうに見えて…、という良問をひとつご紹介します。

【問題3】
次の図で点Pから出発して一筆書きする方法は何通りありますか?
(甲陽学院中 2007 2日目)



問題1の答え(工夫すると)
あ、い、う の3つの道を通る順序を考えます。


3×2×1=6  6通り

問題2の答え

3×2×1=6  6通り

問題3の答え
Pともう1つの交点を結ぶ道が4つあると考えると、問題1と同じように考えて解くことができます。

4×3×2×1=24 24通り
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場合の数の練習問題 2011年10月10日18時33分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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