中学受験情報局『かしこい塾の使い方』 -> 主任相談員の中学受験ブログ -> 前田昌宏の中学受験が楽しくなる算数塾 -> 受験算数と塾の使い方 ->数の性質の練習問題 ->第449回 大手進学塾の夏期講習 1

第449回 大手進学塾の夏期講習 1

このエントリーをはてなブックマークに追加
受験算数と塾の使い方 / 数の性質の練習問題2019年06月22日18時00分

「第449回 大手進学塾の夏期講習 1」


大手進学塾などではあと1ヶ月ほどで夏期講習が始まります。

20190611040638.jpg



特に6年生が夏期講習で学ぶ算数は、サピックスのようにこれまでの単元がすべて網羅されてた「総復習+発展学習」の学習カリキュラムであったり、浜学園のように出題傾向に合わせて分野を絞り込んだ志望校別の学習カリキュラムであったりしますから、他学年と比べてもとても大切な講習会といえます。

20190611035010.jpg



そこで、大手進学塾の6年生が夏期講習でどのようなことを学ぶのか、実際の問題で見ていこうと思います。




サピックス 夏期講習教材「サマーサポート 第1回 数の性質(1)」(過年度版)より 

A問題1-(4) 97、166、258を1より大きい同じ整数( ア )で割ると、あまりは同じ整数( イ )です。








【解答例】
「同じ余り」という問題です。


3つの整数97、166、258について条件を線分図に表すと次のようになります。

20190611034933.jpg


上の線分図より、アは69と92の公約数1、23とわかりますが、「1より大きい」という条件もありますので、ア=23です。


97÷23=4あまり5 → イ=5 




「同じ余り」については、2月に受けた6年生の第1回目の授業「数の性質」で学んでいますので、その復習です。




C問題1-(1) 1以上999以下の整数(ア)を14で割ったら、商と余りが等しくなりました。そのような整数(ア)は何個ありますか。








【解答例】
「商と余りが等しい」という問題です。


問題の条件を式に表すと次のようになります。

(ア)÷14=□あまり□ 

この式から、あまりの□は割る数14よりも小さい13以下の整数とわかります。

□=1のとき、(ア)÷14=1あまり1 → (ア)=15



□=13のとき、(ア)÷14=13あまり13 → (ア)=195 

となり、□=1~13のとき、整数(ア)は「1以上999以下」という条件を満たしますので、整数(ア)は13あります。




(別解)
(ア)÷14=□あまり□ 

をかけ算の式(わり算の確かめ算の式)にすると、

(ア)=14×□+□=15×□ 

となるので、整数(ア)は999以下の15の倍数です。


999÷15=66あまり10 

より、999以下の15の倍数は66個ありますが□は13以下ですから、そのうちの13個が答えとわかります。






2月に学んだ「同じ余り」も、夏期講習のC問題で取り扱われる「商と余りが同じ」という問題も「余り処理」に関する学習ですが、「同じ余り」は線分図、「商と余りが等しい」は式のようにその条件整理の方法が異なっています。


このように、夏期講習では「復習」に加えて「新しい学習(発展学習)」もあります。


時間の関係で、クラスによってはこの問題のような「新しい学習」が授業の中心になることもあります。




では、「新しい学習」からもう1問、問題を見ておきます。




20190611035332.jpgD問題3 池の周りに杭が24本立っています。太郞くんはこの杭にペンキを塗ろうと思い、杭Aを出発点として、右図の矢印の方向に回り始めました。 (中略)ペンキの塗り方を6本目ごと、7本目ごと、8本目ごと、9本目ごと、10本目ごと、11本目ごととしたとき、池を何周か回って全部の杭にペンキを塗り終えることができるのは、どの塗り方ですか。すべて答えなさい。(一部改題)








【解答例】
池の形を円とし、杭が等間隔に打たれていると考えると、杭は円周の1/24ごとに立っていることになります。


6本目ごとに杭にペンキを塗るということは、円周の6/24=1/4ずつ進むことになりますから、

1/4=6/24、2/4=12/24、3/4=18/24、4/4=24/24

のように、Aの杭を1番とすると、6番、12番、18番、24番の4本の杭にペンキを塗り、1周してAに戻ります。


また、9本目ごとに杭にペンキを塗るということは、円周の9/24=3/8ずつ進むことになりますから、

3/8=9/24、6/8=18/24、9/8=1 3/24、12/8=1 12/24、15/8=1 21/24、18/8=2 6/24、21/8=2 15/24、24/8=2 24/24

のように、Aの杭を1番とすると、9番、18番、3番、12番、21番、6番、15番、24番の8本の杭にペンキを塗り、3周してAに戻ります。


このように、□本目ごとに杭にペンキを塗るとき、□/24が約分できるとすべての杭にペンキを塗ることができません。


ですから全部の杭にペンキを塗りおえることができるのは「24と□が、1以外の公約数を持たない」のときですので、7本目ごと、11本目ごとのときです。




この問題は「糸かけ曼荼羅」とも呼ばれているもので、類題は武蔵中学など難関中の過去問にもあります。






今回はサピックスの夏期講習教材「サマーサポート」から、6年生が夏期講習の第1回に学ぶ問題をいくつか見ましたが、2月に習ったことの復習から、難関中の入試問題の類題まで幅広い問題が取り扱われていました。


夏期講習が始まるまでまだ1ヶ月あります。


D問題やE問題も宿題となるクラスで夏期講習を受講する場合は、この期間を利用して、復習の範囲については万全の準備を整え、D問題やE問題などの「新しい学習」に備えておくことができると理想的ですね。

mflog.GIF

このエントリーをはてなブックマークに追加
受験算数と塾の使い方 / 数の性質の練習問題2019年06月22日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
Copyright (c) 2008- 中学受験情報局『かしこい塾の使い方』 All rights reserved.