中学受験情報局『かしこい塾の使い方』 -> 主任相談員の中学受験ブログ -> 前田昌宏の中学受験が楽しくなる算数塾 -> 割合の練習問題 ->第418回 冬期講習の学習 1

第418回 冬期講習の学習 1

このエントリーをはてなブックマークに追加
割合の練習問題2018年11月17日18時00分

「第418回 冬期講習の学習 1」


今回からは、5年生が冬期講習で学ぶ内容について見ていこうと思います。


一般に、大手進学塾の冬期講習では、主にこれまでに学んだことの復習や6年生に向けての発展学習などが計画されています。


一例をあげると、首都圏の大手進学塾であるサピックスの場合、算数のカリキュラムは次のようになっています。

20181109095014.jpg
(タイトルはサピックス ホームページより)


上記、サピックスの冬期講習カリキュラムを見ると、夏期講習から12月までに学んだことの復習以外にも、その発展学習と新しく学ぶ内容が盛り込まれています。


ということは、もし、「2学期でわからなかったことは冬期講習でおさらいできる」と考えて、準備することなく冬期講習を受けると、「わからないことがさらに増える」危険性があるということです。


ですから、苦手な単元や理解が十分でなかった単元がある場合は早めに冬期講習のカリキュラムをチェックし、冬期講習が始まるまでの約1ヶ月の間に家庭学習で復習しておくことが必要となってきます。


では、どのような発展学習や新しいことを学ぶのかを、サピックスの冬期講習教材「ウィンターサポート」(過年度版)を用いて、実際の問題で見てみましょう。


まずは、第1回の「割合に関する問題」からです。




(D問題より)
ある食料品店では、毎日決まった数の卵を仕入れて、1個30円で売っています。昨日は仕入れた卵のうち、くさって売れない卵が10%あり、利益は600円でした。今日は売れない卵が8%でしたので、利益は780円になりました。次の問いに答えなさい。

(1) 仕入れた卵は何個ですか。

(2) 仕入れ値は1個何円ですか。








【解答例】
売買損益算は大きく分けると、① 1個売り、② 多数売り の2つのパターンがあります。


本問のように「多数売り」の問題を解くときは、表に整理すると問題の条件がはっきりし、解くための方針も立てやすくなります。

20181109095120.jpg


問題の条件を整理したら、わかることを表に書き加えていきます。

20181109095140.jpg


利益は売上と仕入の差ですから、線分図を用いると次のように表すことができます。

20181109095203.jpg


上の線分図より、

60 〇=180円 → ①=3円 

2700 〇=8100円 

とわかりますので、

8100円÷30円=270個 

が昨日売れた卵の個数です。


したがって、仕入れた個数は 

270個÷0.9=300 

と(1)の答えが求められます。


さらに、

8100円-600円=7500円 

が仕入れ合計ですから、

7500円÷300個=25 

のようにして、(2)の答えも求めることができます。




(別解)
上の線分図で、

780円-600円=180円 

が、3個分の売上の差であることに着目すると、

180円÷30円=6個 

が、昨日と今日で売れた卵の個数の差だとわかります。


これが仕入れた個数の 

92%-90%=2% 

にあたりますので、

6個÷0.02=300個 

のようにして、(1)の答えを求めることもできます。





本問は、夏期講習No.11「比と割合(3)」で学んだ内容の発展学習です。


サピックスの5年生の場合、売買損益算はこの夏期講習No.11で取り扱って以来ですから、売買損益算が苦手だという場合は夏期講習教材「サマーサポート」などであらかじめ復習をしておくことが大切です。





では、もうひとつの発展学習、相当算ではどのような問題を学ぶのでしょうか。




(E問題より)
ある人が京都と奈良を旅行しました。京都では持っているお金の1/3を使い、残金が少なくなったので銀行から2万円を引き出して加え、奈良ではそのときに持っていたお金の8割を使いました。京都、奈良で使ったお金の合計は146000円です。この人が最初、京都で持っていたお金は何円ですか。








【解答例】
相当算は、線分図を利用すると問題の条件がはっきりします。

20181109095406.jpg


上の線分図より、

②+20000円=5 □ 

①+4 □=146000円 

という関係が見つかります。


単元としては「相当算」となっていますが、問題を整理してみると「消去算」として解けることがわかります。


以下、計算をすると、

①=50000円(1 □=24000円) 

とわかりますので、京都で持っていたお金は、

③=150000 

です。

※ ①+(②+20000円)×4/5=146000円 という式を作って、相当算で求めることもできます。




本問を相当算として解く場合も、消去算として解く場合も、問題の条件を正しく理解することが必要ですから、線分図に表す力が大切になります。


2学期に相当算を学んだとき、「完璧には理解できなかった」、「問題によっては線分図が書けなかった」というようでしたら、「デイリーサポート」No.21(過年度版)などを使っておさらいをしておくとよいでしょう。






今回は、5年生が冬期講習で学ぶ2学期までの復習内容と発展学習について、サピックスの冬期講習を例に、その第1回「割合に関する問題」を見てきました。


夏期講習もそうでしたが、大手進学塾の講習会は「これまでの復習オンリー」というカリキュラムにはなっていません。


発展的な内容と新しい単元の学習が組み合わされています。


この講習会が終われば6年生の学習まで1ヶ月もありませんから、冬期講習の学習を完璧に身につけることは、5年生にとってとても大切だといえます。


ですから、苦手な単元がある場合は冬期講習が始まるまでに復習をすませ、6年生の学習につなぐことのできる冬休みにできればいいなと思います。

mflog.GIF

このエントリーをはてなブックマークに追加
割合の練習問題2018年11月17日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
Copyright (c) 2008- 中学受験情報局『かしこい塾の使い方』 All rights reserved.