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第409回 「速さ」の勉強方法 3

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速さの練習問題2018年09月15日18時00分

「第409回 『速さ』の勉強方法 3」


前回までは、5年生が学ぶ「旅人算」について、サピックスの平常教材「Daily Support」(過年度版)を例にして見ました。


一般に、大手進学塾のカリキュラムでは、「旅人算」の次は「流水算」や「通過算」となっていますので、今回は「流水算」について、どのような学習になるのかを見ていこうと思います。


参考にする教材は、前回と同様にサピックスの平常教材「Daily Support」(過年度版)です。




(A問題より)
ある船が45km上るのに9時間かかり、同じところを下るのに5時間かかりました。この川の流れの速さ、船をこぐ速さはそれぞれ毎時何kmですか。







【解答例】
流水算も旅人算と同じように、線分図やダイヤグラムに問題の条件を整理することができます。

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上の図から、上りの速さが 45km÷9時間=5km/時、下りの速さが 45km÷5時間=9km/時 とわかります。


上りと下りの速さがわかると、「く(下り)・せ(静水時)・の(上り)・り(流速)」や「上・下・静・流」という整理方法や次のような線分図を利用して、流速や静水時の船の速さを求めることができます。

20180907171232.jpg


図より、流速は ( 9km/時-5km/時 )÷2=2km/、静水時の船の速さは 5km/時+2km/時=7km/ とわかります。


このように、サピックスの「Daily Support」の場合、A問題では「流水算の基本公式」を学びます。

20180907171320.jpg




では、B問題以降ではどのようなことを学ぶのでしょうか。




(C問題より)
A、B2人の水夫がいます。静水をこぐ速さはAが毎時8km、Bが毎時4kmです。いま、同時にAは川下からこぎ上り、Bはこれより48km上流からこぎ下ります。途中で出会ったあと、3.5時間たってAはBの出発点に到着することができました。この川の流速は毎時何kmですか。








【解答例】
A問題のときと同じように、問題の条件を整理してみます。

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どちらをみても、Aが上る速さやBが下る速さがわかっていないために、先に進むことができません。


実は、ここに大切な学習のポイントが1つあるのです。


☆学習のポイント☆ 
「流速自爆」...上りの速さ+下りの速さ=静水時の速さの和 


このC問題の場合、AとBは同時に向かいあって出発して出会ったのですから、AとBが出会うまでの時間は、48km÷(Aが上る速さ+Bが下る速さ) で求められます。


ところで、A問題の流水算の基本で見たように、

Aが上る速さ=Aの静水時の速さ-流速、
Bが下る速さ=Bの静水時の速さ+流速

ですから、

 Aが上る速さ+Bが下る速さ
=Aの静水時の速さ-流速+Bの静水時の速さ+流速
=Aの静水時の速さ+Bの静水時の速さ

です。


したがって、AとBが出会うまでの時間=48km÷( 8km/時+4km/時 )=4時間とわかります。


つまり、

20180907171518.jpg


となりますので、Aが上る速さが 48km÷( 4時間+3.5時間 )=6.4km/時 と求められます。


ですから、

20180907171539.jpg

より、
流速=8km/時-6.4km/時=1.6km/ が答えです。


このC問題で学ぶ「流速自爆」は、流水算独特の学習ポイントです。

20180907171618.jpg




最後に見るのは、D、E問題です。




(D問題より)
ある船が川を36km下ったところ、6時間かかりました。その後、出水のため流速が下るときの2倍になったため、同じところを上るのに、下ったときの2倍の時間がかかりました。この船の静水時の速さは毎時何kmですか。








【解答例】
問題の条件を整理します。


線分図でも構いませんが、距離の条件が「36km」の1つに対し、時間の条件が「6時間」、「2倍の時間」のように多いことから、ダイヤグラムを使ってみます。

20180907171648.jpg


上のグラフより、下りの速さは 36km÷6時間=6km/時、上りの速さは 36km÷12時間=3km/時 とわかります。


このことを「流水算の速さの線分図」に整理します。

20180907171705.jpg


上の図より、下るときの流速が ( 6km/時-3km/時 )÷( 2+1 )=1km/時 とわかりますので、静水時の速さは 6km/時-1km/時=5km/ と求められます。

20180907171723.jpg






今回は「流水算」の学習について見ましたが、参考教材にしたサピックスの「Daily Support」からわかる、「流水算の勉強」は、

①問題の条件を線分図やダイヤグラムに整理する

②速さについては「流水算の速さの線分図」などに整理する

③「流速自爆」

の3つを身につけることだとわかりました。


次回は「通過算」について、その勉強方法を考えていこうと思います。

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速さの練習問題2018年09月15日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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