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第651回 女子中の入試問題 平面図形 4

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図形の練習問題 2023年12月30日18時00分

「第651回 女子中の入試問題 平面図形 4」

これまで、2023年度に女子中で出された「平面図形」の問題について考えています。

今回は「辺の比と面積比」がテーマの問題を見ていきます。

 

1問目は基本レベルの問題です。

既習であれば、5年生でもチャレンジしてみましょう。

 

【問題】下の図において、ABとEFとCDがすべて平行であるとき、x、yの値を求めなさい。

(晃華学園中学校 2023年 問題1-(5))

 

【考え方】

ABとCDが平行なので、三角形ABEと三角形DCEは相似です。

ですから、

AE:DE=AB:DC=4㎝:8㎝=1:2

です。

また、ABとEFが平行なので、三角形ABDと三角形EFDは相似です。

AE:DE=1:2

ですから、

BF:DF=1:2

です。

4㎝:x㎝=1:2 → x=8(㎝)

さらに、

AD:ED=(1+2):2=3:2

ですから、

AB:EF=3:2

です。

4㎝:y㎝=3:2 → y=8/3(㎝)

答え x 8、 y 8/3(2 2/3)

 

本問は、相似の基本が確認できる問題です。

正解できなかったときは、すぐに相似の基本問題で復習をしましょう。

 

2問目も大切な基本問題です。

 

【問題】正方形の折り紙を、下の図のように、辺とAが重なるように折りました。DF:FCを最も簡単な整数の比で表しなさい。

(洗足学園中学校 2023年 問題2-(2))

 

【考え方】

直角三角形の直角以外の2つの角に○、×をつけると、三角形の内角の和は180度より

○+×=90度

です。

また、向かい合う角(対頂角)は等しいことより、3つの直角三角形の角は図のようになります。

よって、三角形AGHと三角形EAIと三角形EFDは相似で、その3辺の比は3:4:5です。

また、四角形HGFIは四角形BGFCを折り返したものですから、

HG=BG=8㎝

HI=BC=AB=18㎝

です。

AI=18㎝-6㎝=12㎝=④ → ①=3㎝

EA=3㎝×5=15㎝

ED=18㎝-15㎝=3㎝=3□ → 1□=1㎝

DF=1㎝×4=4㎝

よって、

FC=18㎝-4㎝=14㎝

ですから、

DF:FC=4㎝:14㎝=2:7

です。

答え 2:7

 

本問は、折り返し(合同)と相似の基本が確認できる問題です。

前問と同様に定番の重要問題ですから、もし、まちがえてしまったときは、すぐに類題で復習をしましょう。

 

3問目は、大問形式の問題です。

 

【問題】図の長方形ABCDで、点E、Fは辺ADを3等分した点であり、点G、H、Iは辺BCを4等分した点です。このとき、次の問いに答えなさい。

(1)GJ:JFを、もっとも簡単な整数の比で答えなさい。

(2)GJ:JK:KFを、もっとも簡単な整数の比で答えなさい。

(3)三角形GJHの面積と三角形EKFの面積の比を、もっとも簡単な整数の比で答えなさい。

(田園調布学園中等部 2023年 問題2)

 

【考え方】

(1)

点Jをかくために必要な線だけの図にします。

三角形GJHと三角形FJAは相似で、相似比は

GH:FA=6㎝:16㎝=3:8

です。

よって、GJ:JFも3:8です。

答え 3:8

 

(2)

相似な三角形GKIと三角形FKEに着目すると

GI:FE=12㎝:8㎝=3:2

なので、GK:KFも3:2です。

(1)で求めたGJ:JF=3:8と、いま求めたGK:KF=3:2を比合わせします。

よって、

GJ:JK:KF=15:(55-15-22):22=15:18:22

です。

 

(3)

点Hと点F、点Eと点Gを直線で結びます。

三角形GJHの面積は三角形GFHの3/(3+8)=3/11なので、

6㎝×11㎝÷2×3/11=9㎠

です。

三角形EKFの面積は三角形EGFの2/(3+2)=2/5なので、

8㎝×11㎝÷2×2/5=17.6㎠

です。

よって、三角形GJHの面積と三角形EKFの面積の比は

9㎠:17.6㎠=45:88

です。

答え 45:88

 

本問の(1)、(2)は、2組の相似な三角形と辺の比の基本が確認できる、これも大切な問題です。

少し難しい(3)については、解答例の他に、角JGHと角KFEが等しいことに着目して(2)の結果を利用する解き方もあります。

 

 

次が、今回の最後の問題です。

 

【問題】下の図のような平行四辺形ABCDがあります。辺AB、BC、CDを3等分、辺ADを5等分する点をとります。平行四辺形ABCDの面積が450㎠のとき、斜線部分の面積は何㎠ですか。

(淑徳与野中学校 2023年 問題2-(2) 問題文一部変更)

 

【考え方】

斜線部分は面積公式のない図形ですから、「分ける」または「全体から引く」が解き方の基本です。

ここでは、斜線部分以外の図形が三角形なので、平行四辺形から4つの三角形を引いていくことにします。

はじめに、頂点Aを含む三角形に着目します。

三角形AEFと三角形ABDは角Aが共通ですから、面積比は角Aをはさむ2辺の積の比と同じです。

(三角形AEFの面積):(三角形ABDの面積)

=(AE×AF):(AB×AD)

=(2×1):(3×5)

=2:15

(450㎠÷2)×2/15=30㎠ … 三角形AEFの面積

残りの3つの三角形についても同様にして面積を求めます。

(450㎠÷2)×(1×2)/(3×3)=50㎠ … 頂点Bを含む三角形の面積

(450㎠÷2)×(1×2)/(3×3)=50㎠ … 頂点Cを含む三角形の面積

(450㎠÷2)×(1×2)/(3×5)=30㎠ … 頂点Dを含む三角形の面積

450㎠-(30㎠×2+50㎠×2)=290㎠

答え 290㎠

 

本問は、1つの角が共通な三角形の面積比について確認できる問題です。

さらに、平行四辺形を対角線で2つに分けて三角形を作るという点も重要です。

 

今回は、2023年度の女子中の入試で出された「辺の比と面積比」がテーマの問題から、基本であり、しかも重要な4つの問題をご紹介しました。

この単元を習い終えている場合、これらの重要な問題の中で解けない問題があったときは、できるだけ早急に類題で確認をしておきましょう。

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図形の練習問題 / 中学入試の算数問題 2023年12月30日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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