中学受験情報局『かしこい塾の使い方』 -> 主任相談員の中学受験ブログ -> 前田昌宏の中学受験が楽しくなる算数塾 -> 中学入試の算数問題 ->割合の練習問題 ->第486回 2020年度の中学入試 7

第486回 2020年度の中学入試 7

このエントリーをはてなブックマークに追加
中学入試の算数問題 / 割合の練習問題2020年03月07日18時00分

「第486回 2020年度の中学入試 7」


ここまで、人気が高まっている大学の付属校について、2020年度の中学入試問題をご紹介しています。


前回は早稲田大学の系属校である早稲田中学校の第1回の入試問題をご紹介しましたが、今回も同じ早稲田大学の系属校から、早稲田実業学校中等部の入試問題を見ていこうと思います。


2020年度の早稲田実業学校中等部の算数の入試問題も、2019年度と同じ大問5題でした。




2020年度 早稲田実業学校中等部 入試問題 算数より 

問題4 2つの管A、Bから水そうに食塩水を入れていきます。管Aからは( ア )%の食塩水、管Bからは4%の食塩水がそれぞれ出てきます。この水そうが空のとき、いっぱいになるまで食塩水を入れるのに、管Aのみで入れると48分かかり、管Bのみで入れると( イ )分かかり、管A、Bの両方で入れると18分かかります。今、この水そうの容積の1/6だけ3.6%の食塩水が入っています。この状態から4分間管Aのみで入れると、食塩水の濃度は8%になりました。その後、( ウ )分間管Bのみで入れ、さらにその後( エ )分間管A、Bの両方で入れると水そうはいっぱいになり、食塩水の濃度は7.2%になりました。次の問いに答えなさい。

(1) ( イ )に入る数を求めなさい。

(2) ( ア )に入る数を求めなさい。

(3) ( ウ )、( エ )に入る数を求めなさい。








【解答例】はじめに、問題文前半の条件を整理します。

20200301164123.jpg


(1) 
上の図1~3より、仕事算を利用すると(イ)が求められそうだとわかります。


そこで、水そうの容積を48分と18分の最小公倍数の144〇とすると、

144〇÷48分=③/分 ... 管Aから1分間に入る食塩水の量 
144〇÷18分=⑧/分 ... 管AとBの両方から1分間に入る食塩水の量 

とわかりますから、

⑧/分-③/分=⑤/分 ... 管Bから1分間に入る食塩水の量 

が求められます。

144〇÷⑤/分=28.8分

答え 
28.8 


(2) 
上の図だけでは管Aから出る食塩水の濃度を求めることはできませんので、問題文の続きの条件も整理していきます。

20200301164209.jpg


図4から、「天秤法(または面積図)」を利用すれば、管Aから出る食塩水の濃度を求めることができそうだとわかります。


20200301164225.jpg

上の図より、

1□=8%-3.6%=4.4% → 2□=8.8% 
8%+8.8%=16.8% ... 管Aから出る食塩水の濃度 

とわかります。

答え 16.8 


(3)
最後の条件もこれまでと同じように整理してみます。 

20200301164319.jpg


図5より、次のような天秤図をかくことができます。

20200301164338.jpg

上の図より、

3□=8%-7.2%=0.8% → 1□=4/15% 
?%=7.2%-4/15%=104/15%=6 14/15% ... 管Aと管Bを使って加えた食塩水全体の濃度 

とわかります。


このことから、

20200301164405.jpg

という天秤図をかくことができます。

108〇×11/48=24.75〇 ... 管Aから入れた食塩水の量 
108〇-24.75〇=83.25〇 ... 管Bから入れた食塩水の量 

24.75〇÷③/分=8.25分 ... 管Aから食塩水を入れた時間(エ) 

83.25〇÷⑤/分=16.65分 ... 管Bから食塩水を入れた時間(ウ)+(エ) 
16.65分-8.25分=8.4分 ... (ウ)

答え ウ 
8.4、エ 8.25 




(3)は「つるかめ算」のようにも見えますが、問題の条件を図などにかいて見やすくしてみると、食塩水を入れている合計時間がわかりませんので、濃さを利用しなければいけないことに気づけます。




現在の学校教育法には「基礎的な知識および技能を習得させるとともに、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力その他の能力を育み、主体的に学習に取り組む態度を養うことに、特に意を用いなければならない」という規定があります。


この規定を中学入試の算数にあてはめてみると、学力の3要素である「思考力」、「判断力」「表現力」を問う問題が、「思考力」問題であるといえるでしょう。


本問は、8行にわたる問題本文から、各問いを解くために必要な条件がどれであるかを見つけ、適切な解法を選択させるという点において、「判断力」を問う「思考力」問題であるということができます。


2021年度の受験生は、記述問題に代表される「表現力」を問う問題に対する準備も大切ですが、本問のようなこれまでも中学入試で出題されてきた、「判断力」を問う長文の「思考力」問題に対応するために、その基礎となる「知識」、「解き方」を6年生の前半に固めることも非常に重要な学習だと思います。

mflog.GIF

このエントリーをはてなブックマークに追加
中学入試の算数問題 / 割合の練習問題2020年03月07日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
Copyright (c) 2008- 中学受験情報局『かしこい塾の使い方』 All rights reserved.