中学受験情報局『かしこい塾の使い方』 -> 主任相談員の中学受験ブログ -> 前田昌宏の中学受験が楽しくなる算数塾 -> 場合の数の練習問題 ->第391回 2018年度中学入試の場合の数 1

第391回 2018年度中学入試の場合の数 1

このエントリーをはてなブックマークに追加
場合の数の練習問題2018年05月12日18時00分

「第391回 2018年度中学入試の場合の数 1」


前回まで、2018年度の中学入試で出された「立体図形」の問題について見てきました。


今回からは「場合の数」の問題を見ていこうと思います。


1回目は「順列と組み合わせ」がテーマです。「順列と組み合わせ」にもいろいろな問題がありますが、今回は「となり合う」をテーマにした問題を取り扱っていきます。


1問目の出題校は、首都圏の男子御三家の開成中学校です。




2018年度 開成中学校 入試問題 算数より 

問題1-(2) 赤球、青球、黄球が2個ずつ6個あります。同じ色の球がとなり合わないように6個すべてを左から右ヘー列に並べます。このような並べ方は何通りあるか求めなさい。ただし、同じ色の球は区別しないことにします。








【解答例】
樹形図をかいて解いてみましょう。


樹形図をかくとき「赤」「青」「黄」と漢字を書くのはちょっと大変ですが、代わりに○、×、△を使うと楽になります。


また、「きれいな木の形」にしようとすると「樹形図が見にくくなって、数え間違えてしまう」ような場合は、下の図のような書き方を試してみましょう。

20180503163201.jpg


上の図から、「青(×)」「黄(△)」が一番左側にくるときも同じとわかりますので、10通り×3=30通り が答えです。






ではこの問題を計算で解くとどうなるのでしょうか。


「となり合う2つは、あらかじめくっつけて1組として考える」が、「となり合う問題」のテクニックです。


そこで、○と○、×と×、△と△がとなり合う場合をベン図で表すと次のようになりますから、問題の答えは図の斜線部分です。

20180503163234.jpg


○と○がとなり合う場合は○と○を組にしておくと「(○○)、×、×、△、△」の5つを並べることになりますから、5C1×4C2=30通り です。


そのうち、×と×もとなり合っている場合は「(○○)、(××)、△、△」の4つを並べるときですから、4C2×2=12通り あります。


さらに、○と○、△と△、×と×がそれぞれとなり合っている場合は「(○○)、(××)、(△△)」の3つを並べることになりますので、3!=6通り です。


このように、すくなくとも1色がとなり合う場合が30通りずつ、2色以上がとなり合う場合が12通りずつ、3色ともとなり合う場合が6通りあります。


ですから「となり合っている」場合は、ベン図の計算方法より、30通り×3-12通り×3+6通り=60通り と求められます。


「○、○、×、×、△、△」の6つの並べ方は 6C2×4C2=90通り ありますので、答えは90通り-60通り=30通り です。




このように計算してみると、この問題は樹形図をかいて解く方が、安全でしかも速そうですね。







では、もう1問、「となり合う」がテーマの問題を見てみましょう。


2問目の出題校も同じく首都圏の男子御三家、麻布中学校です。




2018年度 麻布中学校 入試問題 算数より 

問題3 2つの記号○、×を並べてできる列のうち、次の条件にあてはまるものを考えます。

(条件)○が3つ以上連続して並ぶことはない。

例えば、○○×○○はこの条件にあてはまりますが、○×○○○××は条件にあてはまりません。次の問いに答えなさい。

(1) ○、×を合わせて14個並べるとき、×の個数が最も少なくなる列を1つ書きなさい。

(2) ○、×を合わせて13個並べるとき、×の個数が最も少なくなる列は全部で何通り考えられますか。

(3) ○、×を合わせて12個並べるとき、×の個数が最も少なくなる列は全部で何通り考えられますか。








【解答例】
(1)
○○×○○×○○×○○×○○


(2) 
(1)を参考にすると、並べ方の1つに「○○×○○×○○×○○×○」がありますから、「×の個数が最も少なくなる」のは、×の個数が4個のときとわかります。


ということは、「(  )×(  )×(  )×(  )×(  )」の(  )の中に、「○○」または「○」を書けばよいということになります。


「○○」は4組、「○」は1個ありますから、答えは 5C15通り です。


(3) 
(2)と同じように考えると、並べ方の1つに「○○×○○×○○×○○×」がありますから、「(  )×(  )×(  )×(  )×(  )」の(  )の中に、「○○」を4組書いて1つの(  )が空欄になる場合と、「○○」を3組と「○」を2個書く場合の、2つの場合があることがわかります。


「○○」4組と空欄1つの場合...5C1=5通り
「○○」3組と「○」2個の場合...5C2=10通り 
5通り+10通り=15通り 




この問題の場合、(2)も(3)も答えが小さい値ですから、樹形図でも答えがだせそうです。


ただ、順序よく丁寧に書かないと、○や×を12~13個も書くので見づらくなるかも知れませんので、計算で解くことができれば理想的です。






今回は、2018年度の中学入試に出題された「場合の数」の1回目として、「となり合う」がテーマの問題を2問ご紹介しました。


いずれの問題も、樹形図や計算で解くことはできますが、安全かつスピーディーに正解を導き出すのに「最適な解き方」を選ぶことができれば、制限時間があるテストでも困らなかったのではないかと思います。


ゴールデンウィークも終り、夏休みまでのしばらくは、「まとまった時間」をとって弱点補強や強点強化をする機会は難しいかも知れませんので、塾などで学んだそのときに、「最適な解き方」を身につけることができるといいですね。

mflog.GIF

このエントリーをはてなブックマークに追加
場合の数の練習問題2018年05月12日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
Copyright (c) 2008- 中学受験情報局『かしこい塾の使い方』 All rights reserved.