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第333回 2017年4月のサピックスオープンに向けて

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算数の成績アップ勉強法 2017年04月01日18時00分

「第333回 2017年4月のサピックスオープンに向けて」


今日から4月、春休みも残り少なくなってきました。


そこで今回は4月16日に実施予定のサピックスオープンに向け、
昨年度のサピックスオープンを振り返ってみようと思います。


2016年4月10日実施
「第1回 志望校判定サピックスオープン 6年 算数A」

大問1 配点21点 計算問題(3問)

大問2 配点28点 小問集合(1)約数 (2)平均算 (3)速さと比 (4)消去算

大問3 配点28点 小問集合(1)角の大きさ (2)等積変形 (3)半径×半径 (4)立体図形の表面積

大問4 配点16点 場合の数 すごろく(2問)

大問5 配点16点 平面図形 相似完成(2問)

大問6 配点16点 文章題 割り取り算(2問)

大問7 配点25点 図形の規則性(3問)

計150点満点




それでは、実際の問題をいくつか見てみましょう。


大問4 下の図のような正八角形ABCDEFGHの頂点Aにおはじきがあります。1個のサイコロを投げ、出た目の数だけおはじきを矢印の方向へ進めます。これをくり返して、おはじきがちょうどAの位置で止まったとき、「上がり」とし、サイコロを投げるのをやめます。例えば、サイコロの目が2→3の順に出ると、おはじきはA→C→Fと進んで止まります。サイコロの目が4→5の順に出ると、おはじきはA→E→Bと進んで止まります。次の問いに答えなさい。

20170331154632.jpg

(1) サイコロを投げる回数がちょうど2回で「上がり」となるような目の出方は、全部で何通りありますか。ただし、サイコロの目が1→2の順に出る場合と2→1の順に出る場合は別の目の出方とします。

(2) サイコロを投げる回数がちょうど3回で「上がり」となるような目の出方を考えます。このうち、おはじきが途中でDに止まるような目の出方は、全部で何通りありますか。ただし、サイコロの目が1→2の順に出る場合と2→1の順に出る場合は別の目の出方とします。








「処理速度とその正確さ」を確認するのにピッタリな問題です。


(1)「8」角形ですから、サイコロの目の和が8の倍数になると、「上がり」です。


サイコロの目は最大でも6ですから、
2回振ったときの目の和=8以外の「上がり」はありません。


(1回目、2回目)=(2、6)~(6、2)の5通りが答えです。





(2)「D」に止まるのは、□回振ったときの目の和=3または11のときですから、
(1回目、2回目、3回目)=(3、■、★)、(1、2、■)、(2、1、■)、(5、6、■)、(6、5、■)
の5つの場合があります。


(3、■、★)以外は、3回目の目■の出方は、どれも「5」しかありません。


(3、■、★)は、■+★=5ですから、(■、★)=(1、4)~(4、1)の4通りです。


4通り+4通り=8通り





正解できた場合は、
小さい順、大きい順など順序を決めて調べているか、
場合分けをして調べているかなど、
解き方も確認しておくとよいですね。



もう1問です。




大問5 下の図の四角形ABCDは長方形でADの長さは21cm、CDの長さは12cmです。また、BFの長さは14cmで、BEの長さは3cmです。次の問いに答えなさい。

20170331154758.jpg

(1) EGとGD長さの比を最も簡単な整数の比で表しなさい。

(2) 四角形GFCDの面積は何cm2ですか。








こちらは「相似完成(知識)」の確認ができる問題です。

20170331154826.jpg

相似を完成させる補助線の描き方には、上の4つがあります。


図2や図4は、図1や図3よりもEG:GDを早く求めることができますが、
上記のいずれかを用いて正解できていれば一応OKでしょう。

20170331154919.jpg

(1)の解答例

図より、EG:GD=1:2です。




(2) (1)が正解できれば、(2)はさほど難しくないでしょう。

20170331154953.jpg

多くの場合、上記の4つの解き方のいずれかになると思います。


図4の場合ですと、
21cm×12cm×1/2×1/2+7cm×12cm×1/2=105cm2
という求め方になります。








算数Aは知識の確認と処理速度とその正確さが問われるテストです。


2016年の出題範囲も
6年生の2月から春期講習までで取り扱われたものと重なっています。


しかし、
6年生の2月から春期講習の教材の問題ができているから算数Aの対策ができている、
と思い込むと意外な失点をする可能性もあります。


というのも、
例えば、6年生の第1回目の授業で取り扱う分野は「数の性質」ですが、
教材に載っている問題はその範囲の中の一部でしかないからです。


優先順位が高いのは、もちろん2月から春期講習までの教材ですが、
それがOKであるならば、
5年生の教材も1月、冬期講習、12月、11月、…と
さかのぼって復習をしていきましょう。


算数Bと異なり、算数Aは類題をどこかで演習していますから、
復習が得点アップに直結します。


サピックスオープンまであと2週間ほどしかありませんが、
時間を作って取り組めるといいですね。

mflog.GIF

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算数の成績アップ勉強法 2017年04月01日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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