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2017年度中学入試 4 開成中

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中学入試の算数問題2017年02月04日18時00分

「第325回 2017年度中学入試 4」


昨日までに、合格発表が開成中や桜蔭中をはじめとした男女御三家など、
首都圏の多くの中学でありました。


そこで今回はそれらの学校の中から、開成中の入試問題をご紹介します。


開成中の2017年度の算数の配点と結果は以下の通りでした。


【配点】
85点(60分)
【入試結果】
受験者平均 40.1点(前年比+0.4点)
合格者平均 54.8点(前年比+1.1点)


問題の構成は、
昨年2016年に大問1で出題された「題意把握」問題が、
今年度は大問2で出題されました。


今年度は小問(1)の問題文そのものが問題全体を解くためのヒントとなっていましたので、
説明にあたる問題本文と小問(1)を読む精度が大問2の成否を分けたように思われます。


2枚目の大問3、4は
受験勉強で学んだ通りの解き方で正解できる問題でしたので、
大問1を含めたこの3問での失点を少なくすることが
大切な入試だったといえそうです。


そのような開成中の2017年度の問題から、いくつかをご紹介します。


これまでと同様、1問目は新6年生でもチャレンジできる問題です。

20170204165015.jpg









開成中の大問1は、例年、今年同様に小問集合です。


新6年生でも「見たことがある」問題ではないでしょうか。


(1)は「同じ数が入る逆算」ですから、「□=①」とするのが原則です。


この問題では「×1.4」がありますから、
□=⑤あるいは⑩としておくと計算がしやすいですね。

20170204165049.jpg



(2)も「倍数の個数」でおなじみの問題です。


「3でも4でも割り切れない」問題は、
「3や4で割り切れる」問題と調べる範囲は同じです。


はじめは「3でも4でも割り切れない2の倍数」ですから
求める範囲は次の図のようになります。

20170204165124.jpg

1から12までに「2、10」の2個がありますから、
2017個÷12個=168周期あまり1個 → 2個×168周期=336 が答えです。


5の倍数も同じように考えます。

20170204165151.jpg

1から60までに「5、10、25、35、50、55」の6個がありますから、
2017個÷60個=33周期あまり37個 → 6個×33周期+4個=202 が答えです。




開成中のような難関中でも、入試問題には5年生の学習内容を出題しています。


5年生の学習が非常に大切であることがわかると思います。




大問2はとても興味深い問題なのですが、
超長文問題であるためブログでご紹介しきれません。


気になる場合は四谷大塚の入試問題掲載ページ
http://www.yotsuyaotsuka.com/chugaku_kakomon/
などでご覧になって下さい。




大問3は(1)が(2)の誘導となっているのですが、
開成中受験者であれば(1)の誘導無しでも(2)は正解できるでしょうから、
大問3を落とすことはできなかったと思います。




最後の大問4は水に関する問題でした。


この問題が開成中の合否を分ける1問となったのではないかと思っています。


少し難しいのですが、新6年生でも途中まではチャレンジできるのではないでしょうか。

20170204165313.jpg









大問4も大問2ほどではありませんが、長文問題でした。


ただ、テーマが「水を入れた容器の置き方を変える」というポピュラーなものでしたので、
大問2に比べると受験生は題意把握がしやすかったのではないかと思います。




(1) 水問題を整理するときの原則に従い、真正面から見た図を書きます。

20170204165342.jpg

問題を整理した図を見ると、(1)の答えが9/4であることが簡単にわかります。


(2) 問題の指示にある「イとエの長さの差」がわかるのは、(1)と同じ向きから見た図です。
(1)の図にわかったことを書き加えると次のようになり、
答えの 1cm短い を求めることができます。

20170204165415.jpg

(1)が(2)の誘導となっていましたので、
ここまでは比較的容易に正解できるのではないかと思います。


(3) ここまできますと
「アの長さ」も
「先ほどの図にわかったことを書き込むことで解けるのでは?」
と思えてくるでしょう。

20170204165444.jpg

水問題のもうひとつの原則、
「空気の部分に着目する」が思い出せると、
上の図のように「相似」を発見することができます。

20170204165531.jpg



(4) わかっていることを(1)の図に書き込んで、整理してみます。

20170204165549.jpg

分数の少ない右図(水量=9)の方が計算しやすそうです。

20170204165613.jpg



(5) 少し厄介です。


別解の解き方ができれば、それが一番楽そうです。


ですが少し「方程式」っぽいので、工夫をしてみます。

20170204165640.jpg

水の量を2倍にすると、どちらも直方体にでき、上の図のようにカの長さを求めることができます。

20170204165702.jpg



カの長さがわかれば、あとは相似や面積を利用して解くことができます。

20170204165722.jpg



(5)は、(1)~(4)とは解き方がつながっておらず、難問といえそうです。




今年の開成中の問題は、大問2が非常に長い文章でしたから、
受験生は大問1、3、4を解きにかかっただろうと想像できます。


その大問1、3、4は、大問4-(5)を除くと、
塾で5~6年生の間に学んだ解き方を用います。


新6年生で、5年生内容に苦手な単元や問題があるようでしたら、
春休みなどを利用して、できるだけ早期に攻略しておくことが
大切だといえそうです。

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中学入試の算数問題2017年02月04日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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