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2015年 中学受験対策 立体切断2

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図形の練習問題 2014年05月10日18時00分
第181回 「立体切断 2」





今回も「立体切断」の苦手克服がテーマです。


今回ご紹介する問題は、
「2014年度の入試問題は難しくなりますよ」と
学校主催の入試説明会でお話しのあった、
東大寺学園中の立体図形に関する問題です。


「点の移動+立体切断」という問題で、
前回ご紹介したように年々難度の上がる切断の問題のひとつです。


作図力が鍵を握っている難問です。


切断が苦手な原因のひとつは、
切断の作図自体ができないことや
見取り図を書いた後の長さを求められないことにあります。


そのようなお子さんに共通する点は、
「投影図を書かない(または書けない)」です。


今回の問題のようにレベルが高い問題でも、
投影図を用いると正解できます。
チャレンジしてみて下さい。








2014年 東大寺学園中 入試問題 算数


大問5
右の図のようなAB=2cm、AD=3cm、AE=4cmの直方体ABCD-EFGHがあります。このとき、次の問いに答えなさい。

(1)点QがCH上を自由に動くとき、AQをAR:RQ=2:1に分ける点Rが動くことのできる部分の長さは、CHの何倍ですか。

(2)点PはAF上を自由に動き、点Qは点Pの動きと無関係にCH上を自由に動きます。PQをPR:RQ=2:1に分ける点をRとするとき、点Rが動くことのできる範囲は、どのような図形になりますか。最も適切な名称で答えなさい。また、その図形の面積を求めなさい。

(3)①三角すいACFHの体積を求めなさい。ただし、三角すいの体積は(底面積)×(高さ)÷3で求めることができます。
②三角すいACFHと三角すいBDEGの共通部分(どちらの三角すいにも含まれている部分)の体積を求めなさい。

(4)(2)で求めた図形のうち、(3)の②の立体に含まれている部分の面積を求めなさい。








(1)は問題文通りの作図をすれば、正解は難しくありません。


文中の「CH上」という言葉は「点Cと点Hを結んだ直線上」という意味ですね。
見慣れない表現に感じたお子さんは、これを機会に学んでおきましょう。




上の図のように、点Qを少しずつずらしながら、それに合わせて点Rを作図します。


何度かこのような問題を練習すると、
「点Qが頂点Cにあるとき、点Qが頂点Hにあるときの、
2つの場合だけを考えても点Rの動きがわかる」
ようになれます。






上の図から、点Rの動く部分の長さはCHの2/3倍です。


「両端やまん中のような特徴のある場所(点に名前をつけやすい場所)
から考えてみる」という解き方は、
難問を解くときのひとつの大切なとき方です。



(2)を解くのに(1)が誘導になっています。


点PはAB上を動きますが、(1)は「点Pが頂点Aにあるとき」と同じです。


ということは、
「両端やまん中のような特徴のある場所(点に名前をつけやすい場所)から
考えてみる」という解き方から、
次は「点Pが頂点Fにあるとき」を考えることになります。


すると





となりますので、(1)の図と「合成」してみると…、





となります。


点Qが頂点Cにあって、点Pだけを頂点AからFに動かすと…、





点Rは上の図の→ように動きます。


同様に、点Qは頂点F、点Pだけを頂点AからFに動かすと、





という範囲を点Rが動くとわかります。


見取り図を見るかんじでは平行四辺形に見えますが、本当でしょうか…?


見取り図はイメージをわかせるためのもの、
投影図は正しい長さを求めるものです。



ですから「切断問題が苦手」をなくすためには、
「見取り図を書いたら投影図で確認」という作業を
普段の練習ですることが必要なのです。



そこで上の図を手前(下図の赤矢印の向き)から投影してみると、





のようになります。


また、下図のように青矢印の向きから投影してみると、




です。


つまり、




ですから、平行四辺形とわかります。


この立体を右(下図の緑矢印)からみて、




となるので、辺の比と面積比の関係を利用すると、
4cm×2cm×{3×3×2-(2×2+1×1)×2}/(3×3×2)=32/9 cm2
とわかります。


投影すると、
面ABFEや面DCGHと平行な面の中に
平行四辺形ができあがっていることがわかります。


-3
① 問題の三角すいは




です。


直方体の体積から、
頂点がそれぞれB、D、E、Gの4つの三角すいの体積を引けばOKです。


ここでそれぞれの三角すいの底面積と高さを直方体と比べてみると…、





のようになりますから、
三角すいACFH=2cm×3cm×4cm×(1-1/6 × 4)=8cm2
とわかります。


② 三角すいBDGEは下の図の通りです。





これを三角すいACFHと重ねてみると…




となります。


2つの三角すいの重なりを考える問題は、「2回切断」と同じ考え方です。


「2回切断」の作図は、1回目の切断線と2回目の切断線の交点を結びます。


この作業はひとつの面ごとに考えます。

すると、




のように作図ができます。


①のときと同じように「比」で考えると、この問題と下図のは同じになります。





立方体の体積:正八面体の体積=6:1 ですから、②の場合は、2cm×3cm×4cm×1/6=4cm3が求められます。


(2)(3)で見取り図、投影図を書きましたから、
それらを利用して(4)を解きましょう。





前(上図あ)からみると、





のように、

上(う)からみると、





のようになりますから、
右(い)からみると、






です。

ですから求める面積は
上の図のひし形(影のついた部分、赤い点線のひし形:斜線のひし形=2:3…相似比)
の面積なので、
2cm×4cm÷2×(2/3)×(2/3)=16/9 cm2とわかります。




立体切断が苦手な場合は、

0. 見取り図を書く力
1. 相似の計算力
2. 投影図を書く力
3. 投影図でわかった長さを見取り図に書き込む力
4. 切断の3原則を使用する力
5. 2回切断の作図(1回目と2回目の切断線の交点を結ぶ)をする力

の6段階のどこかに理由があります。



それぞれの力について、
塾教材や問題集に掲載されている代表的な問題で
確実になっているかどうかを確認し、
まだ確実ではない部分を強化していきましょう。

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図形の練習問題 2014年05月10日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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