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第443回 人気中学校の入試問題 2 ~鷗友学園女子中学校~

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中学入試の算数問題2019年05月11日18時00分

「第443回 人気中学校の入試問題 2 ~鷗友学園女子中学校~」


首都圏で人気のある学校の問題をご紹介しています。


第2回目の今回は鷗友学園女子中学校です。


理系の学部への進学実績が高いことなどから人気の高い鷗友学園女子中学校の2019年度の入試状況は次の通りです。

20190507090929.jpg


上記のように、受験者平均と合格者平均の点数の差を科目別に見てみると、算数で差がつきやすい入試になっていることがわかります。


では、実際の入試問題を見てみましょう。






2019年度 鷗友学園女子中学校 第1回入試問題 算数より 

大問4 図の平行四辺形ABCDは、AE:EF:FB=3:1:2、AG:GD=3:2です。

20190507091004.jpg
(1) FH:HI:IDを、最も簡単な整数の比で表しなさい。

(2) 平行四辺形ABCDの面積が70cm2のとき、四角形AEHIの面積を求めなさい。








【解答例】
(1)
「魔女の帽子」問題なので、次のように2組の相似形を取り出します。

20190507091051.jpg


上の図より、FH:HI:ID=5:9:21とわかります。


(2) 
(1)で取り出した2組の相似形を利用すると隣辺比で計算ができます。

20190507091114.jpg


上の図より、17.5cm2-9cm28.5cm2 






鷗友学園女子中学校で頻出の「平行四辺形と三角形の相似」の問題でしたから、鷗友学園女子中学校が志望校の受験生は十分に準備をしていたと思います。


しかし、(1)は合格者と不合格者で大きな差はつかなかったのですが、(2)が合格者の約65%が正解したのに対し、不合格者は半分の約33%しか正解できませんでした。


(2)の配点は9点でしたから、この問題が合否に大きく影響しているといえそうです。


大問4の問題文を読むと「G」という記号は出てきませんから、「点G」や「線分EG(直線EG)」を図から消し去ると図がシンプルになり、解く方針を立てやすくすることができます。


「問題に不要な点や線のない図をかく」という平面図形の学習方法が大切なことがわかる1問でした。




では、もう1問です。






大問6 ある水そうに毎分一定の割合で水を入れていきます。水は入れ続けたままで、その水そうがいっぱいになったときに何台かのポンプを使って水そうの水が空になるまでくみ出します。6台のポンプで水をくみ出すと8分で水そうは空になります。また、9台のポンプで水をくみ出すと4分で水そうは空になります。ただし、どのポンプも一定の割合で水をくみ出し、その割合はすべて等しいものとします。

(1) 1分間に入れる水の量は、ポンプ1台が1分間にくみ出す量の何倍ですか。

(2) 12台のポンプでくみ出すと何分何秒で水そうは空になりますか。








【解答例】
(1)
水そうの容積を、空にするのにかかる時間(8分、4分)の最小公倍数⑧とします。

20190507091209.jpg


⑧÷8分=①...6台のポンプが1分間にくみ出す水の量-1分間に水そうに入る水の量

⑧÷4分=②...9台のポンプが1分間にくみ出す水の量-1分間に水そうに入る水の量

②-①=①...9台-6台=3台のポンプが1分間にくみ出す水の量

6台のポンプが1分間にくみ出す水の量は

①×2=②

なので、

②-1分間に水そうに入る水の量=①

より

1分間に水そうに入る水の量=①とわかります。

ポンプ1台が1分間にくみ出す水の量は

①÷3台=1/3〇

なので、

①÷1/3〇=3 


(2)
1分間に①の水を水そうに入れながら12台のポンプが1分間に

0.3〇×12台=④

の水をくみ出すので、1分間に減る水そうの水の量は③です。

⑧÷(④/分-①/分)=2分40 






大問6-(1)は、合格者の約88%が正解したのに対し、不合格者の正解は約44%と半分でした。


また(2)は、合格者の約91%が正解したのに対し、不合格者の正解は約40%と大きな差となっています。




大問6のニュートン算は「苦手な文章題」の上位にランキングされる問題ですが、本問はニュートン算の基本パターンですから人気中学校である鷗友学園女子中学校に合格するためには正解が絶対条件でしょう。


(1)(2)あわせて15点の配点ですから、この問題も合否を左右する問題であったといえます。






2019年度の鷗友学園女子中学校の第1回の試験は、算数の合格者平均と受験者平均が14.5点と大きく差のついた結果となっています。


その中でも、配点が9点ある大問4-(2)、配点が15点ある大問6は、合格者の正解率が不合格者のおよそ2倍となっていました。


しかしながら、実際の問題を見てみるとそれらは決して超難問だったわけではなく、定番ともいえる「魔女の帽子(平面図形)」やニュートン算の基本パターンでしたから、塾の基幹講座の教材で十分に準備が可能な問題でした。


ですから、人気中学校である鷗友学園女子中学校を志望校の1校としている場合は、塾の基幹講座の教材に出てくるような定番の問題の正解を増やし、総復習や志望校別対策授業の準備となる夏期講習が始まるまでに、基礎学力を高める家庭学習ができればいいなと思います。

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中学入試の算数問題2019年05月11日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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