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第485回 2020年度の中学入試 6

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中学入試の算数問題 / 場合の数の練習問題 / 計算力の練習問題2020年02月29日18時00分

「第485回 2020年度の中学入試 6」


前回から、人気が高まっている大学の付属校について、2020年度の中学入試問題をご紹介しています。


今回は、早稲田大学の系属校である早稲田中学校の第1回の入試問題を見ていこうと思います。


早稲田中学校の第1回の算数の入試問題は、2019年度と同じく大問5題という構成でした。




2020年度 早稲田中学校 入試問題 第1回 算数より 

問題1-(1) 20200225170457.jpgからある数を引いて最も大きい整数にします。そのある数は何ですか。約分できない分数で答えなさい。








【解答例】
一瞬、何を問われているのか、戸惑いそうになる問題ではないでしょうか。

20200225170523.jpg

しかし、上記のような式に表すと、問題の仮分数を帯分数に直す問題であることがはっきりします。

51005÷3232=15あまり2525

ですから、

20200225170556.jpg

となります。  

20200225170613.jpg




本問の計算は簡単ですが、「文章を正しく読む」ことができないと、「?」が頭に飛びかねない問題だったでしょう。


このようなところにも、新しい「大学入学共通テスト」で「思考力」問題が出されることが反映されているように思えます。




では、もう1問です。






問題3 三角すいABCDの頂点Aに点Pがあり、点Pは1秒ごとに他の頂点に移動します。たとえば、2秒後に点Pが頂点Aにある移動の仕方は全部で3通りです。次の問いに答えなさい。

(1) 3秒後に点Pが頂点Aにある移動の仕方は全部で何通りありますか。

(2) 4秒後に点Pが頂点Aにある移動の仕方は全部で何通りありますか。

(3) 5秒後に点Pが頂点Aにある移動の仕方は全部で何通りありますか。

(4) 9秒後に点Pが頂点Aにある移動の仕方のうち、3秒後に頂点Bにあり、6秒後に頂点Aにある移動の仕方は全部で何通りありますか。








【解答例】
各頂点への行き方が何通りあるかを1秒ごとに自分で図をかいて解く問題です。

(1) 
点Pが、1秒後、2秒後、3秒後に移動する仕方が何通りあるかを順にかいて調べます。

20200225170705.jpg

上の図より、3秒後に点Pが頂点Aにある移動の仕方は全部で6通りとわかります。

答え 
6通り 


(2)
(1)の図より、点Pが3秒後から4秒後に頂点Aに移動する仕方は、頂点B、C、Dからそれぞれ7通りありますから、

7通り×3=21通り

です。 

答え 
21通り 


(3)
(1)の図より、点Pが4秒後に頂点Bに移動する仕方は、頂点Aから6通り、頂点C、Dからそれぞれ7通りありますから、

6通り+7通り×2=20通り

とわかります。

20200225170844.jpg


従って、点Pが5秒後に頂点Aに移動する仕方は、頂点B、C、Dからそれぞれ20通りありますから、

20通り×3=60通り

です。 

答え 
60通り 


(4)
(1)~(3)と同じように、5秒から9秒後までの図をかいて調べてもOKですし、次のように「踏み台解法」を利用して解くこともできます。

20200225171711.jpg

上の表より、9秒後に点Pが頂点Aにある移動の仕方のうち、3秒後に頂点Bにあり、6秒後に頂点Aにある移動の仕方は全部で294通りとわかります。

答え 
294通り 

(別解)
(1)の図を利用します。


点Pが頂点Aから3秒後に頂点Bに移動する仕方は7通りです。


3秒後に点Pが頂点Bから頂点Aに6秒後に移動する仕方は、(1)で頂点Aから3秒後に頂点Bに移動する仕方と同じですから、

7通り×7通り=49通り

です。


同様に、6秒後に点Pが頂点Aから頂点Aに9秒後に移動する仕方は、(1)で頂点Aから3秒後に頂点Aに移動する仕方と同じですから、

49通り×6通り=294通り

のようにして求めることもできます。






本問は、「自分で図をかく」「小問(1)~(3)を通して規則性に気づく」という点から「思考力」問題だといえそうです。


しかし、そのためには「時間ごとの道順解法(時系列のイチイチ解法)」が使いこなせることも必要ですから、「知識」も問われているといえるでしょう。






このように、「思考力」問題を解くためには、十分な「知識」とそれらを正確に使いこなせる「アウトプット力(答えまで過程を正確に処理する力)」が欠かせません。


ですから、志望校別の傾向対策が始まるまでの約半年がこの「知識」と「アウトプット力」を高める期間、9月以降が「思考力」問題対策の期間と考えて、6年生前半の学習に取り組んでいくことが望ましいと思います。

mflog.GIF

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中学入試の算数問題 / 場合の数の練習問題 / 計算力の練習問題2020年02月29日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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