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第435回 2019年度 中学入試 10

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中学入試の算数問題2019年03月16日18時00分

「第435回 2019年度 中学入試 10」


2019年度の中学入試問題をご紹介してきています。


これまでに、千葉県の難関中の渋谷教育学園幕張中学校、東京都の男女御三家の開成中学校、麻布中学校、武蔵中学校、桜蔭中学校、女子学院中学校の2019年度入試の問題を見てきましたが、今回は都内女子御三家の最後の1校、雙葉中学校の入試問題を取り上げていこうと思います。


雙葉中学校の2019年度入試の出題数は、これまでと同様に5題でした。


出題分野は、大問1が「計算と数(分数の四則混合計算・公約数の利用)」、大問2が「平面図形(面積公式・三角形の相似)」、大問3が「数の規則性(循環小数と周期算)」、大問4が「数量関係(単位あたりの量)」、大問5が「比と割合の文章題(食塩水の濃さ)」です。


問題の難度は、受験勉強で取り組む機会の多い問題が出題範囲となりやすい大問1~4が昨年度よりはやや易しく、条件の読み取りや整理力などを必要とする大問5がやや難しい、全体としては昨年度よりもやや易しい試験のように感じました。


従って今年度の入試は、大問1~4をできるだけ失点しないことがポイントであったと思われます。


それでは、2019年度の雙葉中学校の入試問題の中から2問をご紹介していきます。


1問目は5年生の学習範囲となる大問1です。






2019年度 雙葉中学校 入試問題 算数より 

大問1 次の ア ~ ウ にあてはまる数を書きましょう。

(1)

20190308124604.jpg

(2) チョコレート74個、グミ152個、あめ295個を イ 人でそれぞれ同じ数ずつ分けると、どれも ウ 個余ります。








【解答例】
(1)
20190308124715.jpg


(2)
「不明の同数余り」と呼ばれることのある定番問題です。


「不明の同数余り」は「差の公約数」を利用して解きます。

20190308131105.jpg


上の線分図より、□は78と143の公約数ですから最大公約数13の約数1と13のうち、余りがでる13人がイです。


74個÷13人=5個あまり9個 → ウ=9 

答え ア 31.21、イ 13、ウ 9 






雙葉中学校は女子御三家の難関中ですが、これまでも(1)のような計算問題や(2)のような定番問題がよく出されています。


ですから、このような問題に対する準備はどの受験生も十分にしてきていると思われますので、2問ともミスをしないことが必須です。




では、もう1問見ていきます。




大問5 3つの容器A、B、Cに、濃度の異なる食塩水が100gずつ入っています。これらの食塩水に作業①をしました。

[作業①]
Aから20g、Bから30g、Cから40gを取り出す。次に、Aから取り出したものをBに、Bから取り出したものをCに、Cから取り出したものをAに入れて、それぞれよくかき混ぜる。

作業①の後のBの濃度は13%でした。作業①でできた食塩水に、作業②をしました。

[作業②]
Aから40g、Bから20g、Cから30gを取り出す。次に、Aから取り出したものをCに、Bから取り出したものをAに、Cから取り出したものをBに入れて、それぞれよくかき混ぜる。

作業②の後のAの濃度は10.6%でした。

(1) 作業①の後のAの濃度は何%でしたか。

(2) 作業②の後、BとCの濃さは等しくなりました。このときのB、Cの濃度は何%ですか。ただし、作業①の後のCの濃度は、A、Bの濃度より高くなっていました。

(3) 最初、Cの濃度はAの濃度の3倍でした。最初のA、B、Cの濃度はそれぞれ何%でしたか。








【解答例】
(1)
食塩水をやりとりしたので、その様子を流れ図に整理して条件を見やすくします。

20190308131955.jpg


上の流れ図で「赤字の濃度」に着目すると、天びん法(または面積図)が使えることに気づけます。

20190308125047.jpg


上の天びん図より、

④=2.4% → ①=0.6% →☆%=10 


(2) 
(1)でわかったことを流れ図に書き込みます。

20190308132017.jpg


上の流れ図の「赤字の濃度」と「青字の濃度」の2組の食塩水の混合で、「ダブル天びん」が作れます。

20190308125110.jpg


上の天びん図で「2」と「7」を最小公倍数⑭にそろえると、

20190308125127.jpg


となるので、

①=0.2% → □%=14.2、◎%=17% 

とわかります。


(3)
(2)でわかったことと「最初、Cの濃度はAの濃度の3倍」を流れ図に書き込みます。

20190308125152.jpg


上の流れ図で、赤字の「AにCを混ぜる」部分について、てんびん図をかきます。

20190308125206.jpg


「~倍の濃さ(①%や③%)」をてんびんに書き込むときは、「0%」からてんびんをかくようにすると、「0%から③%までが、0%から①%までの3倍」という関係が見やすくなります。


上のてんびん図より、

1□+2□=③%-①% → ①%=1.5□ 

とわかりますから、

1.5□+1□=10% → 1□=4% 

となり、A=6%、C=18%が求められます。


最後は「BにAを混ぜる」部分または「CにBを混ぜる」部分を利用すると、Bの15%も求められます。


答え A 6%、B 15%、C 18 






大問5は、(1)が正解できれば(2)、(3)も正解できる、点数の差がつきやすい問題でした。


3種類の食塩水を一度に混ぜ合わせるのでとても難しそうにもみえますが、上記のように「食塩水のやりとり → 流れ図に整理する」という食塩水の混合問題の原則に従うことや、食塩水の混合計算に「てんびん法(面積図)」が使えるようになっていれば決して難しくはありません。






2019年度の雙葉中学校の入試問題は、雙葉中学校の過去問演習、塾教材や市販問題集レベルの問題演習が十分にできているかどうかが問われるものでした。


5年生の1年間で受験に必要な知識を一通り学んでいるときは、2019年度の雙葉中学校の入試問題などを利用して、知識の抜けや習熟度(どの程度使えるようになっているか)を確認し、春休み中に克服しておきたい課題を見つけることができればいいなと思います。

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中学入試の算数問題2019年03月16日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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