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第476回 中学入試で出題される「規則性」 2

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中学入試の算数問題 / 数の性質の練習問題2019年12月28日18時00分

「第476回 中学入試で出題される「規則性」 2」


中学入試で出された「規則性」に関する問題をご紹介しています。


前回は、「2で割ったときの余り」が利用できる「数の規則性」の問題でしたが、今回はどのような工夫ができる問題でしょうか。


さっそく問題を見ていきましょう。




2019年度 サレジオ学院中学校 A試験(四谷大塚 80%偏差値 男子60)より 

問題4 
次のような[規則]に従って整数の列を作ります。

[規則]
(ア) 1番目の数は1、2番目の数は1です。
(イ) 3番目以降の数は、1つ前の数と2つ前の数を足した数です。

このとき、次の問いに答えなさい。

(1) 1番目の数から10番目の数まですべて答えなさい。

(2) 1番目の数から30番目の数までに3の倍数はいくつありますか。

(3) 上の[規則]で、(イ)はそのままで、(ア)を

(ア) 1番目の数はX、2番目の数はYです。

という規則に変えて、新しい整数の列を作ることを考えます。ただし、X、Yには、それぞれ4から9までの整数のいずれかが入り、XはYよりも小さい整数とします。このとき、新しい整数の列の1番目から100番目の数の中に、3の倍数が25個あるようなX、Yの組合せをすべて答えなさい。








【解答例】
(1)
この問題の[規則]は、「フィボナッチ数列」という数列の作り方を表しています。

1番目の数 1
2番目の数 1
3番目の数 1番目の数+2番目の数=1+1=2
4番目の数 2番目の数+3番目の数=1+2=3
5番目の数 3番目の数+4番目の数=2+3=5
6番目の数 4番目の数+5番目の数=3+5=8
7番目の数 5番目の数+6番目の数=5+8=13
8番目の数 6番目の数+7番目の数=8+13=21
9番目の数 7番目の数+8番目の数=13+21=34
10番目の数 8番目の数+9番目の数=21+34=55

答え 1、1、2、3、5、8、13、21、34、55 


(2) 
「30番目」まで書き出して調べてもよいのですが、「調べる量が多い」ということは、「何か規則性があるのかも...?」と予測してみましょう。


そこで(1)で書き出した数列を調べてみると、次のようになります。

20191225144217.jpg

上の結果より、「×××○」の4個1組が繰り返されていることがわかります。


30番目÷4個/組=7組あまり2番目 → 1個×7組+0個=7





一応答えは求められましたが、「本当に4個1組?」という不安が残りそうです。


このように不安を感じたときは、もう少し調べる量を増やし、「大丈夫そうだ!」という安心感を持って次の問題に進むことが、テストのときは大切です。


しかし、家庭学習など時間の制約が少ないときは、次の別解のように、繰り返す「理由を考える」とよいでしょう。




(別解)
3の倍数が問題となっていますから、(1)の数列について、「3で割った余り」を調べていきます。

20191225144319.jpg

前回の「学習のポイント 2で割った余りを利用した整数のたし算」と同じように、今回は「3で割った余りを利用した整数のたし算」を使います。

20191225144453.jpg

問題の規則に従って、「余りについても前の2数をたす」と、上のように「8個1組」を繰り返します。


「4個1組」でも(2)の正解を得ることはできますが、実は「8個1組」という規則だったことがわかります。


30番目÷8個/組=3組あまり6番目
 ↓
2個×3組+1個=7





この「8個1組」を利用すると、次の(3)も正解が可能になります。


(3) 
4~9の6つの整数を3で割った余りで整理し直します。

20191225144435.jpg

この表を利用すると、例えば、(X、Y)=(4、5)は、(X、Y)=(1、2)に置き換えることができます。


従ってX、Yの組み合わせは、3で割った余りの9つの組(0、0)、(0、1)、(0、2)、(1、0)、(1、1)、(1、2)、(2、0)、(2、1)、(2、2)を調べても同じことになります。


ところが、
(0、1)のときは3番目の数が0+1という計算になり、
(0、2)のときは3番目の数が0+2という計算になり、
(1、0)のときは3番目の数が1+0という計算になり、
 ・
 ・
 ・
(2、2)のときは3番目の数が2+2という計算になりますから、(0、0)以外の8つの組については、(2)の別解で見た「(余りの)2数の和」の8つの式を繰り返すことになります。


ですから、これらの8つの組の場合、できあがる数列は次のような「ループ(環状)」になることがわかります。

20191225144602.jpg

このループから、(0、0)以外の8つの組は、8個1組の中に「必ず3の倍数が2個含まれる」ことがわかり、問題は、100番目までに3の倍数が25個含まれる場合についてですから、

100番目÷8個/組=12組あまり4番目
 ↓
1番目から4番目までに3の倍数を1個だけ含むとき、3の倍数の個数が

2個×12組+1個=25個

となります。


ところが上のループを見ると、どこから数え初めても1番目から4番目までの4つの数の中に「0」が1個だけありますから、(0、0)以外の8つの組はこの問題の条件を満たしていることがわかります。


一方、(0、0)の組=(6、9)の組は、すべて3の倍数が並びますので、問題の条件にあてはまりません。


ですから、(3)の答えは(6、9)以外の全ての組となります。

答え (X、Y)=(4、5)、(4、6)、(4、7)、(4、8)、(4、9)、(5、6)、(5、7)、(5、8)、(5、9)、(6、7)、(6、8)、(7、8)、(7、9)、(8、9








本問は「フィボナッチ数列」という「数列(規則的に並ぶ数)」の問題でしたが、小問(2)、(3)を解く際には、「3で割った余り」を利用しています。


このように「余り」を利用する考え方のことを「剰余類」や「剰余系」といいますが、「剰余類」は中学入試で出される「数の性質」や「数の規則性」の難しい問題で使うことがあります。


ですから、難関中を目指している場合は特に、「1、4、7、10、13、16、...は、3ずつ増える数、3で割ると1余る数、3の倍数+1、各位の数の和を3で割ると1余る数」などのように、複数の表現で数の説明ができるようになると理想的だと思います。

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中学入試の算数問題 / 数の性質の練習問題2019年12月28日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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