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第380回 2018年度中学入試の速さ 1

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速さの練習問題2018年02月24日18時00分

「第380回 2018年度中学入試の速さ 1」


前回まで、2018年度の中学入試から平面図形の問題をご紹介してきました。


今回からは、
「知識」と「条件整理力」が必要となる「速さ」の問題について
みていこうと思います。


はじめにご紹介するのは、御三家の武蔵中の問題です。


本問は5年生のときに学んだ「比と割合」、「通過算」が
実戦レベルで使えるかを確認することができますので、
新6年生は挑戦してみてください。




2018年度 武蔵中 入試問題 算数より 

問題2 おもちゃの列車を走らせる円形のコースがあります。ただし、コースの一部は長さ69cmのトンネルになっています。同じ長さの列車を何両かつなげて、このコースを走らせるときに、列車の一部または全部が見えている時間を「見える時間」と呼び、列車がトンネル内にあって、まったく見えない時間を「見えない時間」と呼ぶことにします。列車3両をつなげて走らせると、見える時間41秒と見えない時間7秒を繰り返します。また、列車を5両つなげて走らせると、見える時間は44秒になります。列車の速さは一定で、何両つなげても速さは変わりません。列車の速さは毎秒何mですか。また、列車1両の長さとコースの全長はそれぞれ何cmですか。








通過算の問題です。


速さの基本的な知識のほかに通過算に必要な知識は、

(1) 通過算は「お絵かき算」である
(2) 列車の「1点の動き」に着目する 

の2つです。


これらの知識をもとにして、問題の条件を「絵」にしていきます。


コースは「円形」ですが、
何周もするわけではありませんから「直線」で表した方が条件を書きやすいでしょう。

20180223152857.jpg

「1点の動き」については、
絵の最後の部分=コースを1周し終えたときに
「列車の最後尾とトンネルが接しています」ので、
「列車の最後尾」に着目すると、図が読み取りやすくなります。


通過算の絵は「線分図」と同じですから、
「→が表す距離」に着目します。


すると、次の2つのことが読み取れます。

20180223152936.jpg

①から 列車の速さ×7秒=69cm-列車3両の長さ、
②から 列車の速さ×3秒=列車2両の長さ
とわかりますので、
(69cm-列車3両の長さ):(列車2両の長さ)=7:3 です。


この比例式を計算すると、列車1両の長さ=9cm を求めることができます。
(列車の速さ×21秒でそろえる消去算で解いてもOKです)


列車1両の長さがわかりましたので、あとは芋づる式に計算ができます。


列車の速さ=9cm×2両÷3秒=毎秒6cm 

コースの全長=6cm/秒×(7秒+41秒)=288cm 




通過算の基本的な解き方である
「絵を描く → 1点着目 → 矢印の表す長さ」
の通りに進めていくと、
正解を導き出せる問題でした。






もう1問、ご紹介します。


女子御三家レベルの難易度である豊島岡女子学園中の問題です。




2018年度 豊島岡女子学園中 第1回 入試問題 算数より 

問題4 家と公園の間に図書館があります。AさんとBさんが家から公園までそれぞれ一定の速さで歩きます。Aさんは、家から公園まで20分かかります。Aさんが家から図書館まで歩くのにかかった時間と、Bさんが図書館から公園まで歩くのにかかった時間の合計は22分です。また、Bさんが家から図書館まで歩くのにかかった時間と、Aさんが図書館から公園まで歩くのにかかった時間の合計は23分です。このとき、次の各問いに答えなさい。

20180223153049.jpg

(1) Bさんが家から公園まで歩くのにかかった時間は何分ですか。
(2) Aさんが家から図書館まで歩くのにかかった時間は何分ですか。
(3) AさんとBさんが家を同時に出発し、また同時にCさんが分速360mで走る車で公園を出発し家に向かいました。また、BさんはAさんとCさんが出会った地点を、AさんとCさんが出会ってから1分後に通過しました。家から公園までの距離は何kmですか。








時間条件しかありませんので、ダイヤグラムに整理します。

20180223153116.jpg

このままでも解くことはできますが、
条件が読み取りにくいと感じるようでしたら、
線分図に書き換えてみましょう。  

20180223153137.jpg

この線分図を見ると、
Bが家から公園まで歩くのにかかる時間が、
22分+23分-20分=25 ...(1)の答え とわかります。


(1)から、家から公園まで歩くのにかかる時間の比が、
A:B=20分:25分=4:5 とわかりますから、
上の線分図は次のように書き換えられます。

20180223153222.jpg

あとは消去算を使って、①分=3分、1□分=2分 が求められますので、
(2)の答えは3分×4=12 とわかります。


(3) 
線分図に表すと次のようになります。  

20180223153252.jpg

(3)はこの図から解くこともできますが、
手が止まってしまうようでしたら、
再びダイヤグラムに戻って考えてみましょう。  

20180223153327.jpg

ダイヤグラムを見ると「相似」があります。  

20180223153355.jpg

図より、ア:イ=4:1 なので、
Aは出発して4分後にCと出会ったことがわかります。


360m/分×4分×5/4=1800m=1.8km 




(3)は線分図から解くこともできますし、
「時間条件が多いときはダイヤグラムに整理する」
という原則に従えば、正解も難しくはないでしょう。






今回ご紹介した2問は、
武蔵中の問題は「速さ+比例式(または消去算)」、
豊島岡女子学園中の問題も前半は「速さ+消去算」のように、
「速さの3公式」や「速さと比の関係」の知識だけでなく、
条件整理を通して「比例式」や「消去算」を用いて解く問題でした。


「知識+条件整理力」が問われる問題は今後も出され続けるでしょうから、
「速さの3公式」や「速さと比の関係」、
「旅人算・通過算・流水算・時計算の基本」がマスターできたら、
線分図やダイヤグラムの書き方、読み取り方を強化して、
難関中の問題でも正解できるようになれるといいですね。

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速さの練習問題2018年02月24日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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