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第532回 共学校の比と割合 3

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割合の練習問題 2021年01月23日18時00分

「第532回 共学校の比と割合 3」


2020年度に行われた中学入試の中から、男女共学校で出された「比と割合」の問題について見てきています。


今回は、売買算の問題を取り扱います。


1問目は、基本レベルの売買算の問題です。




【問題】
ある品物を、定価の1割引きで売ると300円の利益があり、定価の2割5分引きで売ると150円の損になります。この品物の仕入れ値は何円ですか。

(法政大学中学校 2020年 問題2-(6) 問題文一部変更)








【考え方】
個数が1個の売買算には、線分図や比を利用した整理方法があります。


今回は、線分図を利用してみます。

20210118120207.jpg

上の線分図より、定価の1割と2割5分の差が300円+150円=450円とわかりますので、

(300円+150円)÷(0.25-0.1)=3000円

が定価です。


ですから、仕入れ値は

3000円×(1-0.1)-300円=2400円
または
3000円×(1-0.25)+150円=2400円

とわかります。

答え 2400円






本問は、

原価(仕入れ値)+予定していた利益=定価

売価-原価=利益

原価-売価=損失

という、売買算の基本が理解できているかが確認できる問題です。


売買算で使われる「用語」は小学生にとって馴染みのないことが多いと思いますので、苦手だなと思われるときは、線分図などで用語とその関係を理解するようにしましょう。


20210118120354.jpg






では、2問目です。




【問題】
S商店では、ある商品を何個か仕入れて2割の利益を見込んで定価をつけて販売していました。ところが、売れ行きがよくなかったので、仕入れた個数のちょうど80%が売れたところから、定価の25%引きで売ることにしました。残りの商品がすべて売れれば、利益が21000円となる予定でしたが、5個売れ残って捨てたので、利益は18300円でした。

(1) 値引きした後の売り値は1個いくらですか。

(2) この商品の仕入れ値は1個いくらですか。

(3) この商品は全部で何個仕入れましたか。

(成蹊中学校 2020年 問題4)








【考え方】
個数が2個以上の売買算では、「ネコの毛を限定販売」という語呂合わせで覚えることができる表に整理してわかることを書き込んでいくことが、解き方の基本です。

20210118122127.jpg


(1)
金額に関する条件は、予定していた利益の21000円と実際の利益の18300円がありますので、これについて線分図で考えてみきます。

20210118120435.jpg

上の線分図から、「利益の差=5個分の売り上げ」ということがわかります。


つまり、値引きした後の売り値×5個=21000円-18300円ということですから、

(21000円-18300円)÷5個=540円

が値引きした後の売り値です。

答え 540円


(2)
(1)でわかったことを表に書き込んでいきます。

20210118120510.jpg

上の表より、定価×(1-0.25)=540円とわかりますから、

540円÷(1-0.25)=720円

が定価です。


また、原価×(1+0.2)=定価ですから、

720円÷(1+0.2)=600円

が原価(1個の仕入れ値)です。

答え 600円


(3)
(2)でわかったことも表に書き込みます。

20210118120545.jpg

上の表で、720円で売れた個数が仕入れた個数の80%ですから、540円で売れた個数は仕入れた個数の20%です。


ここからは、2つの解き方があります。


(解き方①…個数を仮定する)
仕入れた個数を10個と仮定すると、720円で売れた個数は8個、540円で売れた個数は2個ですから、このときの利益は、

(720円×8個+540円×2個)-600円×10個=840円

です。


予定していた利益は

21000円÷840円=25倍

ですから、仕入れた個数も25倍の

10個×25=250個

と求められます。

答え 250個




(解き方②…比を利用する)
わかっていることを比で表します。

20210118120637.jpg

「利益=売り上げ-仕入れ」ですから、

(48+9)-50=7

です。


これが21000円にあたりますので、

21000円÷7×50=150000円 … 仕入れ

150000円÷600円=250個

のようにして仕入れた個数が求められます。

答え 250個







本問は、(1)を正解することができれば(2)、(3)の正解も可能ですから、点数のつきやすい問題だといえます。


ポイントは、「売れ残らなければ~」と考える点です。


このとき、(1)の線分図からもわかるように、「売れ残りがなくなることで増える売り上げ=増える利益」であることに注意しましょう。


20210118120759.jpg





今回は、2020年度の中学入試で出された売買算の問題について考えました。


売買算の学習は、「1個売り」の問題で「原価・定価・売価・利益」などの用語とその関係を理解し、その後、「多数売り(個数が2個以上)」の問題演習で整理方法を身につけるというように、2段階に分けてステップアップしていくことになります。


ですから、売買算が苦手な場合は、用語、多数売りの条件の整理方法に十分でない点がないかチェックしてみるとよいと思います。

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割合の練習問題 / 中学入試の算数問題 2021年01月23日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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