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第499回 合否を分ける問題の解き方 立体図形の切断

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図形の練習問題 / 算数の成績アップ勉強法2020年06月06日18時00分

「第499回 合否を分ける問題の解き方 立体図形の切断」


作図力が重要となる問題を、近年の中学入試の中から見てきています。


前回は「立体図形の影」をテーマにした問題について考えましたが、今回は「立体図形の切断」の問題を見ていきます。


「立体図形の切断」を解く上で必要となる基本の考え方は、「切断の3原則」です。


この「切断の3原則」は、立方体を切断する問題を練習すると身につけやすいです。




【基本問題】
1辺の長さが6cmの立方体ABCD-EFGHを、辺AD、BF、DHの真ん中の点P、Q、Rを通る平面で切ります。切り口を展開図の中にかきなさい。

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【解答例】
「切断の3原則」の1番目は「同じ面上の2点を結ぶ」です。

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結べる点がなくなったら、「切断の3原則」の2番目、「平行な面の切り口は平行」を利用します。

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上の図で、「同じ面上」の点や「平行な面の切り口」がかける面は残っていませんから、「切断の3原則」の3番目、「延長」を使って作図を続けます。


「延長」とは、「切り口を延長するために、立方体を1個つけたす」という方法です。


例えば、切り口PRを延長するために、面CGHDに立方体をくっつける、ということです。

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上の図で、点Sと点Tは「同じ面上の2点」ですから、結ぶことができます。

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上の図で、点Uと点Rも同じ面上の2点ですから、結ぶことができますし、また、面ABCDと面EFGHは平行ですから、切り口SUと平行な切り口をPからかくこともできます。

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最後に、同じ面上にある点Qと点Vを結ぶと切り口が完成します。

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「切断の3原則」では、「③ 延長」が一番マスターしにくいので、はじめは本問のような「切り口が正六角形」となる問題で練習し、慣れたら「切り口が五角形」になる問題に進むとよいと思います。

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それでは、中学入試の中から、「立体図形の切断」がテーマの問題を見ていきます。


出題校は、ラ・サール中学校の入試問題です。




2019年度 ラ・サール中学校 入試問題 算数より 

問題5 図の立体ABCDEFは三角柱を3点D、E、Fを通る平面で切ったものです。角ABCは直角で、辺AB、BC、BE、CFの長さがそれぞれ6cm、辺ADの長さが8cmです。また、Pは辺DEの真ん中の点、Qは辺ABの真ん中の点です。このとき、次の問いに答えなさい。ただし、角すいの体積は(底面積)×(高さ)÷3です。

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(1) 立体ABCDEFの体積を求めなさい。

(2) 3点C、P、Qを通る平面でこの立体を切ったときの切り口を解答欄にかきなさい。

(3) 3点C、P、Aを通る平面でこの立体を切ったときの切り口を解答欄にかきなさい。








【解答例】
(1)
問題文に「三角柱を3点D、E、Fを通る平面で切ったもの」とありますから、この問題は「断頭三角柱」の体積求めればよいことになります。


断頭三角柱の体積は、(底面積)×(3つの高さの平均)で求められます。

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上の図より、高さの平均は

( 8cm + 6cm + 6cm )÷ 3 = 20/3cm

と求められますから、体積は

( 6cm × 6cm ÷ 2 )× 20/3cm = 120cm3

です。
※点Eを通り、底面ABCに平行な面でこの立体を上下に分け、上側の三角すいと下側の三角柱の体積の和を求めてもOKです。


(2)
「切断の3原則」に従って作図をします。


はじめに、点Pと点Q、点Cと点Qは、それぞれ同じ面上の2点ですから、点Pと点Q、点Cと点Qを結びます。

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上の図より、この立体を底面ABCに対して垂直に切っていることがわかりますから、辺FCも切り口です。

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上の図で、点Pと点Fは同じ面上の2点ですから、結ぶと(2)の答えになります。

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※CQは点線、実線のいずれでも構わないでしょう。


(3)
点Aと点P、点Aと点Cは、それぞれ同じ面上の2点ですから、点Aと点P、点Aと点Cを結びます。

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ところで、面DEFと面ABCは平行ではありませんから、点PからACに平行な線を切り口としてかくと間違いになります。


また、面ABEDと面BCFEや面ACFDも平行ではありません。


そこで、「切断の3原則」の3番目の「延長」を利用することになります。


このとき、上記(1)の図のように三角柱として考えることが、(3)のポイントです。

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上の図で、点Cと点Sは同じ面上の2点ですから、結ぶことができます。

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上の図で、点Pと点Tは同じ面上の2点ですから、結ぶと(3)の答えになります。

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※作図のときにかいた補助線(灰色の点線)は、考え方を伝えることができるので、消さずに残しておくとよいでしょう。


なお、点Tは、次の投影図のように、辺EFを4:3に分ける点です。

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本問は「断頭三角柱」を切断する問題でした。


三角柱は2つの底面が平行ですが、断頭三角柱には平行な関係となる面はありません。


そこで本問の(3)のように、「切断の3原則」の3番目の「延長」を使用するときは、三角柱で考えることになります。


この他に、合同な三角柱を2つ合わせてできる直方体で考えると作図がしやすい問題もあります。




「立体図形の切断」はとても難しいテーマだと思いますが、近年の中学入試ではよく出されるテーマの1つとなっています。


立方体、直方体、三角柱の順に練習を重ね、志望校によっては断頭三角柱、三角すい、四角すいの切断まで、身につけていきましょう。

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図形の練習問題 / 算数の成績アップ勉強法2020年06月06日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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